懐かしき竜人間達
追放されるのがトレンドと聞いて。読む前に、以下の注意に目を通してください。
【注意事項】
・ハーレムは展開次第。
・デスゲームなし。
・俺tueee、チート能力。
・中二主人公。
・読みづらい。
・残酷な描写や暴力表現あり。
・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。
注文の料理を運んできた女中に、チップとして銀貨1枚を渡す。
彼女は銀貨を受け取ると鮮やかな手つきで懐にしまい、話を始める態勢に入った。
儲け話聞くと、沈没船のサルベージ作業、西の山岳に出没する魔物の討伐依頼などを教えてくれた。
隊商が何度か襲われており、高い報酬が見込めるそうだ。
「この辺にダンジョンとか無いかな?あったら教えてくれない?」
「ダンジョン?聞いたことないけど…ダンジョンに潜りたいならダーナまで足を延ばしたほうがいいと思う――オークヒルの炭鉱でダンジョンが発見されたって聞いたけど?」
「オークヒル?」
「タッカー地方の南、砂と岩ばかりでオークやトロールが根城にしてるの」
女中の話に、ひとつ気になる点があった。
「人が住んでるの?」
「最近開拓されたの。東ダーナのドリアン侯爵主導で、開拓団が派遣されて町が出来たらしいよ?」
「ダンジョンについてもっと詳しく」
「それはゴメン…知らない」
女中は申し訳なさそうに言った。
「遠い?」
「全然。船で1昼夜と二時間くらい」
「そっか。ありがとう、また街に来た時は寄るよ」
「うん!あと、暇なら西の山の方、見てきてくれない?」
女中が思い出したように切り出す。
「西って、ドラゴニュートの住んでる?」
「そう。最近、妙な連中がうろついてるんだって。自分達で捕まえようとしてるんだけど、逃げ足の速い奴ららしくて、手こずってるらしいよ?」
「ふーん、考えとく。長々と引き留めて、悪かったね!」
「気にしないで!また聞きたいことあったら、いつでも来てよ」
女中は花咲くような笑顔でテーブルから去っていった。
(可愛い奴じゃないの)
佳宏は河川敷で野花を見つけたような気持ちで女中を見送る。
チップの文化なんだなぁ、と感心しつつ、佳宏は今後の予定を定めた。
西でドラゴニュートの所に顔を出してから、オークヒル。初めて足を踏み入れる土地だ。何が待ち受けているのか、温い旅路になるか、困難な試練になるか――ワクワクする。
店を出たのち、佳宏は食料を購入。
ライ麦パン、干し葡萄、いちじく、梨、プラム・玉ねぎ・豚肉・カレイ・ナツメグやニンニクなどを1ナイア分。
それから宿泊している宿に帰り、客室で夜を待つことにする。目覚めたイレーネに、本日の収穫を伝えるのだ。
ややあって、イレーネが起きだす時刻になった。
鎧戸を閉めたうえで、棺から体を出してベッドに寝かせておく。
むくりと起き上がった彼女が身支度を整えるのを待ってから、今日の収穫を話して聞かせる。
「お前、あちこち歩き回ってんだな。ドラゴニュートにも伝手があンのか」
「覚えてるかどうか知らねーけどな、600年前だし」
「どうかな、アイツら人間より寿命が長いらしいから、案外覚えてるかもな。エルフほど長命じゃないが、千年生きるヤツもいるそうだ」
イレーネはまだ蘇生したての頃に会った吸血鬼を思い出した。
人里から離れ、フィンブルの山奥を拠点に、世界の成り立ちや魔法について研究している隠者の老婆だ。
「博学ですね。流石は吸血鬼」
「大して長生きじゃねーよじゃねーよ、アタシのは受け売りだ」
3人は食事を済ませてから、マクリルの街を抜け出してドラゴニュートの土地に向かった。
街道から外れ、道なき斜面を昇っていく彼らに、鋭い声が浴びせられる。精神の波長から判断すると、3人から見て前方扇形に10名の竜人間が立ちはだかっている。
「ここは我らドラゴニュートの土地!こんな日暮れに何用か!」
「最近厄介な侵入者に悩まされていると、マクリルで聞いてきた!そちらさえ良ければ力を貸したい!」
しばしの静寂。
まもなく小声で相談し合うような囁きが耳朶を撫で、それが止むとついてくるように彼らは言った。
3人は彼らの案内に従い、集落の一つに辿り着く。明りのない集落を、トカゲと人間を掛け合わせたような者達が行き来している。
案内役のおよそ半数が、佳宏の面相に気づくと目を瞠ったが、それに気づいたのはイレーネだけだ。
ありがとうございました。




