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王子奪還、バンド要塞へ

追放されるのがトレンドと聞いて。読む前に、以下の注意に目を通してください。


【注意事項】


・ハーレムは展開次第。


・デスゲームなし。


・俺tueee、チート能力。


・中二主人公。


・読みづらい。


・残酷な描写や暴力表現あり。


・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。


 3日経ち、王子一行はドスラ市で支援者と合流することが出来た。

レゴマ公爵の旗章が掲げられた馬車に出迎えられたが、当の公爵は不在。

テレサが怪訝に思い、使いの者に尋ねると多忙ゆえ不在と返答される。テレサとオルバンは馬車に乗せられ、残りの護衛兵は馬に乗って同行する。

市街を出て1時間も経った頃、オルバン王子一行を睡魔が襲う。


 馬に乗る騎士達の身体が落ちる。

レゴマ公爵配下の騎士達が馬から降り、彼らを乗せる。

唯一、テレサだけが耐えることが出来たが、瞼も身体も重く、今にも意識が暗黒に落ちてしまいそう。


(魔法…か……)


 馬車が止まった。

一瞬の揺れに意識を刈り取られたテレサの首が、膝の間に落ちる。

レゴマ公爵配下の格好をした者達は、オルバン王子一行を確保すると進路を北に変えた。

彼らが眠りに落ちたのは、呪術的効果を持つ戦術陣形のうちのひとつ、「夢見の陣」の効果だ。


 姿を隠して尾行していた佳宏Cは、突如進路が変わった一行についていく。

感情の反応が鈍くなった時点でトラブルがあったらしいのは察したが、この段階では手を出さない。

情報はリアルタイムでイレーネと行動している佳宏に送信されているので、まず彼らの行き先および目的を探ろうと佳宏Cは考えたのだ。


 翌昼、オルバン王子一行は北東のバンド要塞に到着。

装備を取り上げられた状態で、彼らは牢獄に入れられた。彼らを連行したのは、ボール侯爵配下の者達。

王弟派である。ドスラに潜伏していた佳宏は、棺を受け取ってからイレーネに情報を明かす。

オルバン王子一行が要塞に着いた日の夜、乗っ取った民家の居間で聞かされたイレーネは、思わず眉を寄せる。


「お前、何暢気に言ってんだ?見たことねーけど、それ十中八九敵じゃねーか。ほっといたら処刑されちまうだろ」

「だから相談してるんじゃない?助けに行くか、行かないか」

「見捨てる気か?」

「これ以上首突っ込むと、面倒くさい政治劇に付き合わされるじゃない。大金とはいかないけど報酬は貰ってる、俺一人で続けるかどうか決めたくはないかな」

「それでこっちに降るか…」


 イレーネも即決はしかねた。

金は好きだが、権力にはさほど興味はない。そして権力者は蘇生する前から嫌いだ。

このまま放っておいた場合、東ダーナは王弟サザーランド公がとるのだろう。どっちが勝利しようと知った事ではないが、イレーネとしては戦争が起きたほうがいい。

生きている限り、人を食わねばならない彼女からすれば、死人が珍しがられない状況のほうが――。


(いや、違う)


 一度の吸血で死亡まで至ることは、相手が相当弱っていない限りあり得ない。


(面倒くせぇなあ。頭がこんがらがってきた…)

「アタシはそいつらを見てねーんだよ、死のうが生きようがどうでもいいってのに、こっちに振るなよ」

「えぇ…そんなに固く考えなくてもいいじゃない」

「じゃあお前が決めろよ!どうすんだ?」

「うーん…このままだと平穏に終わっちゃいそうだしー、助けに行こッか」

「最初っからそう言え!」



 イレーネは苛立った様子で頷く。

2人はドスラ市を出発、20分足らずでバンド要塞のそばまでやってきた。

バンド要塞はレスト川を見下ろす丘の上に立ち、城壁は切り立った崖の上に聳え、侵入するにはカーブする昇り勾配を越えなければならない。

内部には兵舎や牢獄、畜産舎を含む建物が30ほど。もはや要塞自体が小さな集落と化している。


 現在、重要人物を捕らえているだけあって、警備の兵士が至る所で見張りに立っている。

篝火があちこちで焚かれ、巡回も絶えず目を光らせている。佳宏Cも20分足らずの間に合流。


「さて、こっそり行く?正面から行っちゃう?」

「正面からだ。詰まんねーことあれこれ考えて気分が腐ってっからな」

「おk。王子達は任せろ」


 佳宏Cが捕虜のいる牢獄方面に駆け出す。

王子とテレサの感情波はすぐに識別できたが、救出に向かわない。

イレーネと佳宏は丘を飛び越え、見張りの兵士達の前に姿を現した。

教会、と沸き起こる嫌悪と恐怖により要塞内の教会の存在に気づいたイレーネが口を引き結んだ直後、建物が紙細工を潰すようにくしゃりと崩れた。


「背中は任せろって」


 佳宏がウィンクする。

イレーネは呆れたが、不思議と気分は悪くなかった。

四方から濁流のように押し寄せる兵士を踏みつぶし、片手剣で細切れにしていく。

飛来する十数本の矢を蝙蝠の群れとも血液ともつかない流体となって躱し、竜巻のように射手に迫ると、イレーネは飢えた黒犬の群れを放った。


ありがとうございました。

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