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盗賊から逃げ切り、竜の神殿へ

追放されるのがトレンドと聞いて。読む前に、以下の注意に目を通してください。


【注意事項】


・ハーレムは展開次第。


・デスゲームなし。


・俺tueee、チート能力。


・中二主人公。


・読みづらい。


・残酷な描写や暴力表現あり。


・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。


 図らずも尾行者を振り切った2人は、竜の神殿を目指して進む。

ルカ曰く、ドラゴニュートは竜の領域に近づくと、血がそれと教えてくれるらしい。

佳宏は胡散臭く感じたが、魔法が戦場で飛び交う土地で疑ってかかっても仕方が無いだろう。


「あのさ、ドラゴニュートと竜は何か関係あるの?」

「えぇ?まぁ、知らないか」


 ルカは竜とドラゴニュートの関係について語った。

ドラゴニュートは簡単に言うと、種としての寿命を迎えた竜が長い時間を掛けて変化したものだ。

嘗て全世界の空を我が物顔で飛び回っていた彼らは、個としての能力の高さに対して、発展性に乏しい。

彼らが個体数は減り、思考力や記憶力が落ちる者すら現れ始めた。


 竜たちの間で、この問題は大きく取り上げられた。

やがて2つの意見が、彼らを真っ二つに割る。竜の力を削り、ニンゲンとなるべきという意見と、このまま竜としての生態を維持するべきという意見だ。

ある種の科学的変化を用い、人間となったのがルカ達ドラゴニュートの祖先である。

後者はやがて悉くが知性なき巨獣となり、辺境で群れを維持するのみとなった。特に力のない者達は、人間によって騎乗用の生物として飼育されている。


「で、エルバ地方の外にある竜の神殿に入って、お宝があれば回収しちまおうて思ってんだ。人間の手に渡したくないしな」

「そうそう、君らって寒い所に弱いんじゃないの?」

「舐めんな。それくらいの備えはしてある。おかげで食う量が増えたんだけどな」

「えらい。じゃ、行こうか」


 佳宏が探知網を張るが、鳥獣や魔物しか引っ掛からない。

人間らしい反応があったので近づいてみると、身体の腐敗した騎士――ゾンビナイトの群れ。

見るのも悍ましく、佳宏は指一本触れる事無く、自身の頭部と同じくらい大きな火球を投擲して焼き払った。



 1日後、ルカが反応を示した。近くに竜の領域があるらしい。

佳宏は期待に胸を膨らませながら、ルカの案内に従って歩いていく。

4時間ほど近づくにつれ、佳宏にもドラゴニュートの感応の正確さがわかった。人間の反応が2か所に固まっている。

何らかの施設があるのは間違いない。佳宏とルカは鬱蒼とした森の中を忍んで進み、古びた神殿を見つけた。正確にはその石積部分が。


 風雨の染み込んだ塁は一つの石から切り出されたとしか思えないほど滑らかな表面をしている。

しかしあちこち罅が入り、ロクに手入れされていない事が伺える。森からでは施設が見えない。10分ほど引き返してから、佳宏がルカを抱えて飛ぶ。すると建物部分が見えた。


 円柱が彫り込まれた外壁は、ギリシャ建築のような雰囲気を漂わせている。

2階建てなのだが、1階部分が箱型であるのに対して、2階部分は山の字を寝かせたような形になっている。

柵がある事から、展望台になっているらしい。そしてなにより、竜の神殿だけあって施設は巨大だ。

西に数百mの位置に砦が置かれている為、その巨大さがまざまざと感じられる。砦は石塁の中に4つは収まりそうなほど、小さく感じられた。


 ふと、佳宏は展望部分に人が立っている事に気づいた。

最初は蟻のようだが、佳宏の視野が気付いたようにピントを合わせてくれた為、それが人間であるとわかった。

山の字の突端に1名ずつ、階段に目を降ろしている。あの切り立った崖を登ってくる者はおるまいと踏んでいるのだろう。


「誰だありゃ…」

「見えるのか。竜の宝は既に持ち去られてそうだな」

「ハァ?冗談じゃねぇよ、俺のご先祖のものだ。取り返す」

「やるんだな?」


 ルカが頷く。

トカゲの頭からは表情が読み取りづらいが、他者の精神を読み取れる佳宏はルカが緊張していることがわかった。


 佳宏はルカを抱えたまま、神殿の2階部分上空に飛ぶ。

見張り役の盗賊3名の視界に入らぬよう、彼らの後方に空いたスペースにルカを降ろし、自身も降りる。

佳宏は物音に気付いた見張り役の元に走り、風の刃で首を跳ねた。



 建物内への入口はすぐに見つかった。

見上げる程大きな門柱の間に扉は無く、雨風が吹き込んだなら遮るものは無い。

しかし、人間ならばたいした問題にはならなそうだ。幅が2車線ほどある広大な廊下を見れば、扉が砕かれている事など些細な問題と思える。

人の手が加わったとしか思えぬ内装と、人間が済むには適さない巨大さ。


(見れば見る程狂気じみてるなアハハ…来てよかったァ、マジで)


 佳宏は笑いを漏らす。これほどの衝撃がまだまだ味わえるなら、つくづく放り込まれた良かったと思う。

20名の盗賊が駆けてくる。彼らは剣を抜き、果敢に立ち向かってくる。佳宏は歩幅を緩め、ルカに狩らせる事にした。

ルカは敵集団との距離が8mを切ると、それを一息で詰めた。瞬間的にだが、新幹線並みの速度が出ていたかもしれない。間合いに入ったゴロツキを、ルカの刀が横薙ぎにする。

若きドラゴニュートは刀を振り切ると同時に左に跳び、次の獲物目がけて刀を袈裟懸けに斬り込む。


 避けきれないと踏んだ盗賊は刀を剣の軌道上に持っていき、弾き返しを試みる。

刀は立ちはだかった剣諸共、盗賊の身体に埋まった。両刃であった事もあり、左胸部を中心に盗賊の身体が十字に裂ける。


(やるじゃないか、ルカ)


 心を読むまでも無い、気魄の漲った剣舞に佳大の血潮も昂る。

黙ってルカの戦いを見物していた訳ではない。最初の一人目を譲ると、首を狙って剣を振るった盗賊に、打ち下ろし気味の上段蹴り――マッハ蹴りを浴びせた。

盗賊が剣を振り抜くより早く、雷速で左足が弧を描き、盗賊を薙ぎ倒す。その頸骨は両断され、血液が舞い散った。


「お、冗談じゃねぇ!!」

「うわ、わわ!」


 盗賊の士気は瞬く間に底を割った。剣を落とし、散り散りに逃げ出す。

追って行ったルカの後ろに続く佳宏は、一塊になっている人間の反応を気にしつつ、逃げた盗賊達とルカの側に達した。

ルカに追い討つつもりは無く、彼らが盗んだ宝の在処について聞き出そうとしているらしい。


ありがとうございました。

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