第1話 勇者候補生ですか?
理不尽なうえ、全裸で召喚される当該者にはダークネスでの目隠し、それからとある部屋に全員集められる。
「ここはどこ、ありきたりな質問をするが」
『たしか、大会の帰り道だったと思うが、』
存在A「お名前をお伺いしたい」
「突然名前を聞くとは不審者の極み、とりあえず答えてやる、俺はマサムネ」
存在A「申し遅れました、私は召喚責任者の魔導師長マクシス・ロストツェフと申します。試験場での手違いによりあなた方を召喚してしまいました」
勇者召喚のための試験が行われている、間違いで人生狂わすとは、こいつらは何様なんだよ
マサムネ「ふざけんなよおっさん」
召喚責任者「大変申し訳ございません」
存在B「あ~、詳しい事はいい、俺たちは今、全く知らない世界に、しかも全裸で召喚されたと...」
マサムネ「服くらいの配慮も無いのか」
召喚責任者「服は後ほど体に直接転送されます故、着衣があると大変なことになるのです」
どういう理屈で強制全裸なんだよ。こういう意味不明すぎる展開を受け入れる俺たちはどうかしてる
マサムネ「それまでは?」
召喚責任者「全裸です、しかし、そのままで外に出すわけにもいかないですので...あなた方を暫く幽閉します」
存在B「それならいい、疲れているからさっさとしてくれ」
マサムネ「仕方ないが、目隠しはとってくれ」
召喚責任者「皆様は相部屋ですから外すことができません」
存在B「で、さっきから後ろにいる人は?」
「ラ、フィ、、わたしはラフィア」
存在B「もう一人は?」
「わたしはエウフェリア...」
マサムネ「見えてんのかよ...」
存在B「気配で分かる」
マサムネ「そういうことか...」
「私はレティ」
「僕はエルザ」
マサムネ『男3人に女3人か』
マサムネ「自己紹介が遅れたが」
「俺はマサムネ27歳の日本人だ」
「私は武装偵察大隊長イーサン・イングラム中佐だ」
衛兵「間もなく陛下のお出ましとなります、陛下に全裸をさらす事は出来ませんので一時的に首より下を仕切りで囲みます。なお起立したままで構いません」
なら、最初から個人用の仕切りを作って渡してくれよ、と、
暫くして、ジャラジャラと、宝飾品だろうか、高齢男性のようなゆっくりとした足音も聞こえる。テンプレート通りの国王と思われるが、
存在C「そろそろお前たちの自己紹介も済んだだろ、ワシはエルファルト王国国王代理カトリーヌ・エルファルト」
存在D「私はエルファルト王国12代女王ジョセフィーヌ・ド・エルファルト」
女王『おや?あの少女はまさか、魔導師長も毎回毎回やってくれますね』
マサムネ「何だよ国王代理て、」
国王代理「言葉使いには気を付けたまえ」
女王「下がれ代理、この方々は国賓とする」
国賓を無理矢理に全裸にするとは国のコンプライアンスを疑う、異世界人に法令など通じない
国王代理「御意」
女王「存じ上げないこともございましょう、混乱されるのも無理ありません、ここエルファルト王国は他の国とは違い、女系国家なのです、この男はあくまでも代理です。権限はすべて私が持っております。」
マサムネ「話は早い、俺たちを元に戻せ」
女王「私の知る限りでは召喚されたものが元の世界に戻ることが出来ないのです」
拒否することもできなく、無理矢理召喚され一方通行
汝、我を釈放せよ
マサムネ「とぼけるな」
イーサン「じゃあ相応の詫びでも貰おうか」
女王「それは重々承知しております、あなた方を召喚してしまったのも、女王たる私の監督不行き届きによるもの、ですから私の権限で用意できるものでしたら、速やかに準備いたしましょう」
イーサン「マサムネ、こういうゲームやったことあります?」
マサムネ「少しだけ」
イーサン「最初に必要な物といえばなんです?」
マサムネ「お金...いや、説明書、攻略本かな、この世界については何もわからない、仮に異世界だったとして、イーサンは軍人でしょ?、俺は、戦闘訓練なんて受けてないから、ゲームや漫画みたいに魔物狩りなんてやったら間違いなく死ぬと思う」
テンプレート通りの行いは死を招く結果となる
イーサン「俺は使い慣れてない武器は使うつもりはないです」
マサムネ「じゃ、決まりだ」
イーサン「教育いや、訓練!!!」
女王「それではギルドの冒険者養成学校に入学されてはいかがですか、在学中にはお金も支給させていただきます。」
イーサン、マサムネ「異議なし」
女王「それでは衣服が転送され次第、入学となります」
マサムネ「ところで、他のみんなはどうする?学校行く?」
他のみんな「行く」
幽閉部屋、目隠しされた全裸の男女が一つの部屋にいるという異常な状態
翌日の朝、部屋とはいえ、春の朝はまだ寒い、その上、国賓を石造りの部屋に閉じ込めるという、
ありえない展開に普通は疑うものだが
既に設定が滅茶苦茶でなんでも受け入れてしまう
召喚責任者「一人ずつ気をつけて部屋から出てください、間もなく衣服が体に直接転送されます」
ラフィア「寒くて死にそー」
エルザ「おじさん、僕恥ずかしいよ」
次々と転送されてくる服
衛兵「調整は済みましたか?」
全員「はい」
召喚責任者「ではダークネスを解除します。目を開けてください」
中二病のような詠唱を行う
召喚責任者「魔力の権威たる魔導師長が命ずる、森羅万象の理を今一度読み解き、頂点に立つものとしての力をかの者に顕現せよ
ダークエリミネーション」
召喚責任者「陛下からのお話がある故、私はこれで失礼します」
少しばかり怯えている召喚責任者
再三にわたり女王に迷惑をかけている、極刑もあり得る
イーサン「あれ?男3人に女4人?」
マサムネ「昨日より増えてるよね?」
イーサン「じゃぁ、もう一度自己紹介をしましょう」
「では最初に、私はイーサン」
「俺はマサムネ」
「私はレティ」
「私はエウフェリア」
「私はラフィア」
「僕はエルザ」
イーサン「お前は?」
「おれはマシュー」
マシュー「1つ言わせてくれ、女王が権力で準備してくれるなら、せめて厚手の布団くらいは入れてもよかっただろ、風邪ひいたら死ぬぞ」
イーサン「配慮が足らず申し訳ない」
マサムネ「みんなはここに来る前に何やってた?」
イーサン「私は国を滅ぼそうとした、某過激派の偵察の指揮やっていました」
エウフェリア「私は奴隷だったんです」
イーサン「女性を、、、許せない」
ラフィア「私も奴隷でした」
イーサン「二人もか、、、」
エルザ「僕は森で遊んでた」
マサムネ「俺はCFB※の大会の帰り道だった」
※〔コール フローム ザ バトルフロントとはマサムネたちの世界では世界的に有名なファーストパーソンシューティングゲーム〕
イーサン「結果はどうでしたか?」
マサムネ「接戦だったけどなんとか優勝できた」
司令官役としては容赦ない戦法で指揮を執る。
実際は接戦では無くいつものやり方、接戦に見せかけて、圧倒的な技術で相手を排除する。
イーサン「私たちのところからも何人か出たみたいですが惨敗でした」
レティ「2人はなんの話してるの?」
マサムネ「ゲームと言って、仮想空間での模擬戦みたいなこと」
レティ「詳しく聞かせて」
それから1時間ほど話した 、
レティ「私は模擬戦だといっつも、みんな真っ先に私を狙ってくる、私もそれが好きでやってるからいいんだけど、」
単なるいじめか、強すぎるからラスボスみたいに狩られる側なだけなのか、
マサムネ『かわってるな』
イーサン「もう寝ませんか」
エウフェリア「明日も早いですし寝ましょう」
服が転送され、暫く雑談をしてそれからは、各々での退屈な時間を過ごす、翌日の早朝、衛兵に起こされ、遅れることなく学校に着く