勇者終了
その後私たちはエッグランドを目指した。
その間、勇者バルデウスは度々私たちを追い抜いて行った。
回数を追うごとにバルデウスの来るタイミングが早くなっていった。
バルデウスが私たちを追い越していくたびにガザエル達は竜魔王を思い泣き崩れていた。
そんなに泣くぐらいならバルデウスと戦えばいいのにとも思うが犠牲者が増えるだけなので言わないでおいた。
それでもついにエッグランドで勇者が集めている生命エネルギーを開放し勇者バルデウスを止める為のアイテム、生命のツボを手に入れた。
生命のツボをもって竜魔王城へ行く。
城ではちょうど勇者バルデウスが竜魔王を倒したところだった。
また号泣するガザエル達、ちょっと見飽きた光景だ。
竜魔王を倒した勇者バルデウスが何かぶつぶつ言っている・
「100回・・・100回倒したのに・・・何も何も出てこない。前回までと一緒だ・・・」
勇者バルデウスにアレクが近づいていく。
「もういい、もういいんだ」
そう言うとバルデウスをそっと抱きしめる。
なになになんのシーン?
急な出来事にびっくりする。
「何もないんだよ。50回倒そうが100回倒そうが何もないんだよ。うすうす気づいていた炉だいぶ前から・・・もうやめよう・・・バルデウス・・・お前は俺だ薄暗い部屋でひたすらドラゴンディフィードをやり続けた俺そのもの・・・バルデウスもうやめにしよう」
なに?何を言い出した?
「本当に良いのか・・・?俺はまだやれる」
「良いんだ、良いんだよ」
そういうと生命のツボのふたを開ける。
ものすごい勢いで生命エネルギーを吸っていく。
そして勇者バルデウスは干からびた老人になり死んで粉になった。
「ドラゴンディフィードはもうやめだ・・・」
アレクがそういいながら涙を流す。
なんのシーンなんだろうか?涙の意味がわからない。
まあ良いか、もうやることやったし本当に帰ろう。
その時竜魔王が立ち上がる。
「竜魔王様!!」
ガザエル達が駆け寄る。
これはこれで平和が訪れたわね。
そう思い立ち去ろうとする。
「まて!!」
竜魔王が呼び止める。
「ついについにこの時が来た!!!わしの本当の姿を見せてやる!!」
そういうとガザエル達四天王が竜魔王に吸い込まれていく。
そしてまがまがしい竜の姿に変身する。
「もう勇者バルデウスはいない世界はわしのものだ!!!」
おいおい勇者いなくなった瞬間に態度急変したんだけど・・・。
「まずくない・・・?」
「大丈夫、これで最後だ!竜魔王を倒してすべて終わらせる!!!」
アレクが剣を構える。
さいあく・・・最悪だ。
まさか竜魔王と戦うことになろうとは・・・しかも2人で・・・。
杖を構え呪文を唱える。
戦いは1日以上続いたけどついに最後の時が来た。
【テラスパーク】
アレクが勇者固有魔法を唱える。
光の刃が竜魔王を切り裂く。
竜魔王が断末魔とともに崩れ落ちる。
終わった・・・何とか竜魔王を倒すことが出来た。
アレクを見る。
「終わったわ」
「終わったね。すべて終わった本当の終わりだ」
「さあ帰ろう」
「そうだな。本当に帰るべき場所に帰るよ」
「本当に帰るべき場所?」
「そうだ。40才の平凡なサラリーマンに戻るドラゴンディフィードは終わりだ中古ショップにでも売りに行く」
意味が分からない・・・40才?何言ってるの?今までで一番意味が分からない。
?マークが頭の中を飛び交う中アレクは薄く無り消えていった。
消えた・・・最初から最後まで全く理解が出来ない意味がわからない奴だったけど・・・消えた。
こうして私は日常生活に戻った。
アレクは消えたまま帰っては来なかった。
別に寂しいとかはないけど腑に落ちないことだらけだったなぁと今でも思う。




