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1人、山歩きに飽きて

追放されるのがトレンドと聞いて。読む前に、以下の注意に目を通してください。


【注意事項】


・ハーレムは展開次第。


・デスゲームなし。


・俺tueee、チート能力。


・中二主人公。


・読みづらい。


・残酷な描写や暴力表現あり。


・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。


 佳宏は南東に進路をとった。

北に向かうのもいいが、あまり見所はないように思う。

セレスの様子を見たかった事もある、自分が離れた後、無事ならいいが。


(強いのはわかるけど、戦闘と戦争って違うしな)


 大軍を1人で相手取った経験があるからわかる。

炎で焼き、風で切り裂いても湧いてくる敵。これまで何人くらい倒しただろうか、1000は言い過ぎだろうが、100は超えていると自信を持って言える。

精神感知で敵の居所を探りつつ、山越えを敢行。


(敵出るなよ…敵出るなよ……)


 緑に覆われた峻険な尾根を伝い、峠道から見つからないように進む。

姿を隠せるような草叢や樹木はなく、相手の位置次第では一瞬で見つかるだろう。

鹿らしき有角の生き物を見つけるや否や狩り、腸を捨てて血を抜く。肉の冷やさなければならないのだが…。


(クッソ、水源が無い!)


 佳宏は悩んだ末、冷風をあててみることにした。

冷凍庫の中のごとき凍える風が、念力によって吊り上げられた鹿の身体にあてられる。

今しがた捌いた動物の死体の匂いを嗅ぎつけたのか、四方から虎と人間を掛け合わせたワータイガーが5体近づいてくる。


(邪魔ばっか入るなぁ!!)


 唸り声と共に1体が前足を振るう。

これを受ける気は佳宏には無い。残影を引き連れた幽霊と化して疾走――縮地だ。

体感で瞬き一回ほどの間に、佳宏は尾根の麓近くまで降りた。鹿の死体が視界から消えている。

戦闘を重ねるにつれ、佳宏の視聴覚は人間の限界値に近づきつつあったが、縮地の超スピードを制するには至っていない。


 凄まじい勢いで駆け上った時、3体の人虎が血を抜いていた鹿に舌鼓を打っていた。


(それ俺の飯!!)


 背中のあたりから、空気をジェットのように噴射させつつ突進。

佳宏は右拳を突き込む。拳打の威力は凄まじく、脊椎を穿たれたワ―タイガーは鹿の死体と共に尾根を転がっていった。

念力は解いていなかった。鹿肉を吊る不可視の力を、己の筋力によって千切ったのだ。

この時、佳宏はワ―タイガーの外皮が甲冑以上の強度を持っているらしいと、右腕に残る痺れと共に悟った。


 中身をきっちり詰まったサンドバッグを殴ったようだ。

残る2体は向き直ると咆哮を上げ、強靭な顎を開き、噛みつきを試みた。

地面を蹴り、これを難なく避けると佳宏は円を描くように、左手にいる1体の側面に移動。

上体を倒し、横蹴りで脇腹を貫いた。


 2体目と入れ替わりに、無傷の3体目が突進。

瞬間、2体のワ―タイガーと佳宏の間で、オレンジ色の閃光が迸った。

炎熱が弾け、1人と2体を呑み込んでいく。炸裂と同時に、黒髪の人影が転がるように飛んできた。

炎は造物主である佳宏を避け、襲撃者であるワ―タイガーを溶解、気化させた。発生した衝撃波が周囲20mほどの土や埃を巻き上げ、あたりは暗くなった。


 佳宏は逃げるようにその場を後にすると、尾根伝いに東のタッカー地方を目指す。

歩き出して10分ほど経った頃、近づいてくる反応に気づく。その場に佇み、待ち受けていると翼の生えた若い男が5名、佳宏を囲むように現れた。


「黒髪の男!如何なる目的で山を踏み入らんとするか?」

「東の…知り合いのエルフに会いに行こうとしてるんだけど」

「貴様は人間の軍と戦っているだろう」


 佳宏は一瞬、目を見張った。


「そうだけど、あれ見てたんだ?あなた方はガルダって種族かな」

「そうだ。見ていたとも、山の一部を火炎によって焼いたのも見たぞ」

「あれは…不可抗力だ、仕方なかったんだ。それよりいいかな、お腹空いててさ」


 5人のガルダは視線を交し合うと、翼を一打ちして飛んで行った。

去り際にちらりと視線を送ってきた……見ているぞ、という事だろう。実際の心情は不明だが、食料を恵んではくれなかった。

けち臭いのは結構だが、狩りの邪魔はしないでほしい。


 佳宏は2日半ほど歩いたところで、フロストマーチの境目まで到着。

空を飛んで位置を確認してみるが、見覚えのある建物は周囲にはない。


(最悪だよ畜生…)


 道中、野鳥の肉やベリー系の果実を食べて飢えを凌ぐことができた。

しかし…いい加減、人の手が入ったものが食べたい。シチューとかスープが飲みたい。

バーハラ市では兵士があちこち動き回っていたから、固焼きのパンを1斤くすねるので精一杯だった。


 佳宏は限界まで精神探知を広げる。

その時、西南の方角に人の反応を見つけた。佳宏はちょっと考えてから、そちらに向かった。

東行きのルートからは外れるが、文明が恋しかったのだ。背に腹は代えられぬ、人家か都市の入り口か、チーズでも恵んでくれればいいのだが。


ありがとうございました。

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