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バルド王国進軍前夜のクラスメイト達

追放されるのがトレンドと聞いて。読む前に、以下の注意に目を通してください。


【注意事項】


・ハーレムは展開次第。


・デスゲームなし。


・俺tueee、チート能力。


・中二主人公。


・読みづらい。


・残酷な描写や暴力表現あり。


・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。


 東ルービスを解放したユリス達は、ローズ城を前線基地として進路を模索していた。

ローズ城から先には、北から南東に向かって走る険しい山々と、エイル2世と手を組んだバルド王が彼らの行く手を遮る。

彼はクリフ帝国皇帝エイル2世の同盟者として、ルービス地方東部のバルド王国を統治していた。

南東に向かって進むと見えてくるストレンド城に詰めているのは、バルド王の腹心オルセー将軍。

途中で通過する森を南に抜けるルートもあるが、そこには飛竜赤騎士隊を率いるグンナル将軍がヘジン城を構えている。


 自身はヒルダ湖を望む王都ラウムに陣取り、王都南のヴェンドリ砦に帝国から派遣された七神騎メルクルディを配置。

解放軍との全面戦争への備えを整えていた。また、バルドの人々も帝国から自治を勝ち取ったバルド王の力になるべく、解放軍を迎え撃つ準備を進めており、厳しい戦いになるのは間違いなかった。


 聖騎士――クラスメイト達も今まで以上の負担が強いられる。

トリスタンの報告により、佳宏の生存は彼らの知るところとなり、また佳宏を放逐した事も解放軍に知られる事となった。

魁はローズ城の三階の居室で黄昏れていた。哨兵の詰所として使われていたらしく、解放軍も同じように運用しており、足音が響いている。


 考えるのは佳宏の事。

生きていた。あの少年の口振りでは一般人のまま放り出されたように思えたが、実は加護が与えられたのか?

そう仮定すると、あの投票は無意味な嫌がらせという事になるが、腑に落ちない。


 どうするべきか考えている。

謝りに行くか?いや、現在どこにいるのかわからない。義勇兵が集まり、兵力が増したとはいえ、ユリス達に捜索隊を派遣する余力はない。



 扉がノックされる。

ベッドに寝転がっていた魁は、返事をしつつ体を起こす。

関節が軋むように痛む。扉を開けて現れたのは、魔法使いレオ。魁たちより若い、10代前半の少年だ。

彼は乾いた咳をする魁の姿に驚き、運んできたシチューをベッド脇のテーブルに置くと、駆け寄って身体を支えた。


「カイさん!具合は…今、ガストンさんを呼んできます!」

「いいから……いいんだ」

「でも」

「…大丈夫だ」


 魁は強いて笑顔を作る。

レオの不安は拭い切れなかったらしく、薬師ガストンを呼びに向かった。


 魁は緑の巨人に変身してしばらく、高熱で魘されていた。

全身に痛みが走り、一時は寝たきりだったが、現在は立って歩ける程度には回復している。

医術の心得があるガストンや僧侶シンシアによると、巨人に変身して戦闘を行ったことで身体に強い負荷がかかっているらしい。

恐ろしい、と思う反面、仕方ないと頷く自分が心の隅にいる事を、魁は悟っていた。


 これは罰なのだ。

クラスメイトを死ぬだろうなと思いながら、票を入れた自分への。

そう思うと、発熱も痛みも苦しくはなかった。アルコール中毒患者がいけないと思いつつ酒に手を出すように、魁はちびちびと苦痛を味わっていた。


 魁は食事にとりかかろうとベッドから立ち上がり、椅子を引き寄せた。

クラスメイトが戦場に出るのだ、後方で寝たままではいられない。食欲は無いが、何か腹に入れておかねば戦闘に耐えられないだろう。


「…?」


 喉に違和感を覚えた魁は、固形物を床に吐いた。

赤黒い結晶体だ。血の塊、魁にはそう見える。魁は胸に広がった諦めに取り合わず、足元の結晶を二度三度と踏み潰した。


 ローズ城から離れた林の中。

草間玲也と取り巻きの貝塚根井斗かいづかねいとが、村人風の男と会話していた。


「城から紫の煙が上がりますから、それを確認したら南南東の森を突っ切って、ヘジン城に向かってください。森を越えたら、赤騎士隊が貴方方を護送します。…2人だけですか?」

「そ、あんまりペラペラしゃべったらサー、ねぇ?」

「火竜が出てきて、蚊のバ――アンタんところの騎士が出てきて、もうやってらんないんスよ」

「グンナル将軍には、私からよろしくお伝えしておきます。お2人が別の人物を連れていた場合、この話はなかったことになります」

「はーい」


 玲也が密談をしていた頃、香織は家族と食事をとっていた。


『香織が話してくれた沢田君は元気?』

「うん。もう起きても大丈夫みたい」

『たしか、七帆ちゃんを守ってくれたんだっけ』

「うん。一度お礼言いに行こうかな…ねぇ、みんなさっきから食べてないけど……」


 ローズ城武器庫。

甲冑や刀剣が安置された闇の中、西条香織は冷えたシチューの前に座り込んでいた。


「なにここ…なんで私1人なの?」


 香織にはなぜ闇の中にいるのかわからない。

勢い良く立ち上がり、皿の中に足を突っ込み、顔から転んでしまった。


「お父さん!私だけおいて何処いったの…?お母さん……」


ありがとうございました。

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