勇者誕生
なんだか大事な話があるらしく、全校生徒が校庭に集められた。
ヨレヨレの老人が全校生徒の前に立った。
確かうちの学校の校長先生だ。
「今日は我が国リエルガルトの軍司令部の司令官ガルドさんから大事な話がある。みんなしっかりと聞いて欲しい」
王国の軍司令官?物騒ね。
そんな物々しい人が学校なんかに何の用かしら?
いかにもって感じのムキムキの男性が出てきた。
「先日、王国の預言書から1つの予言が出された。竜魔王ゾールに復活の兆しがあるとそしてそれを打ち倒す勇者がこの学園にいると」
こんなに平和なのに?何を行っているのかピンとこない。
みんなもそうだ。
ただただざわついている。
そんな中、目をキラキラさせている奴がいる。
異世界からの転生者を名乗る男アレク。
選ばれてもいないのにワクワクしてる。
「世界を救う事ができる勇者の名は・・・」
すごく間が空いた。
あまり興味がないのでそういうの良いから早く終わらせて欲しいのに
「勇者の名は」
「リオーネ・ヨルグレン」
ふーんリオーネさんが勇者なんだ。
アレクは残念だったわねあーんなにワクワクしてたのにね。
っって!!
私?私?リオーネ?
ちょっ、ちょっと待ってよ。
勇者なんてなりたくないわ!
私を選ぶぐらいならあそこでワクワクしていたアレクを選びなさいよ。
ほら、あんなに落ち込んじゃってるじゃない。
「さあリオーネさん前に」
いやそれはちょっと私は平穏が一番
「さあ!!!」
圧がすごい。
しぶしぶおずおず、前に出る。
「さあ、みんなに一言勇者になった意気込みをお願いします」
意気込みー?
あるわけないじゃない。
やりたくないって言っているのにー!
「さあ、一言!!さあ!!」
あつ・・・圧が・・・。
「・・・・がんばります・・・」