ルサルカからミレーユへ
追放されるのがトレンドと聞いて。読む前に、以下の注意に目を通してください。
【注意事項】
・ハーレムは展開次第。
・デスゲームなし。
・俺tueee、チート能力。
・中二主人公。
・読みづらい。
・残酷な描写や暴力表現あり。
・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。
ルサルカの夜空が、茜色に染まっていた。
神殿が燃えているのだ。佳宏とイレーネは南の丘の頂上から、炎に包まれた神殿を見ている。
黒翼から取り出す瞬間、既に死んでいないかと不安に駆られたが、イレーネは無事だった。
疲労困憊といった様子だが、すでに自力で立ち上がれるほど回復している。
「……」
「ごめんね」
「…中の物は?」
佳宏は神殿に火を放つ前、幾つかの宝物と金貨を略奪した。
しめて600ナイア金貨とヒスイの首飾り、ルビーの仮面、手触りの良い緋色の外套に光の刃の魔術が込められた剣。
神官や神殿騎士達を蹴散らしつつ回収したにしては、中々の戦果だろう。
「ま、アンタ一人にしちゃ上出来かー」
イレーネは機嫌を直したらしい。
佳宏が50ナイアほどを巾着袋に入れて渡すと、にんまりとしながら受け取った。
「これっぽっち?けち臭いヤツ」
「あんまり持ってても嵩張るでしょ。蔵に入れてると思えばいいじゃん」
「ふーん?ま、そういうことにしといてあげる。行くよ」
「あいよー」
佳宏とイレーネは丘を下り、南に進む。
逃げるようにイレーネは街から離れ、距離が広がるにつれ、その表情から疲労や倦怠が消えていく。
寝床を探さなくてはならないこともあり、2人はかなりのスピードで南に向かう。
「あとどれくらいでえー、首都かな?」
「あぁ?アタシらの足なら今晩中に着くよ」
「ちっけぇ!ちょっと緊張してきちゃったよ」
「アハハ…そのまま漏らすなよ、ヨシヒロ!」
イレーネは意地悪そうな笑みを向けた。
2人は吹きおろしの突風より早く森を突っ切り、魔速の疾走はそれだけで葉を散らし、すれ違った木々の枝が裂ける。
文字通り飛ぶように南下する2人だったが、途中イレーネが足を止めた。
「どうした?――!」
「何か来る」
佳宏の全細胞が警報を鳴らす。
空気が震え、衝撃が不可視の壁となって降ってきた。その本体が佳宏にはわかる。
槍だ。一本の槍がミサイルのように迫っているのだ。槍は途中で制止する――佳宏の念力で掴まれたのだ。
耳障りな音が響く。空中で制止した槍に込められた力が、佳宏の念力を破っているのだ。
「やべ!」
佳宏は槍を遠くに飛ばす。ひとまずの危機は去った。
「敵か?」
「この近くに人間はいないよ……ねぇ、ちょっと休憩しない」
「なんで?」
「駄目?向こうじゃ体力使うんだからさ」
「面倒くせぇ男だな……!?このあたり、街かなんかないか?」
「うーん、ある。西に村みたいに、家がちらほら」
「よし。そこでいい」
2人が西に5分も走ると、人家が見えてきた。
農民たちがまとまって暮らす村だ。佳宏が精神探知で確認するが、全員眠っているようだ。
「どこでもいいんだけど……あれにするか」
「招待されてないけど、大丈夫?」
「はぁ?なんだそれ」
「なんでもない、行こう」
2人は一軒の民家に忍び込み、住人を殺害。
イレーネは彼らから血を吸うと、その耳に唇を寄せて言い聞かせた。
農民の夫婦は夢見るような顔で、コクコクと頷いている。
「それは…あれか、操ってるってこと?」
「わざわざ起こすわけにもいかねーしな。そういや見るの初めてか」
「うん…チョー便利だな」
「1日くらいはこれで凌げるだろうよ。さっさと寝ろ」
2人は1昼夜を農村に隠れて過ごした後、さらに南下。
5分と経たずに、ミレーユの城壁を望む北の丘に立った。
目に入るより早く、クリフ帝国の首都ミレーユだとわかった。怖気と呼ぶべきか、あそこには今まで見たことのないものがある。
未知だ。最初の一回目は楽しいものなのだ、それが危険や冒険と呼べるものなら間違いなく。
ありがとうございました。




