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第3話

 ・・・突き当たり右、三番目の部屋の前に来た。

 トントン

 軽くノックをして入る。

 そこには・・


(可愛い)


 あら、メイド服を着ている猫の獣人さんがいた。

 人間の女の子に猫耳が付いたタイプだ。

 髪の毛はアメショのようなブルーに、目は薄い黄金

 尻尾がスカートからでていて可愛い。

 若干、巻いている。

 緊張しているみたいだわ。


「ヒィ、失礼しました。勇者様!」


 ・・・慌てているわね。やはり、私がここに来るのは想定外。


 しかし、耳、人間の耳はついているのだろうか?

 あ、人間の耳は付いている。

 では頭の上のその可愛いお耳は何のために?

 と疑問に思ったら、何か振動のような声が聞こえてくる。


 ニゲテ!ニゲテ!ニゲテ!ニゲテ!


 その時、同時に、私の心の中で声が聞こえた。

(スキル、翻訳機能、獣人信号解読習得・・・獣人族の簡単な念話を解読できる)


 なるほど、もしかして、その耳はテレパシーを発するため?


 情報を聞き出したわね。この子の様子から、盗聴されているものとして、動かなければいけないわね。


「初めまして、私はアズサ・ササキ、貴方のお名前は?」


「ミーシャでございます」


「まあ、可愛いお名前」


 ・・・欲しい情報は安全な行き先だ。私たちを使役獣と呼ぶ国。冒険者ギルド、商業ギルド?

 どこかないかしら。


「ミーシャさん。私、来たばかりでこの国のことを知らないの。良い行き先を教えて下さらない」


「あ、はい。精霊国は、とても、獣人族に良くして頂いてます。人族に仕えて幸せです」


 だめだ。やはり、うかつなことは言えないみたいね。


 ミーシャちゃんから、着替えるように促される。


 何でもこの国では、足を見せて良いのは閨の中、この制服のスカートは、とても刺激的らしい。

 踝まであるスカートの平民の服に着替えた。

 着替え中、まるで、視線から隠すように、飾ってある絵に背中を向け。私を隠す。

 盗み見もされているようね。


 あら、ミーシャちゃんが私にスリスリしてきた。


「もし、間違って、獣人族の集落に行ったときのおまじないです。悪い獣人族は仲間と思うでしょう。襲われません。絶対に、城を背にして右に行ってはいけません。右には獣人族の集落があります・・・」


 ミギ!ミギ!ミギ!ニゲロ!ニゲロ!


 なるほど、私は腰を90度になるまで下げてお礼を言う。


「有難う、ミーシャちゃん・・・」


「最後に、イエネコ族のお話をします。

 猫デンデン!という教訓話があります。

 デンデンは古い言葉で、各自という意味合いです。

 イエネコ族が、危機に遭ったときは、てんでんばらばらに逃げろとの教訓です。・・

 イエネコ族は情が厚く、敵に襲われたとき、仲間を助けようとします。

 しかし、それが原因で、結果として全滅する事例が多かったのです。

 それぞれ、クモの子を散らすように逃げた方が助かる確率が高いとの意味です」


「なるほど、肝に命じるわ」


 私は部屋を出た。


 ・・・クラスメイトは助からないのね。

 気にしてはいけない。いけない。


 ・・・


 城門まで到達した。ここを出れば自由だ。


 門番は、私をなめ回すように見てほざきやがった。


「お前、おもしれー女だってな。おもしれー女は観賞用だ。何か、やってみろ」


 情報の周りが早い。あの王女は無能ではない。何か手を打たれているかも。

 門番は無視だ。私は身分証のペンダントを掲げて見せ。そのまま門を出た。しかし、


「はん。お高くとまってやがる。猫獣人の臭い匂いを付けられたって聞いたぞ。臭いもの同士お似合いだぜ。アハハハハ」


 パチン!


 思わず手が出た。ビンタをしてしまった。

 私の悪口だけなら、まだ我慢できる。ミーシャちゃんの悪口、我慢できない。


 しまった。私が城を出られたのは幸運だった。

 騒ぎになったら、取り消されるかも知れない。

 こうなったら、


「ヘイ!ヘイ!ヘイ!私はおもしれー女だ!大陸一武闘会だ!かかってこい!」


 私は腰を落して、両手でカモン!と手招きをする。


「この!」

「待て、おもしれー女は放置が命令だ。一週間後に、ノコノコ保護を申し出たときに、わびさせればいいだろう。使役獣も身の程を知れ!」


「は~い。身の程知ります!じゃあ、バイバイ!」


 かろうじて助かった。

 私は右に行った。


 私を見る通行人の

 視線が痛い。


「おい、下級精霊が出歩いているぞ。主無しか?さらおうか?」

「ペンダントがあるから、城の所有物だぞ。止めておけ」

「石を投げてやれ」

「やめとけ、城の財産だぞ」


 ・・・なるほど、ここでは私たちは財産と同じ扱いなのね。




最後までお読み頂き有難うございました。

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