皇帝陛下と騎士ヴァンドゥルディ
追放されるのがトレンドと聞いて。読む前に、以下の注意に目を通してください。
【注意事項】
・ハーレムは展開次第。
・デスゲームなし。
・俺tueee、チート能力。
・中二主人公。
・読みづらい。
・残酷な描写や暴力表現あり。
・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。
佳宏達が到着する少し前の、ルービスの中央の盆地に建つ帝都ミレーユ。
ミレーユ城のバルコニーに立っていたエイル2世は、宝槍クリヒラを手に城内に駆け戻っていた。
顔は小さく、手足の長いモデル体型。顎のラインはすっきりした逆三角形、鷲鼻で切れ長の目は鋭い。
白金色の髪は頭部から肩に向かって、豊かに波打っている。
正面ロビーに向かうと、背の高い男が指揮を執っていた。
長い髪は夜闇色、白磁のような肌をした彼はクリフ帝国宰相ノア。
エイル2世が投擲した槍が返された時、城の外壁が一部崩落。ノアは皇帝に代わり、騒ぎの収拾と事態の把握に努めている。
解放軍を率いているユリス皇子は、彼の実弟である。
ユリスは7歳下の弟で、父エイル1世は男子2人のみをこの世に残した。
「やぁ、ノア。大変だねぇ」
「えぇ、槍が返された点については驚きはありませんが、城を崩されるとは――楽しそうですな、陛下」
「あぁ、楽しいよ。異界からの客人は、大陸をよく動かしてくれる。あの少年少女達も、招かれた直後は目も当てられぬ有様だったが、随分慣れてきたようだ」
エイル2世は薄っすらと笑みを浮かべ、上機嫌で話す。しかし解放軍の聖騎士達は、今夜の本題ではないのだ。
「来るかな?彼は」
「どうでしょう。吸血鬼を連れていますからねぇ。まだミレーユには入っていないようで」
「よし。では迎撃部隊を4000ほど展開しろ、指揮は――ランディの治療が終わっていたな。彼に任せよ」
「御心のままに」
エイル2世は1階ロビーから地下に降る。
弟がバルド王を倒したら、いよいよ最終決戦だ。ユリスが残るか、エイル2世が残るか。
100段を超える長い階段を下ると、壁や床自体が発光しているような通路に出た。輝きは淡く、直射日光のような目に痛い明るさはない。
階段から向かって右手の通路に入り、壁に並んでいる扉の一つに入る。
第1研究室。
扉を開けた瞬間、咽るような生臭さが皇帝の顔に吹き寄せてきた。
「お、相変わらずの匂いだな」
「や、これは陛下!」
吸盤のある碧色の甲冑に身を包んだ人物が小走りで近づいてきた。七神騎の一人、ヴァンドゥルディである。
「聖騎士のこちらに運ばれたはずだが、レイヤと言ったかな。仕上がりはどうだ?」
「はい、完成しております。施術開始から日が浅いため、変生は使用できませんが、検体レイヤ、検体ネイト両名、鎧との接続は成功しました。」
「ディマンシュは起きたか?」
「退室の報せは受けておりませんから、経過観察室で寝ているでしょう」
「ふむ、見て来よう。作業を続けてくれ」
皇帝が経過観察室に向かう。
2人がいる足場から一段下がった位置、研究室の中央に巨大な円形プールが座していた。
満々と注がれたピンク色のスープの中央に、球形の肉の塊が沈められている。肉塊の上部から白い肌の少女の上半身が突き出し、天井から鎖で繋がれていた。
肉塊には裂け目が入っており、そこからぬるりと裸形の男が姿を現した。上半身が身を捩る。
口は肉の猿轡で塞がれており、呻き声しか出ない。
魔産宮。
ヴァンドゥルディの能力の触媒である。魔産宮に産ませる事で、彼は死者を甦らせることが出来るのだ。
素体の女性が死んだ場合はまた作らねばならないし、魂の回収から出産まで日にちを要求するが、クリフ帝国は死を克服していた。
戦士はその家族と離別しなくてもすむのだ。解放軍の捕虜なら、遠慮なく使い潰せる。
司祭や学士とすれ違いながら、エイル2世は暗黒の分娩室を抜ける。
小さな廊下に出た。出産された兵士達の経過を観察する部屋のベッドの一つに、鎧を身にまとっていないディマンシュが寝ていた。
皇帝は少し考えたのち、ディマンシュを起こす。
「陛下!これは失礼を……」
「あぁ、楽にしてくれていい。気分は?」
「ハ、すこぶる快調です。まだ指に違和感が残っていますが、明日には完全になるでしょう」
「それは何より。復活を楽しみにしているよ」
ありがとうございました。




