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バーハラ市再び、不安な一夜

追放されるのがトレンドと聞いて。読む前に、以下の注意に目を通してください。


【注意事項】


・ハーレムは展開次第。


・デスゲームなし。


・俺tueee、チート能力。


・中二主人公。


・読みづらい。


・残酷な描写や暴力表現あり。


・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。


 佳宏とイレーヌは、収容所を制圧したその夜のうちにバーハラ市に到着。

ディーン将軍率いる第5軍が街を守備、ここを基地に北方の鳥人ガルダを掃討せんと第6軍が進軍を続けている。

2人は風が吹き付けるように城壁を乗り越えると、第5軍の兵士を次々と血祭りにあげていく。

市民のおよそ半数は避難した。一部は捕らえられ、あえて残った者達と共に両軍によって保護されていた。彼らは帝国の資産である、逃がしたりはしない。


 イレーヌの片手剣は切れ味鋭く、板金鎧を温めたバターのように裂いてしまう。

吸血鬼の膂力に耐えうる品であり、常識的な物体をいくら斬っても、刃毀れはしない。

兵士達も負けじと5人がかりで抑え込むが、身体を捻るだけで払われてしまう。決まりきった型はなく、急所目がけて得物を叩きつけるだけの、獣じみた剣術で着々と犠牲者を積み上げていく。


 佳宏も似たようなものだ。

彼は徒手で戦っている。ストレート、アッパー、ブロー、裏拳……人間の動作速度の限界に等しい領域で放たれる打撃。

時には躱されることもあったが、不可視の力が兵士の身体を芯まで貫いた。念力を手や足の先から飛ばすことで、リーチを補っているのだ。


(探索もしないとな…)


 イレーネも気にしていたが、金回りが悪い。

一文無しではないが、安定した収入源も無い。元々小遣いに困った経験がないことに加え、野良犬のような生活に順応してしまった事で金との縁が切れてしまっている。


 火をつけるのは駄目だ。

兵士の懐に入り、首を順突きで貫きながら佳宏は考える。

装備を剥いで持っていけばいいのだろうか、ぼんやりと動いていると背中に長槍の穂先が突き立った。


 イレーネは兵士を殺戮して回る最中、あるものを探していた。

金品の回収は佳宏に任せている。彼女が探しているのはクリフ神殿だ。

バーハラ市の城壁内を駆け回り、嫌悪と恐怖の感覚が沸き起こるのを待ち受けるが兆しすら見えない。

反乱を起こす前からダヌー伯爵が頑張っていた為、彼の領地には神殿は1か所あるきりだ。



 彼女が吸血鬼になったのは70年前。

客に取った男が、フージ国の首都ミレーユを簒奪する前のエイル1世率いるクリフ教団にとって都合の悪い相手だったのだ。

彼女は情報を吐き出す為、様々な拷問を受けた。義理など無かった為、早々と喋ったのだが、その時には陰部が切り刻まれており、ろくに治療もされずに放り出された為、傷がもとで亡くなったのだ。

そして吸血鬼として蘇る。


 意趣返しは幾度となく試みた。

彼女の吸血により、蘇生した人間は指の数より多い。彼らの大半は悪罵と共に去り、残りの半分はイレーネに関係を迫ってきた。

そして彼らはイレーネ同様、神域に対して拒否反応を示す。人間の傀儡の場合、数を揃えないと役に立たない。


 そこへ来て佳宏だ。

佳宏の血を飲んで以来、身体の奥から湧き上がる力の総量が増した気がする。

帝国に刃を向けている彼は、クリフ教と一戦交える際の戦力になるだろう。


 佳宏は真夜中過ぎ、10名の騎兵に守られたディーン将軍を殺害。

潮目が変わり、騎士達は散り散りに逃げ出す。佳宏は逃散する甲冑の一部を刈り、彼らの装備を剥がして黒翼に詰めていく。

手並みはたどたどしく、佳宏が50名分の装備を入手した頃には、第5軍の残兵は城壁から皆姿を消していた。


 やがて佳宏はイレーネと合流。


「金になりそうなものはあった?」

「とりあえず装備を50くらい手に入れたよ。民家とかも検める?」

「まだ夜明けまで時間あるしな……ま、よっぽどの間抜けじゃない限り、目ぼしいモンは残してないだろうけど」


 イレーネは肩を竦めた。

2人はざっと見て回り、残されていた宝玉や真鍮のカップなどを入手。


「寝る場所どうする?」

「それも考えないとねー、ここより北に街とかある?」

「わかんねぇなぁ」

「…使えないね、アンタ」

「申し訳ない」


 佳宏は増援の到来を警戒する。

イレーネも気にしているが、日光を苦手とする彼女に野宿は難しい。


「あんた、私が眠ってる間守ってよ。ダメ?」

「……しゃあねぇな」

「本当!じゃあ、さっさと寝な。時間が来たら起こす」


 佳宏はバーハラ南東の奥まった場所に建つ一軒に入った。

外観の状態が良く、大通り沿いでないならどこでもいい。睡眠時間が削られる以上、後は己の運のみ。


ありがとうございました。

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