600年後のドラゴニュート
追放されるのがトレンドと聞いて。読む前に、以下の注意に目を通してください。
【注意事項】
・ハーレムは展開次第。
・デスゲームなし。
・俺tueee、チート能力。
・中二主人公。
・読みづらい。
・残酷な描写や暴力表現あり。
・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。
集落の中で最も大きな建物に通され、応接用らしい部屋で数分待っていると一人のドラゴニュートが3人の前にやってきた。
来客応対用に灯された蜜蝋の明かりが、人間に比べると平べったい頭部、前に突き出た顔を照らす。トカゲ顔は息を呑んだように声を発しなかったので、佳宏が口火を切る事にした。
「どうも。マクリルからやってきた杉村佳宏です」
「ヨシヒロ様の部下の、ダナエです」
イレーネは無言。無遠慮にドラゴニュートを見ている。
「…本当にヨシヒロか?」
「?そこ疑われても困るんだけど」
「あぁ、悪い。あんたら、得物は何を使ってる?」
怪訝に思いつつ、佳宏は素手と斧と言った。イレーネとダナエは剣を示す。
「…ルカって名前に聞き覚えは?」
「――!嘘、本当に?ルカ?まだ生きてたの?」
「あぁ、もう少し確認させてくれ。俺達はどうやって別れた?」
「確か、竜の神殿でー、アナンタの牙だか剣だか手に入れて、竜に変身してここに戻ってそれきり…だった。多分」
ドラゴニュートは肩から力を抜いた。
「久しぶりだな!噂はあれから何度か聞いたよ、生きてたのか!」
「アハハハハ…!ちょっと時間旅行しちゃってさー、元気そうじゃーん!!」
「お知り合いですか?」
「昔、ちょっとの間一緒に旅してたんだ」
2人は手を握り合い、再会を喜んだ。
「また会えるなんてな、長生きはするもんだ!このまま土産話に入りたいんだが、依頼を受けてくれるんだろ?」
「おぉよ!概要を教えてくれ」
集落の長となったルカが、依頼について説明する。
ルービス戦役が勃発する一月ほど前から、奇妙な人間の一団が土地の境界を超えてくることが度々あった。
当然、ドラゴニュートが威嚇、および撃退に向かうが不思議なほど諦めが悪く、何度追い払っても彼らはやってきた。
目的を探るべく、侵入者を捕獲したいのだが、彼らは武器を持って向かって行くとすぐに逃げ出す。ドラゴニュートを狩りに来たのではないらしい。
「探られてるみたいで気味が悪い。1人に付き、この手のひらに載るほど大きなルビーを出す。どうだ?」
「豪気だねぇ!アタシは乗った、ヨシヒロは?」
「もちろん。じゃあ、早速行ってくるよ」
「頼む。ところでそっちの…イレーネか。吸血鬼だな?」
ルカが呼び止めると、イレーネの目から一瞬光が消えた。
「吸血鬼だよ。なんか文句あるか?」
「いや、ヨシヒロが信用してる相手だ。文句をつけようってんじゃない、未確認の情報だが、ユリス教のシンボルを身に着けていたと若いのが言ってる。用心してくれ」
「…ご忠告どうも」
イレーネはぶっきらぼうに言ってから、集落を後にする。
佳宏はルカに一言いいかけたが、先行したイレーネを追う方を優先した。ダナエは軽く一礼してから、佳宏達を追った。
3人が去った後、ドラゴニュートの青年が集会所を出たルカに声をかける。
「吸血鬼って確かですか?」
「聞いてたのか」
吸血鬼の評判は、ドラゴニュートの間でも悪い。
人の寝静まった夜に森や山から出で、冥府に連れ去るもの。恣意的に犠牲者を選ぶ汚染。
彼らは広がっていくのだ。ゾンビやグールといった他の不死者とは、その点が決定的に違う。
「あの人が抑えてくれるさ。いいか、余計な手出しはするな」
「ヨシヒロって、本当にあの狂った聖騎士のヨシヒロなんですか?」
「俺は、ずっと前にあの人と行動してた事があるから信じるよ。あの人なら納得だ」
佳宏についての伝承が、幾つか残されている。
オーシン達解放軍に属していた人々は事後処理に追われていたこともあり、彼についての証言をほとんど残さなかった。
佳宏の言い伝えを残したのは帝国軍に属していた人々、その中でもティブル公爵家のシャーロットは目撃談などをまとめた日記を残している。
黒髪の殺人鬼、ミレーユの大火、招かれざる狂った聖騎士…。公的な歴史には残されていないが、各地で殺戮を繰り広げた佳宏の姿は、幸運にも生き残った人々の心に傷となって刻まれたのだ。
――ヨシヒロが帰ってきた。
ほぼ同じタイミングで、奇しくも人類種が西ダーナで内乱が起こった。
佳宏がどのように動くのかは不明だが、もし介入するなら両勢力から少なくない犠牲が出るだろう。
ルカの印象において、佳宏は我が強く、敵味方をすぱっと割り切っている。排除するべき相手と思ったなら殺す、それが何者であるかなど知った事ではないと…。
奇襲などで殺せたならいいが万が一生き残ったなら、佳宏はドラゴニュートが根絶やしになるまで戦い続けるだろう。
ありがとうございました。




