予定外だしピンチだし
洞窟の中に入るとびっくりする光景が広がっていた。
一面にスライムの死骸が転がっていた。
「この死骸は新鮮だな、倒されたばかりみたいだ」
「倒されたばかりって誰か先に来てるってこと?やばくない?」
「そうか?楽でよくないか?」
何このお気楽な感じ、私は心配でたまらないよ。
「ここを右に行ってそこから左で・・・」
迷うこと無く進んでいくアレク
自信たっぷりに進んでいくけど来たことあるのかしら?
っていうかあってるのかな?
疑問と不安と不信感しかないまま先に進んでいく。
「っでだ地下5Fのここの奥の扉を開くとゴブリンがいるので・・・」
がっちゃとドアを開けたアレクがフリーズした。
「ん?どうしたの?」
固まったまま動かない。
「ねぇってば、ねぇ」
バタン!!
扉が閉じられた。
アレクがこちらを振り向く。
「俺が知っているドラゴンディフィードとはちょっと違う気がする・・・」
「ドラゴン・・・なに?何が違うの?」
「こんなところにあんな魔物はいない・・・って言うか今の俺たちのレベルでは絶対に無理!!!逃げるぞ!!」
アレクが私の手をつかみ走り出した。
「ちょっちょっとちょっと、何?何?」
「だからヤバイんだって!!」
バガゴォォォォン!!!
背後から大きな音と爆風、後ろを振り返るとそこにはミノタウロスがいた。
「ヴォオオオオ」
けたたましい咆哮をあげるとこっちに向かって走って追いかけてきた。
「何なのよ!一体!!大丈夫って言ってたじゃない!!」
「俺もそう思ったよ!!あの部屋にはゴブリンしかいないはずなのに!!」
「なんでそんな事言い切れるのよ?しかも全然違うし!!」
「くそっ俺の知っているドラゴンディフィードと全然違う!!」
逃げる私たちの横を金色の何かが通り過ぎていった。
今の何?って思って振り返ったらミノタウロスは切り刻まれて倒れていた。
そしてその横には金色の鎧を着た男性が立っていた。