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マルドニア城に潜入しよう

追放されるのがトレンドと聞いて。読む前に、以下の注意に目を通してください。


【注意事項】


・ハーレムは展開次第。


・デスゲームなし。


・俺tueee、チート能力。


・中二主人公。


・読みづらい。


・残酷な描写や暴力表現あり。


・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。


 銀貨が出てきたことに驚きつつ、店を出たアーヴァインにゴロツキが近づいてきた。

イレーネが休んでいる家まで尾けられてはたまらない。裏道を通って、目抜き通りから離れて人気のない路地に入った。

5名の異臭を漂わせた男たちが現れる。前面に2名、背面に3名。


「おっさん、酒場で金貨出してたの見たよ」

「お金持ってるんでしょ~、恵んでくれな――」


 縮地。

アーヴァインは前面にいた2名の間に現れると、喉を貫手で一突き。

苦悶の声を上げたところを、2人の右腕と左腕を掴み、これを握り潰した。

恐れをなした3名が足を後ろに下げたが、アーヴァインは既に疾走を始めていた。


 豹のように裏路地を後にしたアーヴァインは夕刻、拠点の4階建てに入った。

夫婦も使用人も揃っていたが、彼に一瞥をくれると無言で日常に戻った。アーヴァインから佳宏の姿に戻ると、見張りをさせていた分身を一体化する。


(見られてないよな?)


 不安はあったが、長居する気はない。

起きてきたイレーネに昼間の情報収集の成果を伝えると、彼女は権力争いに首を突っ込むつもりらしい。

佳宏は明りの消えた食堂で突拍子のない意見を聞き、思わず呆気にとられた。


「勇ましいねぇ、どっちに着く気か知らないけど雇ってくれないんじゃない?」

「売り込みに行く前に決めんなっつーの。争いになるなら傭兵がいて損はないし、アタシとアンタの腕なら見込みはあるよ。それでなくても、金になりそうな物くらい持ってるでしょ」


 こっちで売れないなら船に乗ればいいし、とイレーネは何でもなさそうに言った。佳宏から見れば大胆過ぎる意見だが、彼女がやる気なら自分は付き合うだけだ。


「金が欲しいなら、ダンジョンの物資を売れば?」

「どぶさらいみたいな真似、暇じゃなきゃやってられるかっつーの。アタシは殺して稼いでゼータクしたいの。昼間に出歩ければねー…」


 イレーネは深い溜息を吐いた。

吸血鬼になって以来、行動は劇的に制限されている。


 佳宏の一言で、イレーネは拾得物の売値について思い出した。

尋ねられた佳宏はばつの悪い思いに囚われる。聞き込みと町の探索に時間を費やし、完全に頭から抜けていたのだ。

イレーネは見下げ果てた目で佳宏を見ると、彼女は盛大に舌を一度打った。佳宏は視線を泳がせる。



「俺の故郷に連れていけたらいいんだけどねー」


 佳宏は話題を変えるつもりで言った。


「故郷が何?」

「日本……ていうか俺のいた頃の地球は凄く発展してて、地域によるけど真夜中でも街から人の姿が絶えないんだよ。日本はそうだった」

「そりゃいいわ、退屈しなさそう。でも人間が夜中まで何してんの?」

「遊んだり、仕事したりじゃない?俺は日付変わるまで起きてなかったし」


 イレーネが顔から険を引っ込める。


「とにかく今は情報が欲しい」

「城?」

「人が引ける前に行くよ。その王子の行方を調べる」

「ちょっと待って。行く前に下調べする」

「あん?」


 佳宏は精神感知の網を広げ、マルドニア城に狙いを定める。

城内を行き来する者達の感情と位置情報が心に雪崩れ込んでくるが、佳宏は狼狽えることなく城内に広がる心の動きを探る。

佳宏は鳴子のような、侵入者除けの仕掛けが施されてはいないかと思ったのだ。サイコメトリーのごとく、この力で看破できるかもしれないと思ったが……いまいちわからない。


「ごめん、いらん時間食った」

「見つかったところで困りゃしないって、行くよ」


 イレーネはこちらの意図を悟っていたようだ。

佳宏は照れくさい気持ちを押し隠したまま、イレーネと一緒に民家を出た。片方は霧となり、片方は透明となり人の目には映らなくなる。

疾風のように静まる城下町を駆け抜け、2人はマルドニア城に忍び込む。

マルドニア城は水堀によって城下と隔てられ、二重の城壁によって守られている城だ。


 正面の跳ね橋によってのみ行き来できる。

閉じられてこそいないが、ここを通ろうとすれば門楼の兵士に発見されることは避けられまい。

もっとも、飛行能力に加え、姿を隠す手段を持つ佳宏達には関係ない話だが。2人は音を立てることなく敷地に侵入すると、城の奥に進む。



 城の中にはまだ起きている者が何人かいた。

そもそも夜中に訪れずとも、昼間に一人だけで来たほうが確実ではないか?

佳宏の心中に疑問が浮かぶが、どっちみち佳宏が骨を折らねばならない点は変わらないので、深くは考えないことにした。


(案外、自分の耳で確かめたいだけかもしれないし…)


 一回りして何も見つからなかったら帰ろう、と佳宏は心に決める。

通路を忍び足で歩き、閉じている扉に行き当たれば、左見右見して開ける。

精神の揺らぎを探知しながら歩いているため、佳宏は目で見ずとも相手の位置がわかるがイレーネはそうではない。


(大丈夫かな…)


 川辺の街で辛そうにしていた彼女を思い出す。そもそも、初めて出会った時も収容所の地下に捕らえられていた。


(まぁ、守れるうちは守るさ…)


 イレーネの精神反応も、佳宏は探知できている。

ひとまず窮地には陥っていないらしい。安堵した佳宏の耳に、囁き声が忍び込んできた。

音の発生源は右手の扉、佳宏にはそれとわからないが礼拝堂である。扉を開けば気づかれてしまいそうだ、佳宏は聴覚に意識を集中する。


(針の落ちる音を拾うように…)


 駄目で元々、と扉の向こうに意識を向ける。

非常に強い警戒が伺える、ここから見つからずに侵入できるとは思えない。


ありがとうございました。

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