日光を防ぐ黒羽の鎧
追放されるのがトレンドと聞いて。読む前に、以下の注意に目を通してください。
【注意事項】
・ハーレムは展開次第。
・デスゲームなし。
・俺tueee、チート能力。
・中二主人公。
・読みづらい。
・残酷な描写や暴力表現あり。
・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。
「何なんだよ、さっきから!妙な夢見るし、それに何これ、鎧!?お前と出会ってからおかしなコトばっかだな」
「え、そんな怒んないでよ、俺にもわかんないんだからー!痛みとかない?」
「ないけど、後別に怒ってない!」
イレーネは小屋の隅に蹲ったまま、装甲で覆われた右手を眺める。
同時に佳宏が落ち着きを取り戻した為、活動を再開した黒羽が、小屋を内壁を覆う。3人は再び闇に包まれた。
「先程の状況から察するにこの鎧に身を包んでいる間は、日光の影響を受けないのでは?」
「えぇ…、違ったら目も当てられないなぁ」
イレーネを包む黒羽は、日光を防ぐ防護服だというのか。
「ちょっと実験してみる?」
「実験?」
「腕の部分だけ日光にさらしてみるとか……怪我しても、俺かダナエの血を吸えば再生できる…でしょ?」
佳宏が黒い壁に裂け目を一つ作り、イレーネは篭手で覆われた腕を光にあてる。日光にさらしていても、腕が炭化する事は無かった。
「何も起きないね」
「やはり推測通りでしたね!街には入れそうにありませんが」
「待って…」
イレーネが鎧の継ぎ目を確かめると、右の篭手が裂ける。黒い羽根が花弁のように開き、右腕を闇にさらしたのだ。
「ちょっと…」
佳宏が気遣わし気な声を掛けるが、イレーネは無視して右腕を日光に当てる。
あっという間に肌が赤みを帯び、数十の水疱が生じて広がっていく。気づいたイレーネが腕を引っ込めるが、水疱が弾けた皮膚は無残な有様だ。
「つぅ…!相変わらずダメか」
イレーネが引っこめた右腕が、ビデオの逆回しのごとく再生していく。
佳宏は起こしかけた身体を、元の位置に戻す。しかし、内心は冷静だった。
重度の熱傷になると痛みを感じないらしく、痛みを感じるなら症状は軽いと本で読んだことがあった。
しかし、ほんの僅かな間に目に見える反応を示すのだ、長時間日光にさらしたなら無事では済まないのだろう。
(本当に日光が苦手なんだなぁ…)
「棺桶で寝てる?」
「馬鹿言え、目が冴えて寝てられるか!そんなことより、あいつらどうしてる?」
「!…あぁ、篝火の?……もう移動してみてるみたい」
3人は身支度を簡単に済ませ、小屋を飛び出す。
おっかなびっくりといった様子で屋外に出たイレーネは、久しぶりに浴びる日光に口には出さないが感動を覚える。
最後に佳宏が小屋から出ると、背中から伸びる黒翼が縮み、一夜を過ごした木造小屋は元の姿に戻った。
昨晩は佳宏達に運ばれた為、エレアノーレ達はまだ洞窟からさほど離れてはいなかった。
朝に出発しても、夕刻には到着する程度の距離。佳宏一行は飛行しながら彼女らを追跡。
途中、佳宏は篝火の団3番隊と一定の距離を保つ集団を感知能力により発見。小隊がバラバラに動いているが、辿っている軌跡から尾行しているのは明らかだ。
「つけられてますね。あのまま連れてっちゃう気でしょうか?怖いですねー」
ダナエが楽しそうに話す。据わった目で口の端を吊り上げているので、可憐さは感じない。
「…始末しないの?」
「ちょっと様子を見よう。親切にしてやろうとも思わないし」
「何で?尾けてる方、貴族側の殲滅部隊でしょ?応援呼ばれたらあんな襤褸っちい砦、2日も保たないよ」
「そうでもないでしょう。エレアノーレさんの側には騎士結晶持ちがいる」
少なくとも副団長のミリアは結晶の担い手だ。
見たところランディやセレス並みのプレッシャーの持ち主はいない、能力次第では撃退できるだろう。
「そんなに強いの?見たことないけどさー、牛に変化する騎士くらいじゃないと役に立たないでしょ」
「あぁ…俺もよく知らないから、見学したいんだよ」
佳宏も、見たらしい記憶があるだけではっきりしたことは言えなかった。
600年前の戦争当時、分身を置いてきたが回収できていない。死んだらしい確信はあるので、多少は残滓程度は回収できていると考えていいのかもしれないが。
夕刻、佳宏一行は砦に急行。
エレアノーレ含む3番隊と2番隊の合流を確認すると、砦の建つ山の麓に潜んで敵の到来を待つ。
砦に向かう途中、追跡部隊は兵の一部を何処かに走らせた。
(合流は無事にできるはず…団長とも合流するのかな?だとするとタイムアタックになるなー)
日が沈む。付近には鳥や野犬のほか、魔物の気配すらない。
「…顔出す?暇だし」
「アハハ…好き勝手生きてますねー、主様!」
イレーネが暢気な2人に文句を言おうと口を開いた時、四方から兵士が押し寄せてきた。
砦に向かって、真っ直ぐに敵対感情を伸ばしている者達。味方ではあるまい、ダナエも同じように接近に気づく。
その中にはクラスメイトと似た反応……騎士結晶持ちが2人、混じっている。
ありがとうございました。




