北に向かう佳宏達
追放されるのがトレンドと聞いて。読む前に、以下の注意に目を通してください。
【注意事項】
・ハーレムは展開次第。
・デスゲームなし。
・俺tueee、チート能力。
・中二主人公。
・読みづらい。
・残酷な描写や暴力表現あり。
・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。
夜はイレーネに食事として、自らの血液を与える。
それから彼女がその気ならしばらく会話するか、蝋燭や月の明かりで読書をして適当な就寝時間まで過ごす。
血を与えているのは、エルフを襲われては追い出される恐れがあるからだ。
「お前、当たり前みたいに血を吸わせるよな。命が惜しくねぇのか?」
「えー、だってエルフとか襲ったり」
「襲わねぇよ。ひとっ走りすれば、人間だっているだろ」
確かにその考えはあった。
雑魚の兵士など、100人そろえてもイレーネの負担にはならないだろう。
しかし、あの七神騎のランディとかいう強敵がいるなら話は別だ。少なくともあと6人、同等の存在がいるはず。
奇妙な不死性と分身術がなければ、あの場で敗北していたと容易に想像がつく。
「ひょっとしたら死ぬかなー、って思いながら送り出したくないし」
「…舐めてんのか?」
「違う違う。俺は慎重なんだよ。最悪の状況は想定して動くべきだ」
「ふん…どの口で言うんだか」
昼間、佳宏はセレス達と共に、今後の方針を練った。
エルフ達は人間の領土侵略に乗り気でなく、佳宏とイレーネが攻め込み、人類を積極的に攻撃してくれる事を期待しているようだ。
イレーネがどう思うかはともかく、よほど口うるさく言われない限り、佳宏は鉄砲玉の役目を求められても気にしない。宿代と食事代と思えば腑に落ちた。
「北に向かってくれませんか?」
「北?」
「えぇ、帝国の侵攻によりガルダが数を減らしているようで。救援に向かっていただければ幸いです」
「ふーん、俺はいいよ。イレーネにも聞いてみる」
その日の晩には、2人は出発する事にした。
一応、街の守りとして、分身の佳宏…佳宏Bを置いてある。
「北の鳥人間なんかどうでもいいけどな。いっそこのまま帝国の中央を落としちまうってのはどうだ?」
「焦んなくても、帝国は逃げたりしないよ。俺らの速さなら、戦闘込みでも3日とかからないだろ?」
帝都ミレーユ…ボスステージに直行する前に、あちこち寄り道したい。
ダヌー伯爵が期待外れだったからエルフ達のもとに戻ったが、北方に侵略していた兵士達がまだ頑張っているとは夢にも思わなかった。
それに、各地の戦力を潰してから帝都に乗り込んだほうが攻略は楽だろう。たった2人で万を超す軍勢に囲まれるなど笑えない。
(ま、俺は別に攻略目的じゃないけど)
一通り観光した後、日本に帰還するのが佳宏の目的だ。
解放軍に参加したクラスメイト達には、帰還のあてがあるのだろうか?
「それはそうだけどさ。珍しい物が見つかったら、ちゃんと回収しといてよ?エルフには渡さないで」
「わかった」
途中、第1捕虜収容所の近くを通りがかった時に、佳宏は人の気配を感じ取った。
イレーネも気づいたらしく、近づいて様子を窺うと収容所は修繕され、運営を再開していた。
元々、建物自体には殆ど手を付けていなかった為、虜囚を置いておくには十分の状態が保たれていたのだ。
逃げ出した捕虜も半分ほどは捕らえられ、もう半分はその場で間引かれるか、女なら神殿に連れていかれた。
「あいつら…のこのこ戻ってきたのか」
「どうする、やるか?」
「この前は殺し損ねたからなぁー、取り過ぎないでよ?」
「わかった」
2人は意見を統一すると、第1収容所に夜襲をかけた。
壊滅して日が浅いからか、看守役の兵士の数は少ない。しかし襲撃を警戒してか、四隅には櫓が設置され、弓兵が交代で番をしている。
さらに装甲歩兵隊が常駐し、抵抗激しいエルフに睨みを利かせていた。
まさか彼らも、収容所の人員を殆ど殺害した黒髪の殺人鬼――佳宏が再び訪れると予想していなかった。
気炎を吐いて飛び込んだイレーネの期待に反して、クリフ教司祭の姿はなかった。
吸血鬼である彼女は呪物や神域に嫌悪感を抱くのだが、以前ほどキツくない。兵士を掃討し、管理棟に残っていた祭壇やクリフ帝国のシンボルを破壊。
「あ、あの……貴方方は?」
解放された捕虜達が恐々と集まってきた。
「エルフの手下。なにか用ですか?」
「いや、用というか…我々はどうすれば」
覇気のない口調で尋ねられ、イレーネは顔を引き攣らせた。
「知るかよ。こっちはお前らの親じゃないんだ、逃げるなりなんなり勝手にしな」
「籠城するのもいいんじゃない?装備は死体からとればいいし、ここって鶏とか育ててるでしょ?兵糧もあるじゃん」
捕虜たちは納得できない様子で顔を合わせ、身の振り方について話し合い始める。
この中には佳宏が最初に襲撃した際、逃げ出したが連れ戻された捕虜もいた。無策で逃げ出したとしても、捕獲部隊にあっさり確保されてしまう。
エルフに助けを求めるか?いや、聞いてはくれないだろう……空転する会議を背中にし、2人は物資を補給。北方を目指す。
ありがとうございました。




