寒い寒い寒い
アレクの秘策、勇者一行のメンバーを仲間に加えていく作戦はいきなり失敗した。
そもそもアレクが失礼だから仕方がない。
ゾランさん合流はあきらめて3人でデゴン帝国に行くことにした。
山小屋で得た情報によるとデゴン帝国は近々ガンナップ国へ攻め込むという話だった。
・・・がそんな雰囲気ではない。
国境を越え着いた町、デコの町は完全に雪におおわれていた。
もともとデゴン帝国の北部は雪が多いとは聞いていたけど今いるのはデゴン帝国南部の比較的暖かい地域のはずなのに・・・。
「なっ!言ったろ戦争どころじゃないって、こんだけ雪が降ってたら戦争は無理だ」
確かにそうなんだけど雪が降っていることに疑問を持つべきなのでは?
そもそも私らの服装も寒い前提じゃないのでちょっとしんどい。
「寒くて死にそうなんだけど」
「人間とはこの程度で寒いのか軟弱な生き物だな」
「軟弱で良いわよ。寒いものは寒いわ。ねっアレク」
「俺割と平気」
「・・・私は平気じゃないからなんか服買ってちょうだい」
洋服屋に行き暖かい服を着た。
「ちょっとあんたら2人はいらんのかい?」
洋服屋のおばちゃんがアレクとガザエルに声をかける。
「いらん」
「そんな強がって外の寒さは異常なんだからちゃんと着ていきなさい」
おばちゃんは拒む2人に無理やり服を着せた。
「そもそもなんでこんなに寒いの?この辺りは温暖って学校では習ったけど」
「北にある氷の塔に住む氷の巨人のせいらしいんだけど詳しいことはわからないね。とにかく暖かくなってくれないと困るよ」
「さてそれじゃここから東、デコン城へ行く」
一瞬氷の塔へ行くとか言うんじゃなくてドキドキしたけど、とりあえずデゴン城へ行くというのでちょっと安心した。
氷の巨人なんて教科書には近づいてはいけないって書いてあったから・・・。
数日後デゴン城に着く。
黒くて巨大で威圧感がある。
今まで見た城の中でも1番無機質で冷たい感じがする。
城の前で立っていると中から兵士が出てきてこちらに向かってくる。
1人、2人、3人・・・その数がどんどん増えあっという間に囲まれた。
なになに?ガンナップでの行いのせいで指名手配でもされているの?
「もう終わったー!」
嘆く私をよそに平然とするアレクとガンナップ。
「俺たちの力が必要なんだろ!」
兵士たち相手に堂々と言うアレク・・・大した力もないくせに・・・。
兵士たちがざわざわする。
「なぜそれがおわかりなんですか?」
「俺はなんでも知ってるぜ!さあ早く行こうぜ!呼んでいるのは第一王子シエスだろ!」
「そこまでお分かりであれば話は早い、シエス様がお待ちです。こちらに!」
なんだかわけがわからないまま城の奥へと案内される。
通された部屋の先にはさっきアレスが言っていた第一王子シエス様らしき人が玉座に座っていた。




