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東ダーナのマルドニア市

追放されるのがトレンドと聞いて。読む前に、以下の注意に目を通してください。


【注意事項】


・ハーレムは展開次第。


・デスゲームなし。


・俺tueee、チート能力。


・中二主人公。


・読みづらい。


・残酷な描写や暴力表現あり。


・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。


 ホフマンはベルトルトらに教えていない、アジトに入る。

一室の床にヘルテザー候を転がす、侯爵が目を覚ました。誰何の声を無視して鳩尾に一撃を入れ、手足を縛る。

脱がせた衣服の中から掌大の結晶が落ち、床に転がる。


「なんだこれは――おい、これはなんだ?」

「…ミレーユの士官学校にいた頃、露天商から買った石だ」

「ほう…面白い、まるで自ら光を発しているみたいだ。これは貰っていくぞ?」

「勝手にしろ、乞食め」


 ホフマンは横たわったヘルテザー候の顔に蹴りを入れると、部屋を出て行った。

やがて侯爵は一人になった。彼は明りの消えた部屋で歯を食いしばる、商船より貴重な騎士結晶を奪われてしまった。

父より受け継いだ聖騎士の結晶、よもや盗賊などを担い手に選んだりはしないだろうが…。



 睡眠時間が少なくなっても悲鳴を上げない体に感謝しつつ、佳宏は起きだしてくるイレーネを待った。

黒翼におしこんで旅することも考えたが、それでは2人旅を選んだ意味がない。

今日明日で限界を迎えることはないだろうし、別れを切り出すのはいつでもできる。


(というかイレーネはどう思ってんのかね?俺の事…)


 嫌われてはいないと思いたいが。

佳宏は拠点にした民家の前で、日が暮れつつあるナックル市の空を眺める。

日が完全に暮れた頃、イレーネの思考波が佳宏を小突いた。まもなく民家の扉を開け、イレーネが顔を出す。



 イレーネに血を与えるのも、慣れたものだ。

彼女の食事量は少ない。マグカップ一杯、多くても二杯くらいを飲むと満足する。

その頻度も最初に比べると少なくなっており、たまに吸血しないで過ごす日があった。


 佳宏は守備役として分身を1体置くと、イレーネと共にナックル市を出て東に向かった。

ダナエ含む、双剣騎士団の生き残り50名を置いておく提案を出したが、エルフは白けた顔で断った。

佳宏1体ほどの戦力はないだろうし、彼らを養う食料も必要になる。佳宏は納得して街を出る。


「ミレーユはどうなったかな?」

「そういやアンタが焼いたっけ…600年もあれば流石に建て直してるでしょ。向こう着いたら適当な家を乗っ取るからね」

「情報収集は?」

「アンタに任す。夜に起きてる奴がいればアタシがやるけど」


 佳宏達は日没から1時間ほどで、都市マルドニアに到着。

東ダーナのルミナス公爵の本拠地であり、南東の山脈を越えるとドリアン侯爵領に出る。

青鶴騎士団が治安維持にあたっている要塞の如き都市だが、王都ミレーユや港湾都市マクリルほどの賑わいはない。

時代が経っているからか、道路は城壁の外とは異なり、石で舗装されている。


 近づいていくと、マルドニアを取り囲む城壁の側防塔に明かりが見えた。

佳宏がイレーネに告げると、彼女は霧となって先行。佳宏は置いてけぼりを食ってしまう。


(飛んで行っちゃうか?こっそり入りたいよねぇ?)


 変身してみようか、と考えた途端変化が始まった。

見下ろした身体が透け、足元の地面が透けてみえる。佳宏は以前、姿を変えて解放軍に近づいたことを思い出した。

姿はあっという間に朧になり、まもなく輪郭する見えなくなった。


 城壁で警護に当たっている兵が、足音を聞きつけて左見右見した。

周囲には何もいない。狭間から城壁の外を眺めるが、何も見当たらない。怪訝に思いつつ、番兵は交代の時間を待つ。

天狗は幻聴と関連付けられることがある。天狗笑い、天狗倒しと呼ばれる現象だ。


 日が暮れて1時間ほど経っているが、マルドニアの表通りにはまだ人の気配があった。

流石に現代日本の都市ほど明るくはないが、浮遊する佳宏の足元の街には、明りの漏れている家が五、六軒ほどある。

まだ起きている市民がいるのだ。浮遊する佳宏の隣で霧が渦巻き、イレーネの声が彼を地上に呼びつける。佳宏は地上に降り、一軒の家を訪ねた。


ありがとうございました。

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