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闘いが終わって

追放されるのがトレンドと聞いて。読む前に、以下の注意に目を通してください。


【注意事項】


・ハーレムは展開次第。


・デスゲームなし。


・俺tueee、チート能力。


・中二主人公。


・読みづらい。


・残酷な描写や暴力表現あり。


・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。



 セレスが苛烈に攻めるも、佳宏Bは狂った猪のように戦意を衰えさせない。

念力や炎、風の剣を投擲し、時には奇妙な硬直をセレスの身体にもたらして攻撃を命中させていく。

セレスは躱し、佳宏Bは耐える。


「あぐぅ…!!」


 佳宏Bの肘打ちが命中した時、それは起こった。

胸を強かに打たれた直後、ビシィッ、という音がセレスは身体の奥から聞こえてきた。直後に激痛が、セレスの体内を襲う。


(骨が折れましたか…)


 セレスは打たれた胸部を抑えたい衝動に駆られる。

同時に歓喜と興奮にも彼女は蹂躙されていた。セレスは敵が強ければ強いほど燃えるのだ。

身体の火照りを自覚し、セレスは肉食獣のように酷薄に微笑み、佳宏Bに突っ込んでいく。


 果てしなく続くと思われた闘いは、セレスの勝利で終わった。

破壊されつくした夜の荒れ野に横たわる異邦人の男と、男を見下ろすエルフの女。

衣装はあちこち弾け、裂けた拳から赤黒く染まっているが、ピンと伸びた背筋が、まだ余力が残っている事を物語る。


 一方、佳宏Bは惨憺たる有様だった。

瞼は平時の半分くらいしか開かず、八の字に曲がった両脛はゆっくりと再生し続けているが、まるで拷問されているように痛い。

再生と破壊を繰り返した口元から腹は黒く染まっている。


「俺の負けか…残念。満足した?」

「えぇ、ここまで戦いが長引いたのは初めてです」

「そう。それは良かった」


 佳宏Bは瞼を閉じながら微笑んだ。

この体はもう駄目だ、力が入らない。戦いを続けるなら分身を作るしかないが、充実した疲労感に水を差したくなかった。

遊び疲れた子供が眠りに落ちるように、佳宏Bは息を止めた。


「技術面ではお世辞にも巧者とは言い難いですが、戦意と身体能力は一級でも足りない……満足のいく戦いでした」


 セレスは胸をさすりながら呟く。やはり骨が折れているのか、ちょっと触れると思わず身体が跳ねるほどの痛みが走る。


「なるべく早く帰ってきてください。その時は、続きをしましょう」


 今回の戦いにおいて、佳宏Bは分身を作らなかった。

恐らくまだ戦えたはずだ。自分から闘いを降りるような振る舞いをしたのが些か残念だが、満ち足りた死に顔を見せられては文句を言う気も失せる。


 セレスは高々と跳躍すると、エルフの集落目がけて一直線に飛んでいった。

心地よい疲労と痛みを味わっていたセレスだったが、不意にある事実を思い出す。

途端、奇妙な不快感に襲われた。幻獣界から帰るとき、佳宏は女吸血鬼イレーネと一緒のはずだ。

今こうして別れた自分と、行動を共にしている彼女。そのような図を一瞬描いて不快に思う程度には、イレーネを目障りに思っている自分を自覚する。





 帰還は唐突に始まった。

皇帝エイル2世が実弟ユリスの刃の前に倒れた時、見る間に七帆達の姿が薄くなっていく。

20秒かからずに彼女らは姿を消し、HR前の教室に帰還した。生き残った者は10数名。

事態を把握できず、疲れた顔で呆然と佇んでいた七帆達は、いつも通り教室の戸を開けた担任教師に声をかけられると、声を上げずに涙を流した。


 七帆達の戦いは、半数のクラスメイトと引き換えに呆気なく終わった。

見慣れない衣服、荒廃した表情、失踪した生徒。周囲の人々は彼らから事情を聞き出そうとしたが、七帆達は頑なに口を噤んだ。


――私たち、異世界で戦争に加わったんです。


 誰が信じてくれる?

七帆達が黙っているのをいい事に、周囲の憶測は爆発するように広がっていった。

集団自殺、一部の生徒による殺人。反社会勢力による襲撃…生き残ったものたちも例外なく心や体に傷を負い、マスコミは彼女らを追いまわした。

それでも、彼らはまだマシだ。彼女らのニュースバリューは日々下がっていく、七帆達にばかり構っているほど暇じゃない。


 問題は失踪した生徒の遺族。

彼らの立場からすると、なぜお前たちだけ、と恨み事を投げるのも無理はない。

遺族に掛ける言葉を、七帆達は持っていない。教室に顔を出すクラスメイトの数は減り、七帆もまた別の学校に移った。


ありがとうございました。

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