俺がお前といる理由
追放されるのがトレンドと聞いて。読む前に、以下の注意に目を通してください。
【注意事項】
・ハーレムは展開次第。
・デスゲームなし。
・俺tueee、チート能力。
・中二主人公。
・読みづらい。
・残酷な描写や暴力表現あり。
・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。
(これ、騎士結晶…?)
佳宏は結晶を懐にしまうと、ワイアットの死体を放置してその場を後にした。
彼がイレーネに何かしたとは思っていないが、何かできるとしたらこの男だけだ。感情とは別の、存在が発する反応が男の異常性を示している。
結晶を排出した点を鑑みても、判断は正しかったと思う。
(何かあってからじゃ遅いしな。事件が起こる前に解決しただけだし。俺は攻性なんだよ)
佳宏はワイアットに恨みなど抱いていない。
ただ、自分が寝ている間にイレーネがひどい目にあいはしないか心配なのだ。
面倒なことになる前に殺す、これで安心して熟睡できる。イレーネの顔を見てから帰ろう、と佳宏は足を向ける。
佳宏は大通りをぶらついていたイレーネに追いつき、声をかけた。外灯は夜通し照らされるものではなく、明りが消えて久しい。
「ヨシヒロ!起きてたのか?」
「寝てたけど、目ぇ覚めちゃってさ。一人で夜歩きとか危ないよ?」
「平気だろ。ゴロツキなんぞ10人単位でも相手にならねーよ」
イレーネは佳宏の隣を歩きながら不敵に笑う。
「吸血鬼への備えをしてるかも、どっか行くの?」
「いや、部屋でじっとしてるのも退屈だしな。つってもどこも閉まってるけど。お前、どうすんの?」
「イレーネが帰らないなら一緒に…」
「死臭がする。お前、だれか殺してきたか?」
イレーネは思い出したように言った。佳宏が自分の懸念も交えて伝えると、彼女は仕事の手順を間違える部下を見る上司のような顔をした。
「マジで心配しすぎだろ……なぁ、なんでそんなに気を揉んでる?」
「気を揉むって、なんかあったら気分悪いじゃない」
「別に、長く生きてりゃいろいろあるだろ。育ちのいい連中なんか街中じゃ話す事ないしな」
「イレーネが世間知らずのお嬢さんだなんて思ってないよ。行くあてが無いから、お前の行く先についていくことにしたんだよ」
イレーネは呆れた様子で顔を引き攣らせる。
「それ、こっちの都合は?」
「…かんがえてないね~」
イレーネが意地の悪い笑みを浮かべた。
「はん!それじゃ、ここで縁切りだっつったらどうすんだ?」
「非常に残念だが、俺といるのがどうしても嫌なら仕方ない――で、どうすんの?」
「…昼間に起きていられる連れは貴重だからな。それよか、ドスラだっけ?今のうちに先行すればいいじゃん」
イレーネは躊躇いがちに言った。
「あー…じゃあ、行こうか?」
荷物は貴重品やすぐ使う品以外は、黒翼にしまっている。
宿場町を出ると同時に佳宏が分身を走らせ、忘れ物を確認。佳宏はともかく、イレーネは何か置いてあるかもしれないが杞憂だった。
1時間ほどで都市ドスラに到着すると、佳宏が反応を探り、一軒の民家を選択。起こした住人をイレーネが暗示にかけると、拠点が手に入った。
ドスラで朝を迎えた佳宏達は、工房で棺を注文。
死人が出ているわけではないので寸法は口頭で伝えるしかない。怪訝な顔をされたが、金貨3枚も出すと店主は意見を翻した。
完成までに4日ほどかかるので、それまではドスラで足止めだ。
一方、宿をチェックアウトした佳宏Cはオルバン王子一行を追跡。
休憩を挟みながら進む一行は ムゴローの森に侵入。街道によって南北に裂かれているが木々は枝を広げており、昼間でも薄暗い。
オルバンが不安に襲われるのが早いか、一行目がけて矢が放たれる。鏃に毒の塗られたそれはグレンダの馬の首に刺さった。
山賊の位置を探知し、襲撃を予見していた佳宏Cは樹上の弓兵をヤツデの戦斧で打ち落としていく。
落とされた弓兵は悉く身体を二つ、四つに裂かれていた。
一行の前後に飛び出した賊の士気は大きく低下、馬以外に犠牲者は出さずに済んだ。
「騎士殿!」
「いたのか…」
「どうも、災難でしたね」
戦闘が終了した後、佳宏Cは一行の前に姿を現す。
変身能力を応用し、衣装を双剣騎士の装備一式に変化している。
呼びかけられた佳宏Cは、にっこりと微笑んで見せた。
「弓兵が落としたのは、お前が?」
「如何にも。樹上に敵が潜んでいるのに気付いたので、対処しました。怪我はありませんか?」
「馬が1頭やられたが、怪我人はいない」
「それは良かった!ではまた」
駆け出そうとした佳宏Cに、オルバンが呼びかける。
「あの!貴方の名前を教えてください、教えてもらっていなかったでしょう?」
「杉村佳宏。変な名前でしょうが、お見知りおきを」
「ヨシヒロ…?」
遠ざかる佳宏の背中を見ながら、テレサは引っかかるものを感じていた。
聞き覚えのある名前なのだが、こんな場所でゆっくり考えている時間はない。
ありがとうございました。




