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血の気の多いエルフと共闘作戦

追放されるのがトレンドと聞いて。読む前に、以下の注意に目を通してください。


【注意事項】


・ハーレムは展開次第。


・デスゲームなし。


・俺tueee、チート能力。


・中二主人公。


・読みづらい。


・残酷な描写や暴力表現あり。


・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。


 まず感じたものは失望、直後に違和感。

獲っていない、と悟るや否や、天井に轟音と共に突っ込んだ佳宏を追う。

佳宏は腕を振るうが、セレスは察知した瞬間に後方へと飛び退き、2人は再び向かい合った。


「早い」

「恐れ入ります」


 セレスは自分の一撃をまともに浴びて耐えた男を前に、頬を上気させる。

まるで恋する乙女のようだ。反応速度は及第点に達していないが、頑健さは十分。

どの程度の戦闘力の持ち主なのだろう、確かめたくて仕方がない。


「逃げないで、いてくれるのですね」

「?…逃がす気が無いだろう、アンタ」


 佳宏は拳を構えたまま、眉根を寄せる。

先程の蹴撃を鑑みるに当たるかどうかは分からないが、打ってから考えればいい。

佳宏は気楽に、久しぶりの殴り合いにワクワクしながら、セレスが振るう拳を捌く。

左脛を狙ったローキックを佳宏は足を引いて避けるが、直後に腕を掴まれ、投げ飛ばされてしまう。


 佳宏は空中で姿勢を変えつつ、火球の弾幕をばら撒いた。

火球は互いに違いに円運動を行い、壁となってセレスを牽制。

天井や壁が熱せられ、踏みしめた両脚は焼けるように熱い。笑みを浮かべる麗人とは対照的に、佳宏は浮かない表情だ。


(染みてない)


 こめかみ狙いの右回し蹴りを受けると同時に、佳宏は左手の突きを繰り出す。

セレスは拳はあっさりと躱すと、佳宏の眼ですら捉えきれぬほどの速度で足を引き、ボディーブローを異邦人に浴びせる。

拳が鳩尾に刺さるも、佳宏は顔を顰めただけで火箭を撃つ。しかし当たらない。


 セレスは後ろに下がり、火箭の弾幕をつむじ風で掻き消した。

流れるような動作で壁を蹴り、佳宏の首に貫手を繰り出す。佳宏は辛くも反応し、首の肉が削げるだけで済んだ。


 炎と風に破壊されつつある廊下で、2人は拳と脚を交える。

佳宏の拳は徐々に鋭さを増し、セレスが異邦人の打撃を避けるでなく、捌く回数が増えていった。

相変わらずクリーンヒットしないが、徐々に追いついていけるようになったのだが、無我夢中の佳宏は自覚しない。

一方、セレスの脚は何発も命中しているが、佳宏はビクともしなかった。


(組手は何度もやったけど、もう忘れてるなあ。勘が鈍ってる)


 佳宏は少林寺拳法を修めているが、さほど気を入れて道場に通ってはない。

武術を齧っている、というレベルの練度しかないのだ。喧嘩の経験もあるにはあるが、数えるくらいだ、

それを今日ほど悔やんだことは無かった。

当たる気がしない、この新しい体で無かったら勝負にもならないで倒されているだろう。ただ身体を動かしているだけ、それも徐々にダメージだけが蓄積されている。


(面白くなりそうな予感はあるんだけど、それきりだなぁ)


 風の刃をセレス目がけて横薙ぎに振るう。

飛び上がった麗人を打ち落とそうと身を沈めた刹那、佳宏は不吉な予感に襲われる。

佳宏は壁に向かって跳んだ――勢いがつきすぎている!未だ熱を失わぬ壁を突き破り、佳宏は外に出た。

セレスは外に出た佳宏を追い、苦戦している部下の戦闘音を聞いた。一瞬、意識がそちらに向き、セレスは佳宏を捕まえられなかった。


「失礼。連れが危機に陥っているようです。都合がよければ、同行していただきたいのですが?」

「いいですよ。いきましょう」


 砦の裏手で、佳宏はセレスと共に城館を脱出。


「申し出を快諾してもらって聞く事ではないかもしれませんが、行く所があったのでは?」

「いやいや、当てはないんだ……いや、クラスメイトには会っておきたいかな」


 この世界の事情について聞いておくべきとは思うが、あまり興味はない。

このまま去るか、セレスと共に行くか。間違いなくイベントが起こるのは後者だろう。

いつまでも身元不詳では不自由しそうだし、エルフに顔を通しておいて損はあるまい。


 佳宏はセレスの案内によってナックル市内で交戦中のエルフに加勢。

距離を詰めていく鎧甲冑の前に躍り出て、右アッパーを浴びせる。佳宏の頭上に舞い上がった兵士は胸を打たれ、口から血をしぶかせる。

困惑するエルフもいたが、知った顔で道を開ける者もいた。


 エルフは耳がいい。

古代世界において、地上の全てを管理していた名残だ。

物音は勿論、人間の呼吸音や足音、心臓の鼓動音まで聴き取る事すら可能だ。

個人差はあるが、セレスと佳大のやり取りを聞いていた者もいたので、誤って攻撃されることは無かった。


ありがとうございました。

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