新しい四天王
ガザエルは氷の巨人とは全く違う方向をみる。
何か気になったんだろうか?
でもそれどころじゃないと思う。
今は目の前のことに集中するべきだと思う。
だってこのままじゃ氷漬けにされて殺されちゃう。
そんな嘆きをよそにガザエルは完全に違う方向を向いている。
そしてその向いてる方向に呪文を放つ。
【バルザークス】
無数の黒い矢があさっての方向に放たれる。
何してんのよ本当に死んじゃうわよ。
あーもう凍えすぎて声も出ない。
ガギィィン
聞いたことのない異音とともに黒い矢は空中で離散した。
「ふふっ気づいた?やっと気づいた?」
ガザエルが見ている先から女性の声が聞こえる。
「聞こえてるからこいつを止めろ」
「どーしようかしら?泣いて頼んだら止めてあげようかしら?」
空中に女性の姿が現れた。
美しい顔に緑色の長い髪、それに大きな角にとがった耳、魔族だ。
それも教科書に載るレベルの・・・竜魔王四天王のひとりティアム。
「ティアムふざけるのも大概にしろ」
再度ガザエルが呪文を放つ。
ティアムの手前で消滅する。
「ふざけてないわよ。あなたこそふざけているの?私を置いてどこかに出かけたかと思ったらこんな人間たちとイチャイチャと!!!」
「イチャイチャはしていないが・・・」
たしかにイチャイチャはしていない。
むしろこちらとしてはちょっとイヤイヤな感じすらあると思う。
「私の気持ちわかってるんでしょ!」
「んっいやまぁあの・・・」
ガザエルの返事のキレが悪い。
「わからないの?はっきりしてよ!」
そうだね~そんな曖昧な返事だと火に油だよね。
「一緒に行こう!ティアム、一緒に!」
「えっ!?」
「えっ!?」
「えっ!?」
その場にいた全員が唖然とする。
「・・・行く」
「えっ!?」
「一緒に行くわよ。一緒にいたいんだから!」
ティアムがガザエルに抱きつく。
えぇぇぇぇ!!!一緒に行くぅぅぅ???
勇者らしき2人と魔族2人のパーティーってもう何がなんだかわからない。
勇者一行ではなくて魔族一行もしく4人で新しい竜魔王四天王なのでは?等と思ってしまう。
っていうかガザエルのちょっと嫌そうな顔。
嫌なら断れば良いのにな~んで拒否しないのかしら弱みでも握られているのかしら?
なにはともあれ氷の巨人は眠りにつきデゴン帝国の季節外れの冬は終わった。




