ドラゴニュートとの別れて1人旅
追放されるのがトレンドと聞いて。読む前に、以下の注意に目を通してください。
【注意事項】
・ハーレムは展開次第。
・デスゲームなし。
・俺tueee、チート能力。
・中二主人公。
・読みづらい。
・残酷な描写や暴力表現あり。
・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。
佳宏の前にいるのは、フレッドただ一人となった。
彼は既に落馬していたが、槍を見事に操り、佳宏に少なくない負傷を与えていた。
人外の頑健さを頼みにしての特攻は佳宏からすれば美しい戦い方とは言えない。しかし長いリーチを掻い潜り、フレッドに打撃を与えるのは困難だった。
(つえー、こいつ…)
痛みは平気だが、倦んできた。
力を出せば殺害する事は出来よう、しかし自分の技量の限界値を教えられているようで癪だ。
佳宏の集中力が切れかけている一方、フレッドの体力も尽きかけていた。肩で呼吸している有様だ。
フレッドは長槍を左に払い、喉笛と左足の付け根目がけて突き込む。
疲労困憊でありながら、彼は一呼吸で一連の動作を終えた。後退して横払いを躱した佳宏に、二連突きが襲い掛かる。
バックステップの直後ゆえ、反応が遅れた。佳宏は首への突きに右拳を繰り出す。
佳宏の拳は槌矛のごとき堅牢さを誇り、穂先と衝突しても砕けることはなかった。
槍を弾かれたフレッドだが、疲弊した身体に鞭打ち、左足の付け根…股関節に刺突を放つ。
(ままよ!)
相手の体幹がぶれていたからか、佳宏はフレッドの刺突を避けることができた。身体を捻り、距離を広げつつフレッドの左手に移動する。
(つれぇわ)
素手というだけでこれほど苦戦するとは。
技量の差は承知しているが、身体能力で埋められないほどのものなのか?
(武器が欲しいな)
今から剣術だの槍術だのを修行しようとは思わない。
素手の戦いが一番、性に合っている。自分の手足で相手を屈服させるのが、最も優越を感じることができるのだから。
だから、あの長槍を一撃でたたき折れるようなものを。
佳宏の渇きに、無尽蔵に湧き出るパワーが応えた。
左腕が疼き、掌から何かの柄が突き出る。佳宏は予感を抱きながら、それを乱暴に引き抜く。
痛みはない。水面から垂らした釣り糸を引き上げるよりもスムーズに、お待ちかねの品が現れた。
それは戦斧だった。
先端は9本の葉を象った肉厚の金属刃が扇形に並んでおり、それは柄を引き抜いた瞬間に物質化したものらしい。
手にずっしりと重さを感じるが、自宅にある木刀と同程度。振れないほどではない。右手の戦斧を順手に持ち変え、佳宏はフレッドに斬りかかった。
槍とヤツデの斧が交わる。佳宏のストレートな軌道が長槍を叩き折るが、フレッドは折れた槍の柄をそのまま突き出してきた。
右顔面に打突を受け、のけぞった佳宏にフレッドが飛び掛かる。
佳宏は組み付いてきた騎士を難なく振り回し、地面に向かって投げ飛ばす。
マウントをとった佳宏の拳が突き下ろされ、三発目が打ち込まれる寸前にフレッドの思考は途絶えた。
アナンタの刀を得たルカ含むドラゴニュート達も、佳宏が帰るころには帝国のエルバ侵略軍を壊滅させていた。残党狩りが山林を走り回っているころだと、ジェダイヤが説明してくれた。
「ルカが世話になったな。感謝する」
「いやいや、こっちのほうが世話になったから気にしないでよ」
夕方から宴が催され、佳宏も招かれた。
猪や野鳥の肉が佳宏の為に焼いた状態で出され、木の実や香辛料を使ったソースがかかっている。
余興として曲芸や笛の演奏が行われ、佳宏はナッツや木の実を齧りながら眺めた。
その夜はドラゴニュートの集落に泊まり、翌朝に出発する佳宏は送り出すべくトカゲ頭の男女が集落の入口に集まった。
「ごめんな。あれだけゴネたのに」
ワイバーンに変身し、帝国の軍勢を壊滅させたことで満足したのだ。
人間の領土に攻め入るより、同胞と共に土地を守る気持ちが強くなった為、2人はここで別れる。
神殿で手に入れた宝は全て置いていく。人間の店に持っていっても売れないなら、子孫である彼らが持っているべきと考えたからだ。
「別にいいって。また、近くに来た時は寄るよ」
佳宏は優しい微笑を浮かべ、集落を後にした。
振り返っても入口が見えなくなった所で黒翼を広げ、北に向かって飛行する。ソニア山脈上空を通り過ぎながら、佳宏は今後の方針について考える。
現在の目標は2つ、セレスと同等の体術を身に着けること、エリンディアをあちこち見て回る事。
解放軍にいるクラスメイトの前に顔を出すのはもう少し後だ、凝ったシチュエーションで顔を出して、度肝を抜いてやりたい。
(そういえば、マクリルの町で聞いたな…)
フロストマーチ地方のダヌー伯は解放軍に呼応し、帝国と戦っているのだったか?
直近の目標は決まった。佳宏は伯爵の領地を目指して、黒翼を一打ちする。
ありがとうございました。




