ストレイド城陥落と香織の目覚め
追放されるのがトレンドと聞いて。読む前に、以下の注意に目を通してください。
【注意事項】
・ハーレムは展開次第。
・デスゲームなし。
・俺tueee、チート能力。
・中二主人公。
・読みづらい。
・残酷な描写や暴力表現あり。
・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。
目を地面に落としていた香織は、顔をあげて周囲を見回す。
近くには誰もいない、と思った直後、竜から落ちた赤騎士隊が走りこんできた。
立ち上がって逃げ出そうとしたが、バランスを崩して尻から転倒してしまう。
「香織!」
先ほどは女性の声、今回は男性の声。
「お父さん?どこ?」
赤騎士隊の兵士が襲い掛かる。
香織が反応するより先に、身体が動いた。振り下ろされた槍を転がって回避し、立ち上がる。、
反撃することなく、味方のもとに駆けていく。その走力はつい先刻とは比較にならないほど向上している。
走っていく途中、香織の父親が立ちはだかった。
「お父さん!?どいて――!?」
間近で炎が渦を巻いて、赤騎士隊を呑み込んだ。
上空に狙いを定めた魔法使いの放った火球がパワーアップしたのだ。この頃には巨人に変化した魁も合流し、飛竜に跨った騎士に長剣を斬り降ろしていた。
解放軍がストレイド城を制圧した頃、香織は僧侶達の前に連れてこられた。
彼女は戦闘が終了した後もずっと、父親や母親と会話しており、様子を心配したクラスメイト達の相談を受けたシンシア達が診ることになった。
部屋の一つを貸し切り、診察を開始。
シンシアはすぐに異常に気付いた。香織が両親と会話を始めると、どこかから呻き声のようなものが聞こえてくるのだ。
歩み寄ると、音の出所は明らかになった。香織自身からだ。
「フウゥウ……」
「カオリさん、服を脱いでもらってもいいですか?」
「服ですか?わかりました」
『香織、信用しちゃ駄目!』
香織の顔色が変わり、彼女は立ち上がった。
その直前、獣の唸り声めいた音が香織の服の中から聞こえてきた。
「ごめんなさい!皆さんの事、信用してないわけじゃないですけど、お母さんが…」
「お母様……の気持ちは」
『この子はどこも悪くありません!いい加減なこと言わないで下さい!』
急いた様子で部屋を出た香織の前に、ディムナが立ちはだかった。
ぶつかってきた香織を思わず抱き止めると、後から出てきたシンシアに引き渡す。
シンシアは香織をディムナに任せ、女性の戦士ティアマトを呼びに行った。強引に服を脱がせると、正体が明らかになった。
顔があった。
胸と腹に一つずつ、中年の男性と中年の女性の顔が浮き上がっている。
髪の毛や眉毛、睫毛すら生えており、時折瞬きをする様は人の顔そのもの。声帯などないというのに、その口からは声が漏れている。
「なんだいこりゃ……腫物みたいに顔が浮き出てる」
「は、腫物の窪みが皺に見えたり、することはありますけど……動いてる」
人面瘡。
魁と同じように、香織が発現させた二つ目の力である。
家に帰りたい、という頑是ない渇望が、香織の記憶から両親を再現したのだ。
香織の身に起きた異常が明らかになった頃、ユリスはオーシンと額を突き合わせていた。
七神騎を名乗る、異形に変身する者。そして数時間前に現れたネズミ人間。いずれも討伐はできたが、被害は未だに癒えない。
幸い、石原園枝の能力『病魔を吸う唇』により、蚊に変化した者やネズミに変化した者を治療することはできたが、その精神まで癒せなかった。
あの変身する者たち。
ただ一人で騎士団に匹敵する戦力を振るい、召喚されたクラスメイト達がいなければ、解放軍は既に壊滅していたかもしれない。
彼らについて、皇帝の実弟であるユリスは情報を全く持っていなかった。
香織が診察を受けている頃、魁は泥のような眠りに落ちていた。
巨人への変身の負荷により、陣地に入るや否や、吸い寄せられるようにベッドに潜り込んだのだ。
七帆や利樹が入れ替わり立ち替わり見舞いに訪れたが、一度も目を覚ますことはなかった。
ありがとうございました。




