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ローズ城攻略戦―飛び立てないクラスメイト達―

追放されるのがトレンドと聞いて。読む前に、以下の注意に目を通してください。


【注意事項】


・ハーレムは展開次第。


・デスゲームなし。


・俺tueee、チート能力。


・中二主人公。


・読みづらい。


・残酷な描写や暴力表現あり。


・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。


 佳宏は放っておいても問題なしと、迂回路をとっていた騎兵隊の前に出現。

ジェダイヤ達ドラゴニュートの攻勢激しく、彼らは今まで集落に発見できていなかった。

生き残りから報告を受けていたシロプフは、佳宏を見て声を荒げる。


「貴様は!」

「黒髪の殺人鬼!」


 首を軽く捻るも、佳宏は深く考えずに向かって行く。

おおかた、以前の戦いの生き残りだろう。随行の歩兵を間合いに入れるとローキックで脚を断ち切り、馬上のフレッドに躍りかかった。



 佳宏とルカの蹂躙劇と前後して、ユリス達解放軍はローズ城の正門を目指して進軍していた。

城をルービス中央攻略の前線基地とするべく進む解放軍を、クリフ帝国のドリアン公爵が待ち受けていた。

ニムバからローズ城までおよそ2日、ぶっ続けで進んでいっては体力が持たない。


 途中、野営を挟みつつ彼らは進む。

穀倉地帯であるニムバが再び敵の手に落ちる危険性を考慮して、街には1000名の兵士を残してある。

街で略奪を働いた場合は、敵として討つとユリスは彼らに言い含めた。


 解放軍のテントから離れた林の中に、香織の話し声が響く。声量は抑えているが、楽しそうな声色だ。


「あ、お母さん?私」

『香織!電話してきて大丈夫なの?』

「平気。今、テントから離れてるの」

『ちゃんと食べてる?怪我とかしてないでしょうね?』

「大丈夫、今まで怪我した事無いんだから、皆守ってくれるし」


 香織は木の幹を背に座り込んでいる。


「うん、明日はまた戦いになるみたい……七帆は元気だよ、杉村君のこと気にしてるみたい」


 香織は耳にスマホを当てて、『母親』と話していた。

二人の談笑はそれから30分近く続き、誰にも悟られることは無かった。



 黒沢利樹くろさわとしきは野営地の隅で、呆けた顔で座っている魁を見かけた。

空手を10年ほど続けており、やや頬骨の出た、眼差し鋭い長身は、クラスで強面の部類に入る。


「起きてたのか?顔色が悪いぞ」

「そうか?…眠りが浅いからかな」


 魁は座ったまま呟くように言うと、視線を地面に落とした。


「眠れないなら、ガストンに薬でももらったらどうだ?お前は前線に出るんだから、明日辛いぞ」

「そうだな…」


 魁は大儀そうに立ち上がると、薬師ガストンの元に向かった。

同じ頃、啓太は紅髪の少女――ミネルバと話し込んでいた。彼女は啓太に与えられたチート能力の産物である。

高い戦闘力を持つヒロインを呼び出す力、明確な自我を得ている代わりに、高い自立行動力を得ている。


「犬塚ってさ、絶対あのー、ミネルバだっけ?やってるよな」

「寂しすぎるww」

「そうかー?んな度胸ないだろ?」

「誰か聞いて来いよww」


 玲也は親しい男子達と同じテントで、修学旅行中のように駄弁っていた。

茶髪を顎のあたりまで伸ばした、線の細い女顔の男。鼻は高く、顎は小さく。

大きな瞳は猫のようにつぶらで、彼より不細工な女子が学校では大半。指はピアニストのように細いが、学校ではテニス部所属だった。


 夜が明け、解放軍は翌日の正午過ぎにローズ城前に到着した。

ユリス達が陣取る西側は平野になっており、北には森。東側の高台に、ローズ城は建てられている。

北東に岩山があり、衆目から隠れる位置で大きな洞窟が口を開けていた。

彼らの間を細い川が縫うように走っており、それぞれ橋が掛けられている。その大部分は使わない、どれほど遠回りしても、2本で城のある丘の始点に辿り着けるだろう。


 ドリアン公爵は解放軍到着の報せを聞き、顔を歪ませた。


「反乱軍どもめ、ニムバを落とした挙句、我が領内にまで入り込んでくるとは!」

「は…ですがこちらも備えは万全。城の前面に我が金牛騎士団と魔道士隊。加えて、中央が送ってきた飛竜大隊とクリフ教のボルボ司祭一行が既に配置についております。それと…ディマンシュ様がこちらに向かっていると」

「帝国の魔戦士か。得体が知れなくて好かんのだが、味方と思えば心強いか」


 ユリス陣営も、斥候がもたらす情報により敵の配置をほとんど把握していた。

ドリアン公爵が展開する戦力以上に、飛竜大隊が頭を悩ませる。解放軍の弱点の一つが、航空戦力の貧弱さだ。

クラスメイトの中には、玲也を始めとして幾人か、飛行能力を備える者達がいる。

彼らの力により、安全地帯を確保しつつ、城に向かって歩を進めていく。


「さかきさーん!具合悪いの?」

「え?う、うぅん…」

「そんなにぼーっとしてたら向こうで死んじゃうよ?それじゃ、また!」


 涙袋が特徴的な榊恵さかきめぐみは曖昧に頷いた。

玲也に声を掛けられた瞬間、彼女の心臓はドクンと強く鼓動を打った。

彼は端正な顔立ちをしており、エリンディアに来る前なら、きっと照れたかもしれない。

しかし、今は違う。クラスメイト達は等しく人殺しとなり、恵自身、10人はこの手にかけた。


 恵の得た力は飛行力を与える鉤爪だ。

よりにもよって、前線に送られるに足る武器。

これが銃だったなら、いやそこまで贅沢は言わない、リーチのある槍だったなら。

ほぼ素手と変わらないリーチでは、相手の顔が見えてしまうではないか。


(あの人おかしいよ!なんであんなに明るいの!?)


 殺したくは無いが、殺さねば追い出されてしまうかもしれない。

ここでは恵は学生ではなく、異世界から来た聖騎士様なのだ。人の都合お構いなしで呼び出した挙句、戦えなんてどうかしている。

恵は懐に忍ばせた定期入れに手をやった。そこにはお気に入りのアイドル、ドラスティックブラザーズのゴウちゃんの写真が納められている。


(ゴウちゃん、助けてゴウちゃん……)


 恵は怯えていた。

続く緊張と疲労、鉤爪が伝える血と肉の感触。まるで夢の中にいるみたいだ。


ありがとうございました。

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