ようこそ楽しいお茶会へ③ (アン)
アンはアルテミスとラザニアとのお茶会のあと、邸に戻ってきてから早速行動を起こした。
まず、ステラ伯爵家の使用人達の中でロザリアに寄生されている者と寄生されていない者とを選別することから始めた。
選別の結果、やはりラザニアの言っていた通りロザリアとあまり深く関わっていない者や古くから邸に使えている忠誠心の強い使用人達は少数ではあるがまだロザリアに寄生されていなかった。
そして幸運な事に寄生されていない使用人達はステラ伯爵家の中枢を担う者達ばかりだったので、アンはスムーズに次の指示されていた行動に移ることが出来た。
次にアンが行ったのはアルテミス達に指示された日にアーティアとデイモンを滞りなく邸から外出させロザリアから引き離し、またロザリア自身もステラ伯爵家から引き離しアルテミスのお茶会に違和感を感じさせないように慎重に参加させるという事だった。
ロザリアを外出させた後はアルテミスの指示により、今頃寄生されていない使用人を残してその他の者達はアルテミスとバロックの暮らす邸の使用人と入れ替わる事になっている。
もちろん入れ替わる使用人達は心身共に強靭でステラ伯爵家に深い忠誠心を誓っている者達から選ばれた。
新たに入れ替わった少数精鋭の使用人達は今頃ロザリアによって趣味の悪くなったステラ伯爵邸の大規模な模様替えをしている頃だろうか。
今まではデイモンの愛人であるロザリアの扱いに困惑し、ロザリアの暴走を制止出来ずされるがままにされていたメイド達はアルテミスにより『ロザリアの命令は正当でなければ拒否して良い』との命を受けた事で、これからはロザリアが邸で好き勝手に動き女主人のように振る舞うことは出来なくなることだろう。
アンは居心地の悪い馬車に揺られ、目の前にご機嫌で何事かを喋りながらお菓子を口に詰めているロザリアを見て自然と広角が上がる。
(後はアルテミス様とラザニア様、そして皆様にお任せするだけ。)
アンは今から向かうアルテミスの邸で待ち構えているだろう愉快なお茶会に思いを馳せ、心を弾ませた。
お久しぶりです。
ゆっくりですが投稿再開します。
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