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ダンジョンカード  作者: 喜右衛門
二章 自分から踏み出した一歩
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火事

 

 林の中に逃げ込んではみたが。

 俺達の逃げるスピードに追い付かない様だ。

 その速度は極端に遅い。

 しかし、結局は倒さなければ帰れない。

 このまま逃げ回っていても一向に埒が明かない。

 そして、なによりもあの巨体なのに体力が無限に有りそうな動き。

 林の木を噛み砕き、体重で押し潰し、木々の隙間に甲羅をねじ込みなぎ倒す。

 確かに遅いが、その進む速度はどんな障害でも変わることがない。

 つまりは、俺達の体力が尽きたその時が終わりだという事だ。

 「ヤバイよね?」


 「ヤバイなんてもんじゃ無いわよ! 絶望的じゃない」


 確かに、デカイし固いし……打つ手が無い。

 イヤ、何かあるはずだ。

 考えろ!

 と、そこそこの距離を開けて観察をしようと構えたその時。

 アスピドケロンの口が大きく開いた!

 その口に火の玉が少しずつ大きくなる。


 「あれって……撃つの? 吐くの?」

 委員長が右往左往し始める。


 そして、その疑問の答えは吐くだった。

 辺りを燃やし尽くす勢いで火を吐き続ける。

 林が炎に包まれた。

 俺達は、委員長の予測のお陰か、辛うじて避ける事が出来たのだが。

 火の周りが早く、もう逃げ場がない。

 もう次の火炎放射攻撃には為す術がない。

 

 アスピドケロンはその事がわかっているのか、余裕を見せながらに口を開いた。

 火が溢れ出す。


 「一か八か……最後の手段だ」


 「何する気?」


 「俺が走り出したら、皆は亀の横をすり抜けて池に潜れ!」


 皆に頷き、自身に頷いた。

 覚悟を決めた俺は、一目散に走り寄りその口の中に爆竹を残り全部、箱のままに放り込んだ。


 そして、そのまま池に飛び込んだ。

 皆が池の中に潜ったのは勿論確認してだ。

 

 大爆発が連続して起きた。


 亀はその体を陸に上げている。

 水面下に伝わるものも無い。

 だから衝撃は水に伝わらず、逆に和らげてくれた。

 それでも、相当な衝撃が来たが。

 気を失うまではいかない。


 爆発が収まった頃合い。

 息が限界でもあって、水面に顔を出した。


 「やったわね!」

 先に浮上していた委員長が俺に抱きついて来た。


 見れば、アスピドケロンが煙に成りつつある。

 「勝った……」

 大きく息を飲み込み。

 そして、吐いた。





 アスピドケロンの残したカードを確認する。

 やはり、出口だ。


 「帰ろう」


 「そうね……このままココに居ても、周りは火事だし、何処にも行けそうに無いわね」

 頷き。

 「帰りましょうか……」

 少し……どころか随分と心残りが滲み出ていたが、そんなのは気にしない。

 気付かない振りだ。

 もう……疲れた。





 いつもの駄菓子屋の前でへたり込む二人。

 

 「今回のは、疲れたわね」

 見れば、ぐったりとしている。


 俺も限界だった。

 「次は……」

 1日2日は休みたい。

 幸い明日は土曜日だし、ゆっくり寝たい。

 と、かんがえていると。


 「疲れたから」

 

 委員長も同じ考えか。


 「明日のお昼にしましょう」


 ! 違った。

 どんだけ元気なんだ。

 

 「イヤ……」

 

 「明日はお弁当を造って来てあげるわ、嬉しいでしょ」

 有無を言わせる気は無いらしい。

 仕方無しにだが頷いた。

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