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量産型神騎マオスラと母の叱咤

追放されるのがトレンドと聞いて。読む前に、以下の注意に目を通してください。


【注意事項】


・ハーレムは展開次第。


・デスゲームなし。


・俺tueee、チート能力。


・中二主人公。


・読みづらい。


・残酷な描写や暴力表現あり。


・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。


「本当に脱走者が出るとは、異邦の人間とは言え、随分と小狡い者を傘下に入れたものよ。マオスラを出せ!」


 メルクルディの指示を受けた兵士が砦の地下に走る。

地下の一室に安置されていた囚人の縛鎖を解くと、囚人は目的地がわかっているといわんばかりの足取りで駆けて行った。


 魁や利樹らの働きにより、解放軍はかなりの速度で進んでいく。

前線組の視界にストレンド城が入った頃、装甲騎士団を飛び越えて、痩身の男が魁の前に現れる。

薄汚れた灰色の鎧に身を包んでおり、目は白濁していた。


「ルゥロロロオオオオオ――」


 男が叫ぶ。

声を発すると同時に鎧が水飴のように溶け、男の全身を覆っていく。

鎧と一体化した男は、埃のように汚らしい色の毛で全身を包んだ獣人に変貌した。

以前のディマンシュと大差ない、見上げるほど大きな体躯。ネズミを思わせる前に突き出た顎と、顔の皮膚を引き攣らせた醜悪な姿。


――マオスラ。


 七神騎の量産型、その試作品である。

マオスラは己に向かった放たれた手投げ槍を躱すと、唖然となったバルド軍、解放軍両方の間を縫うように走り、射手である騎士セシルの前に立つ。

ひったくりのような手つきで、細身の女騎兵を馬上からひったくると、その胴体に大きな歯を突き刺した。


「レオ…!」


 魁が爆風を発しながら、ライトグリーンの巨人に変化した。

『火竜の如き巨人』。発現した二つ目の能力を纏うと、魁はマオスラに斬りかかる。

等分した大玉スイカに齧り付くように少年の腸を食していたネズミ人間は、突撃してきた巨人の視界を塞ぐようにセシルの体を投擲。

それと並行して、間合いに入っていた騎士たちを長い尻尾で薙ぎ払う。しなるそれは鞭のようでありつつ、金剛杖のような衝撃を伴っており、甲冑越しでも内臓を傷めるには十分な威力を持つ。


 魁はレオの身体を優しく受け止めるが、腹部から脊椎にかけて傷つけられている。

甲冑が障子紙のように破かれ、中から絡まったコードのような腸が覗いていた。しかし息はあるようだ。


「沢田、貸せ!」


 巨人が見ると灰白色の戦士が、手元まで駆け上がってきていた。

魁がネズミ男のほうを見ると、マオスラは解放軍兵士を踏み潰して跳躍、後方のユリスを目指して駆け出していた。

地を蹴って身体を浮かし、飛行を始めた魁の目に、流星雨のような飛竜赤騎士隊が映る。


 しかし、間近な脅威はマオスラだ。

ネズミのような顔、両目の間から粘液滴る触手が数十本、放たれた矢のような勢いで飛び出し、解放軍を舐めまわしていた。

加えて指から伸びる爪。懐に入った戦士の頭上から槍の穂先のごとき爪が降りかかる。


「ゴホッ…ゴホッ……」

「ッフ…カホゥッ…」


 薄緑の巨人の耳朶を、咳き込む声が打った。

苦し気に咳き込んでいるのは解放軍に所属する兵士のみ。

バルド軍の者はマオスラの乱舞に巻き込まれぬよう距離を広く取りつつ、後方目がけて切り込んでいる。



 利樹は僧侶シンシアを見つけると、セシルの治癒を依頼。

祈りの文言を唱えると、傷は見る間に塞がっていき、やがて瞳に光が戻る。


「セシル……!?」


 傷の癒えた騎士セシルは獣のような動きで、シンシアに襲い掛かる。

軽装の彼女を突き飛ばし、殴打を鎧で受け止める。セシルの顔はマオスラに酷似した、顎が前に突き出た醜悪なものに変貌している。

マオスラによって負傷させられた者のうち、その身体から発せられる毒気に負けた者は、劣化個体に変化するのだ。


 魁はマオスラの首を掴み、宙に放り投げる。

ブレスにより一閃。灰色の四肢は空中で燃え尽き、炭化した組織片が雪のように戦場に降るが、マオスラの影響を受けた兵士達は変わらず味方に牙を剥いていた。


 香織はジークに守られながら、目に涙を溜めていた。

彼女の力は『道士の祈りに神の息吹』。半径10m以内にいる味方の魔法の効果を2倍にするというもので、攻撃も防御も不得手だ。

一応、細身の槍を持たされているが一人も殺傷したことはない。硬直して左見右見しているうち、ジークの姿が見えなくなった。


――乱戦に怯えるうち、はぐれてしまった。


 間近から聞こえる飛竜の鳴き声、金属が打ち鳴らされる音。

逃げることも考えられず、脱力した様子で香織はしゃがんでしまう。

その時、香織の耳に馴染み深い声が届く。


「香織!しっかりしなさい!」


ありがとうございました。

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