竜魔王ゾール②
竜魔王ゾール、玉座に座るそのまがまがしい姿。
圧倒的な圧・・・があるはずだったけど何も感じない。
よく見ると玉座には疲れ切ってやつれた竜魔王が座っていた。
教科書で見た竜魔王とは全然別人。
「あの・・・この人誰?」
「何言ってるんだ?竜魔王様だろ?見たことない?」
「何!!竜魔王だと!!さあ勇者アレクが倒してやるぞ!!かかってこい!!」
竜魔王は何も反応しない。
「竜魔王様!四天王がひとり紫電王ガザエル、ただいま帰還しました」
ガザエルが、いつになくキリっとした態度になっている。
「ガザエル・・・そうか・・・良く帰った・・・あれは・・・あれは大丈夫なのか・・・」
「はっ!此の者たちの情報によると、あれは先日リエルガルドの洞窟にいたとの事なのであと1ヶ月ぐらいは安心かと思われます」
「そうか・・・」
竜魔王と呼ばれている何かは力なく返事をしぐったりとする。
なんか想像していたのと全然違う。
確かに国王様の言う通り死ななさそうだし大丈夫ではあったけど・・・。
っでこんな状態の竜魔王に会って何をしろっているのかしら会いに行けというから来てみな物の国王様の意図がわからない。
試案にふけっていたその時
ギャァァァアア!!!
ニゲロー!!
キタゾー!
突然、扉の外から悲鳴が聞こえた。
なに?なに?
付近にいた魔族も急にあわただしく動き出した。
「お前らまずいぞ!逃げるぞ!!こっちにこい!」
ガザエルに呼ばれたほうへ行くと小さな扉があった。
「早く!!ここから出るぞ!!」
言われるがまま扉の外に出る。
扉の向こうは細く暗い通路、先に進むにはとても不安な感じだ。
通路に入り扉の隙間から玉座のほうを覗いた。
魔王の部屋の大きな扉が乱暴に開かれた。
扉があいたその先には金色の鎧を着たあいつがいた。
伝説の勇者バルデウスのコスプレの男。
バルデウスが玉座に近づいていく。
魔物たちが襲い掛かるも近づくだけ消し飛んでいく。
圧倒的な強さ。
あっという間に魔王と2人だけになった。
「よく来たな勇者バルデウスよ。余はそなたの実力を高く買っている。どうだわしに力を貸さぬか?そうすれば世界の半分をお前にくれてやろう」
そういいながら竜魔王が弱々しく立ち上がる。
世界の半分はもらえない気がする立ち方だ。
「おぉ名シーンだ名シーン!!あれが見られるなんて!!」
なんか急にアレクが興奮しだしたので黙らせる。
そもそも隠れている身なのだから騒いでどうする。
「断る!!!俺は人々の為にお前ら魔族を倒して人々が平和に暮らせる世界を作るんだ!!!」
勇者バルデウス風の男がびしっとポーズを決めながら言う。
「ざんねんだよ勇者バルデウスよ。ならば死ぬが・・・」
そこまで言いかけた瞬間、竜魔王は勇者の剣で切り刻まれた。
竜魔王を倒した勇者はそっと後ろを振り返り歩き始める。
「なかなかやる様だな・・・ならば本気を・・・」
切り刻まれた竜魔王が立ち上がり何かに別なものに変化しかけた次の瞬間勇者の剣で切り刻まれ竜魔王は絶命した。
気が付いたら私の横でガザエルが号泣していた。
「竜魔王様ー!!」
号泣するぐらいなら助けに行けば良いのにとは思ったが泣いていたので黙っておいた。




