セレスとの再会、麗しい娘は闘争がお好き
追放されるのがトレンドと聞いて。読む前に、以下の注意に目を通してください。
【注意事項】
・ハーレムは展開次第。
・デスゲームなし。
・俺tueee、チート能力。
・中二主人公。
・読みづらい。
・残酷な描写や暴力表現あり。
・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。
日が沈み、夜が収容所跡地に降りた。
帝国の応援が贈られてくるものと予想していたが、相手は不気味なほど静かだった。
夜になってまもなく、イレーネが地下牢から上がってくる。彼女は建物内を漁り、自らの衣装と所持品を確保。
ローブを捨てると、2人は連れ立って管理棟を出た。
「アンタ、これからどうするんだ?」
「エルフに知り合いがいるから会いに行って、その後は帝国の施設を襲撃するか、また放浪かなー…一緒に来る?」
「!――いいよォ、ついていっても。アンタでしばらく食いつなげそうだし」
イレーネが意地悪そうな笑みを浮かべる。
何かのパワーが佳宏の中に入り込むが、パワーは形になる前に解けて消えた。
「じゃあ、よろしく」
佳宏は問いただすことなく、笑んだ。
イレーネが魅了の魔眼を使ったのだが、佳宏の精神を揺らすには至らなかった。
「空から行くか。夜明けまでに街に着きたいし」
「了~解」
イレーネは無数の蝙蝠に変化し、宙に浮きあがった。
佳宏も黒い翼を広げ、四方に意識の指を広げる。およその方角は把握しているが、自信はない。
エルフの気配だ、エルフを見つければそちらが東。そうでなくとも、セレスに近づくことができる。
「あぐっ…!?」
目の奥に火花が散った。
脳髄を錐で疲れたような痛みに呻くが、引き換えにエルフの気配を見つけた。
「こっちだ……」
「本当だろうな?」
イレーネの飛行速度は、ルカと比較しても遜色ないスピードだった。
昼間の彼女は威すような口調に力が無く、弱々しかったが今は別人のように精力が漲っている。こちらが本来のイレーネなのだろう。
二人は20分ほどでナックル市を通過、人間は街を奪還できておらず、エルフが制圧しているようだ。エルフの戦いは、今のところ順調らしい。
「ついたよ」
「こんなところにいるのか?まだ境じゃないの?」
「ちょっと前に城館を落としたんだよ」
旋回すると高度を下げ、ナックル市の職人工房が並んでいた通りに降りる。
到着に気づいたエルフ達は警戒の面持ちで集まってきたが、佳宏に気づくと剣や弓を下げた。
男が一人前に出て、佳宏に声をかける。
「お久しぶりです、ヨシヒロ」
「お、覚えててくれたんだ!そっちは調子いいみたいだね」
「えぇ、連中が何度か入り込んできましたが、すべて追い返していますよ。セレス様は…」
男エルフが言い終えるより早く、風を切り裂いてセレスがやってきた。
透き通るように白い肌と、艶っぽい切れ長の目。以前とは着ているものが違い、膝下5㎝ほどのフレアースカートを履いている。
踝くらいまでを隠すエリンディアの一般女性達に比べると、露出度は高め。肉弾戦を好む故だ。
「久しぶりですね、ヨシヒロ。お変わりないようで…」
セレスはしなやか足取りで佳宏に歩み寄ると、その身体を包むように抱擁した。
皮膚に感じる乳房の感触に、佳宏の口元がわずかに緩む。遠慮がちに肩を掴み、引き離そうとするとセレスは抵抗なく離れた。
右手首を掴むと、佳宏の掌に視線を落とす。
「あれから随分と励んだようで」
佳宏は既に、不老と化している。
停止しているのではなく、イメージに応じて外見が変化するのだ。イメージすれば、可塑性に富んだ身体が瞬時に新たな器官が形成する。
不老というのも間違いではなく、10代後半の状態をベースとして、相当の窮地に陥らない限り、パフォーマンスが落ちることはない。
現在の彼は、狩猟と闘争に明け暮れたことで、戦いに最適化されつつあるのだ。セレスは身体に刻まれた、闘争の痕跡を見て取ったのだ。
イレーネは不快そうに抱きしめられた佳宏を見ていた。
セレスが自分に向けて双手を広げると、眉間の皺が深くなる。イレーネは抱擁を拒絶し、後退った。
「とって食べるわけじゃありません。怖がらなくても大丈夫ですから」
「ハァ?怖がってねぇだろうが……ほら」
「どうも」
佳宏にした時と同じように、セレスはイレーネを抱きしめる。右手を観察してから、彼女を解放した。
「このまま旧交を温めても良いのですが、もう遅いですし、先に本題に入りましょうか?」
「あー…住む所用意してくれない?部屋を2人分。対価が必要なら、仕事をくれれば手伝うよ」
「おい」
イレーネが鋭い声を投げた。
「構いませんよ。お二人のような素敵な方なら――」
「待て、待て」
「なに?」
イレーネは承服しかねるといった表情で意見する。
会いに行くとは聞いていたが、住むなどという話は一言も聞かされなかった。
佳宏からすれば、いま思いついた要求なので、事前に話せるはずないのだが。
ありがとうございました。




