椅子
なんとなく、こういうのが描きたいこの頃。
ぼくのおしりが どすんと地面につくのを
うけとめてくれた椅子
ついた尻餅を照れ臭そうにしながら
ぱんぱんと てのひらで泥をはらわなくてすんだから
ぼくがありがとうを言えば
べつにあんたのためにやったわけじゃないよと
ぼくのおしりのしたで
椅子はおもさに耐えながら 脚をつっぱらせる
ちぇっ すなおじゃないなって あきれたぼくが
ふんばってる椅子の脚もとをのぞくと
そこには ちいさな花が揺れていた
なんだ こいつのこと
ぼくのおしりがつぶしちゃわないように
うけとめてくれたのか そうからかうと
だから あんたのためじゃないって
さっき そう言ったじゃないか そう答えた椅子は
ぼくのおもさに耐えながら 脚をつっぱらせつづけた
ぼくは いくらかしゃくにさわったのと
もうすこしだけ 脚をつっぱらせるこの椅子に
いいかっこうさせてやろうとおもったのとで
ぼくのおしりのおもさを
まだしばらくあずけてやることにした
私っぽくないですけどね(笑)