佳宏とイレーネ、幻獣世界より帰還
追放されるのがトレンドと聞いて。読む前に、以下の注意に目を通してください。
【注意事項】
・ハーレムは展開次第。
・デスゲームなし。
・俺tueee、チート能力。
・中二主人公。
・読みづらい。
・残酷な描写や暴力表現あり。
・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。
佳宏とイレーネは幻獣界を脱出できた…ようだ。
入り込んだ時と同様、唐突に景色が変わったために理解が追い付かない。そもそも、帰還できたのだろうか?
真っ暗な周囲を見渡すと、2人がいるのは人気のない廃墟。食堂に当たる部分のようだ。
窓から外を眺めるが、やはり夜だった。
「夜なのは助かったな、しかしどこだ?」
イレーネの疑問はもっともだ。
自分達がいたのはミレーユ市をとりまく丘陵、急速に開発されたのだろうか?イレーネに覚えがない以上、佳宏には判断のしようがない。
「さぁ?……丁度いいや、だれか来る」
民家の中に隠れ、反応が近づいてくるのを待つ。
やがて篝火の群れが、佳宏達がいる廃村に侵入した。複数の男女の話し声、さざ波のように連続する足音。
「どうしよっか?聞き込みする?」
「あぁ?――成程。行けるか?」
「一人いればいいよね。先頭の女でいい?」
お互いの意思を確認すると、2人は疾風のように飛び出した。
表には武装した徒歩の男女が100人ほど。佳宏は最前列にいた若い女1人を除いて、全員を不可視の縛鎖で拘束する。
佳宏が彼らをすぐに殺さなかったのは、血袋として1人、2人連れて行ってもいいかもしれないと思ったからだ。
若い女は剣を抜き、イレーネに斬りかかる。淀みない動きから、何度か実戦を経験しているのが伝わる。
しかし、イレーネからすれば目で見てから対処できるほど遅い。懐に入ると同時に、手首を握りつぶし、視線を合わせる。
「まず聞きたいんだが、お前ら何者だ?」
イレーネの視線を直視した瞬間、若い女の身体から力が抜ける。
陶然とした顔で、イレーネを見つめる彼女は台本を読み上げるような口調で質問に答えていく。
女――ダナエは自らの所属を双剣騎士団と言った。
先の戦争時、彼らに十分な恩賞を出さなかった西ダーナ王国を革命せんとする組織だそうだ。
耳慣れない単語がいくつも出てきたため、佳宏とイレーネは眉を顰めた。メンバーは廃村にやってきた100名ほどで全てらしいので、増援の心配はしなくてよさそうだ。
続いて地理について尋ねる。
彼女が話すところによると、ここはエルフが治めるタッカー地方とその南のオークヒル地方の境にあたる場所にある廃村らしい。
ユリス、およびクラスメイト達がどうなったか尋ねると、佳宏の疑念が頂点に達した。
「クリフ帝国が存在しないってどういうこと?」
「冗談ならそう言え。一回だけなら聞かなかったことにしてやる」
「いいえ。聖者ユリスがクリフ帝国の支配から大陸を解放して、もう600年が過ぎています」
ダナエは答えを曲げなかった。
突拍子が無さ過ぎて、鵜呑みにはできない。別の街でも質問する必要があるが、もし事実だとすれば…別に困らない。
イレーネはともかく、佳宏はこちらに身寄りはない。
「異世界から来た若者がいたはずだけど、知らない?」
「知っています。34人の聖騎士は皇帝が倒れた時、この世ならぬ場所に帰ったと祖父から聞きました」
「えー……マジかぁ」
置いてけぼりを食った佳宏はわざとらしく顔を顰めた。
態度ほどショックを受けてはいない。転移前ならいざ知らず、ハレン大陸を歩き回る間に力をつけた今はどうという事もない。
人知を超えた力を得た自分への信頼が、事態を楽観視させているのだ。
「西ダーナって何?あと先の戦争って?」
「はい…」
クリフ帝国打倒後、解放軍を率いていたユリスは隠遁生活に入った。
初代、2代目と血縁のある自分が権力の中枢にいた場合、必ずやクリフ教徒が近づいてくるであろうと懸念したからだ。
後事を託されたオーシンは、神聖ダーナ王国の建立を宣言。戦争からの復興に力を尽くしたが、40を過ぎた頃に逝去。
息子コナンが亡くなり、3代目ケルブの頃から、国に影が差し始めた。
200年を過ぎた頃、神聖ダーナ国は東西に分裂。
それからさらに300年以上経ってから、ハレン大陸の西に浮かぶアルフ諸島を治めるジムオン2世と、西ダーナのオーシン8世の間で西ダーナの王位継承争いが勃発。
先代王レオン4世が世継ぎを残さなかったためだ。ジムオン2世はレオン4世の叔父、オーシン8世は従弟。
この戦いはおよそ四十年続き、終結したのが3年前。
西ダーナは独立農民や市民に給料を与え、訓練して部隊を組織。
彼らは果敢に戦ったが、国力を落とした西ダーナは、その働きに報いることが出来なかった。
十分な恩賞を受け取れなかった多くの平民上がりの組織は革命組織となり、王や貴族相手にテロ活動を繰り返すようになった。
双剣騎士団も、そういった組織の一つである。
ありがとうございました。




