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ルカの新しい力、竜変身

追放されるのがトレンドと聞いて。読む前に、以下の注意に目を通してください。


【注意事項】


・ハーレムは展開次第。


・デスゲームなし。


・俺tueee、チート能力。


・中二主人公。


・読みづらい。


・残酷な描写や暴力表現あり。


・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。


 2人は壺のある部屋を出て、探索を続ける。

巨大な円盤の連なりを黒い翼に収めると、純金の首飾りと情報が頭に浮かんだ。

鋼鉄の剣や宝石のほか、巨大な蛇のようなもの――嵐の鞭などが発見されたが、そのどれもが大きすぎる。


「おい、これ失敗だろ……」

「うん…俺らの体格じゃな」


 1階に降り、だだっ広い神殿内を歩き回る。

上階の女達の声は無く、2人の足音だけが響く。フロアの中央にあたる部分に、佳宏達は祭壇を見つけた。

ドラゴンの首がざっと100は両側面に彫り込まれ、間に佳大の上半身ほどある巨大な牙が1本鎮座している。

ルカは祭壇に歩み寄り、下部に嵌め込まれた石板に刻まれた文字を目で追っている。


「牙?」

「アナンタの牙だ」

「アナンタ?」

「大陸を治めていた竜王だ。ここはアナンタを祭る神殿なんだ。地下に宝が隠してあるんだとさ、行ってみよう!」


 佳宏は訳も分からぬまま、ルカの後に続く。

拝礼の間を出て、その右脇の通路に走る。突き当りにあったのは円形の部屋。

床には直線と曲線の混じったラインが無数の走り、中央部分に円が描かれている。ルカは掌を切り、血を円に落とす。

部屋が震え、円が沈み始める。


(エレベーター…?)


 腹の底を突き上げる感覚。

時間にしてほんの10分ほど経ってから、浮遊感が収まった。

一条の光も差さぬ無明の闇、佳宏の鋭敏な目には、周囲に巨大な空間が映っていた。

空間には小山のように大きな大蛇が一匹――石像だ。


 ルカは吸い寄せられるように石像に歩み寄る。

両者の距離が5mに縮まった時、石像が生き物のように動き、大蛇がルカに噛みついた。

ドラゴニュートの身体が持ち上がるのを、佳宏はドキドキしながら見守る。



 ルカが絶叫する。

同時に目も眩むほどの光が迸ったが、2~3秒程で収まった。

竜の首はドラゴニュートを離すと、元の位置に戻った。空中に投げ出されたルカは軽やかに着地、その手には一振りの刀が握られている。

鱗で覆われた峰から短い角を生やした、幅広の刃は煙のように消える――再び出現した。


「それは?」

「アナンタが残した遺産…だって」


 ルカは新たに得た刀――アナンタを身体の前に掲げる。

再び光が迸る。先程のそれが360度に放射する無秩序なものであったのに対して、今回のそれはルカの頭上を目指し、火柱となって昇っていく。

同時にルカの身体が巨大化。光が晴れた時、ルカの姿は大きく変化していた。


 鱗で覆われた皮膚は厳めしさを増し、今や火山の表面と化している。

両腕は長く、コウモリの翼と化している。コウモリの前足において親指にあたる位置に、隕石のように節くれた手がついている。

旅装束は変身に巻き込まれたのか、今のルカは一糸も纏っていない。頭からは小さな角が大小含めて8本、放射状に尻尾に向かって伸びている。

佳宏の上半身ほどある頭部についた小さな目が、黒髪の異邦人を見下ろしていた。


「ドラゴンだ――!!」


 佳宏は感動と驚愕を顔いっぱいに表す。


「ド、ドラゴン…おぉ、あれ!?手が!?」

「手っつーか、めちゃめちゃ大きくなってるぞ!」

「うん、どうしようこれ!?」


 ルカが不安に声を震わせると、変身の光が小さく放たれた。

あっという間に巨体が縮み、その場にドラゴニュートが現れる。


「これならあいつらだって…ヨシヒロ、戻ろうぜ!」

「戻る?」

「故郷にだよ、ジェダイヤ達が下手うってないとも限らないしな」



 先程のエレベーターに乗り、1階に帰還。

そのまま正面出入口に向かおうとしたルカは、足を止め、2階に向かう。

囚われていた女達を近くの街まで送っておきたい。同胞ではないにせよ、ここに放っておくのも些か気の毒だ。

ルカ達は2階の部屋に戻り、救出する旨を告げるが返事したのは1人だけ。人質にとられていた女だ、今は長い布切れで身体を隠している。


 佳宏が黑翼を広げ、近づいていくと身を引いた。男に触られる事に拒否感があるのだろう。


「いい!自分で歩くから…ほら」


 女は正気を失った風の女達を立たせ、歩かせる。

6名の内、返事をした1名を除いて3名は無言でこそあったが、自発的に歩き出した。

じれったく思いつつ、佳宏は女達が出てくるのを待つ。数十分かけて神殿の正面から出た佳宏は、地上に伸びる大階段を見下ろす。


 高く、そして広い。踏面およそ120cm、蹴上およそ110cm。


「これ降りるの?」

「高っか…果てしなく続いてるみたい」


 時刻は夕暮れに差し掛かっている。

先程の調子で歩いていたら、階段の上で野営する羽目になりそうだ。

何かいい手はないか、考えを巡らせている時、ふと答えが降りてきた。


 佳宏は女達を風の触手で掴み、運ぶことにした。

風は動かなかった。代わりに透明な何かが、彼女らを宙に持ち上げる。文句を言う者もいたが、口を塞がれると静かになった。

エリンディアでは霊感の発達した者なら強弱はあれど誰でも使える、佳宏達の出身世界にすら存在した力――サイキック能力である。


 佳宏は黒い翼を背中から呼び出し、飛翔。

ルカもアナンタの刀を体内から召喚すると、ワイバーンに変身。空から発見した街の近くで降ろすと、エルバ地方に向かって飛び去った。

完全な竜と化したルカの速く、眼下の景色が帯状に後ろに抜けていく。羽ばたきが起こす突風から逃れるべく、佳宏は竜の頭上を進む。

精神探知の網を広げたまま、佳宏は飛行。耳元で音が轟いている。


(気持ちいい…バイク転がす奴らの気持ちがわかるわ)


 1時間ほど経ってから2人はエルバ地方に帰還、沼沢地を進んでいく歩兵軍を発見した。


「あいつら!」

「何?――帝国兵みたいだね、行く?」

「当然!」


 佳宏とルカは隕石のごとく突っ込み、シロプフ指揮下の歩兵団に襲い掛かった。

魔道士部隊が突如現れたドラゴン目がけて、風の刃や火球、光の矢を撃つ。それらはルカの口腔から放たれた、ブレスに呑み込まれた。

炎や稲妻のような激しさはない、青と白の螺旋が歩兵団を舐め尽くす。弓兵が放った矢が皮膜に殺到するも、大部分は届かない。

もっとも、届いたとて刺さりもしないのだが。


ありがとうございました。

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