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佳宏一行、トット領に入る

追放されるのがトレンドと聞いて。読む前に、以下の注意に目を通してください。


【注意事項】


・ハーレムは展開次第。


・デスゲームなし。


・俺tueee、チート能力。


・中二主人公。


・読みづらい。


・残酷な描写や暴力表現あり。


・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。


 夜、ソニア山脈の間を縫うように走る峠道を見下ろして3人は飛ぶ。

身体を蝙蝠やカラスに変化させられるイレーネ、黒翼を羽ばたかせる佳宏、茶色と黒を基調とするスズメに似た色の翼を上下させるダナエ。


「おい、さっき妙なこと言ってたな!」

「何でしょうか!?」

「ヨシヒロから力を貰ったって!?」


 佳宏も思い出す。騎士結晶の要不要を口にした時だ。


「ハイ!我々双剣騎士団は、ヨシヒロ様に屈服した者から、主様の似姿を得ていったのです」

「!!?」

「おい、聞いたか?」

「聞いてる聞いてる、えー…」


 自分の影響を受けて、ダナエ達は飛行などの力を得たらしい。


「お前、自分に何ができるか把握しとけよ」

「把握してますけどー?自分の変化は把握できても、他人の変化なんてわかるわけないし!そう言うイレーネはどうなの、なんか変化あった?」

「自覚はねぇなあ」


 3人はダムド丘陵を越え、ルービス西部の街ニムバに到着。

600年前から変わらず、ハレン大陸で暮らす人類種の腹を満たす穀物庫であり続ける街は、以前にルカと訪れた頃より整備されていた。

街の歩道には玉石が敷かれており、ユリス教が街に教会と病院を建てている。しかし、伝染病の大流行や四十年戦争が、街の発展を止めてしまった。

通りの脇に蹲っている子供や中年の男は、一個集団になって暮らしている捨て子である。


 3人は街の宿に入り、この夜は休む事にした。

ダナエとイレーネが同室、佳宏のみ別室。ダナエにイレーネの護衛を任せ、先に休む事にする。


「お任せください!イレーネ様とヨシヒロ様の反応は、常に把握しております!」

「あぁ、それもできるの。じゃあよろしく」


 佳宏は精神探知を行ったまま、眠りにつく。効果のほどはわからないが、何も対策しないよりマシだろう。


――奇妙な夢を見る。


 佳宏は街にいるのだ。

箱形のビル群が並び、アスファルトが敷かれた道路を老若男女が行き来している。

整備され切った街を、駅前の高層ビルの高層階から佳宏は見下ろしているのだ。内装から察するに飲食店、店内には従業員も客の姿もなく、壁一面がガラス窓になっている。

不意に、小さな足音が耳に飛び込んできた。顔を向けると、細長いイタチのようなものが傍らにいた。


 佳宏はそこで目を覚ました。

廊下に出ると、隣室から出てきたダナエと鉢合わせる。彼女はにっこりと微笑んでから、佳宏に朝の挨拶をした。




「イレーネ様は先程お休みになられました」

「そう…よく眠れた?」

「はい!命令が無かったので、休みましたが、寝ずの番をしていたほうがよろしかったでしょうか?」

「いや、いい」


 父親のように口うるさく干渉する筋合いはあるまい。

あまり遠くまで出歩いて、後で救出にいかねばならないような事態に陥ってさえいなければいいのだ。

佳宏は朝食を済ませると、眠るイレーネの身体を納めた棺を背負うと、宿を後にする。宿の主人にダンジョンの噂を訪ねると、西の平野に大型の魔物が出没するようになったらしい。


「傭兵を雇って探してもらってんだが、あの辺は城だの砦だのも無いし、森も洞窟も近くにない。どこにあるんだかな…アンタらもそれらしい場所を見つけたら報せてくれ。僅かだが、報酬も出すよ」

「そう。怪しい場所を見つけたら調べておくよ」

「頼んだよ。それじゃ、ニムバに寄ったらまた来てくれ」


 佳宏達は食料を買い足してから、トット領目指して北西に進む。

ゆるやかな勾配を進む2人の視界を、巨大な猪――ヘビーボアのグループが横切る。

距離が数十mはあった為、相手は気づかなかったらしく、2人は視界に入らぬよう見送った。


 人里が見つからなければ、野営するしかない。

火を焚き、大鍋でマメや刻んだニンジン、豚肉を炒める。ミルクを加え、胡椒を加える。

これにパンもつけば、エリンディアでは上等な部類だ。ダナエ、イレーネと共に頂く。


(悲しくなってきた…)


 野趣に溢れすぎている。

旅には興味があったし、あちこち歩き回るのは楽しい。

しかし、快適さにおいて現代日本には及ばない。目の前で踊る炎を眺めながら食事をとっている佳宏は、不意に虚しい気持ちに襲われた。

なぜ俺はこんなところにいる?



 トット領の首都バシリア。

バシリア城の広間で、肥えた茶髪の男性。筋肉が脂肪で包まれた、レスラー体型だ。

向かい合っているのは、ジュベール・ド・サブレ。騎士修道会「岩屋の会議」の一員である。

挨拶もそこそこに、ジュベールは本題を切り出した。岩屋の会議を討伐隊に加えるよう、聖都からの命令が文書で渡されたのだ。


「教主の命令に異を唱えているとは思ってほしくないのですが、修道騎士の皆さまの助けを借りずとも篝火の団は撃滅可能です」

「バーナム侯の御力に疑いはありません。ヘルテザー候が結晶を奪われたと報せを受け、聖都が結晶の回収を各地の修道会に命じたのです」


 ジュベールは篝火の団に結晶の担い手がいると知り、バーナム軍の力を借りることにしたのだ。


「中心は団長ベルトルトですから、彼の首を取れれば組織は瓦解するでしょう。行方は掴んでいますか?」

「ダムド丘陵を最後に、足取りは途絶えています…」


 しかし、とバーナム侯は気勢を強める。

アジトの一つを突き止めており、明日にも攻め込むつもりだという。

それを聞いたジュべールは別部隊と合流するまで手出し無用と厳命。内心、首をひねりつつ侯爵は命令を受け入れた。


ありがとうございました。

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