盗賊トリスタン追跡、ニムバを後にして
追放されるのがトレンドと聞いて。読む前に、以下の注意に目を通してください。
【注意事項】
・ハーレムは展開次第。
・デスゲームなし。
・俺tueee、チート能力。
・中二主人公。
・読みづらい。
・残酷な描写や暴力表現あり。
・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。
夜、夕食を簡単に済ませた佳宏はベッドに横になる。
ルカは床に座り込んで眠る。一人部屋をとったので、彼の分のベッドは無い。
黑翼の中にいる事を勧めたが、彼は拒否した。
独りで二人部屋をとるのは怪しいだろう。怠け者の小屋に団体客向けの部屋があり、そちらからコソコソと物音が漏れ聞こえてくる。
(こっちの話し声も聞こえてるのかな…やっぱ)
自分の耳が鋭敏なだけと期待しつつ、思索に耽る。
宿近くの通りを、トリスタンが数を減らしつつある通行人相手に聞き込んでいた。
すっかり日が暮れたが、件の2人組がこのあたりを歩いていたらしい事迄は分かった。
店主に話を伺うが、彼を顧客情報を流すのを渋った。
プライバシーの概念が現代より希薄とはいえ、宿としての信用に関わる。
このあたりは、トリスタンが前線で活躍していない…というより戦場に出ていない事も原因の一つだが。
なにせ彼は盗賊。野戦では出番がない。
トリスタンが部屋を取ると、店主はまた渋い顔をした。
客に聞き込みをして回る物と踏んでいるのだ。彼もそうしたいのは山々だが、ユリス達がまだニムバに滞在している手前、無茶はしたくない。
明日の朝いちばんに起き、客を見張る事にした。
翌朝、佳宏はルカを体内に隠したままチェックアウト。
その数時間前にユリス達はニムバを後にし、ローズ城を目指して進軍を開始していた。
トリスタンは――黒髪の東洋人を目撃する。
ハレン大陸にいる人類種は大きく分けて2種、個人差はあるが肌や瞳の色が薄く、鼻が高く唇が小さい北部人。
北部人より概して髪の色が濃く、彫りの深い顔をした南部人だ。
(おいおいおい、どういうことだよ…)
トリスタンは面食らってしまった。
魔法使いレイが招いた異邦人たちの顔は、すっかり覚えている。軍から脱走したものではない。初めて見る顔だ。
アーヴァイン、デニスのどちらともまるで別人だが、トリスタンの心に強く引っ掛かる男だ。
佳宏はロビーにいたトリスタンに気づく事なく、ニムバを後にする。
彼は日本にいた頃からこんな調子である。通行人に気を留める事無く、一目散と呼んでいい程に足早に歩くのが常だ。
エリンディアに来てからは気をつけているのだが、敵と判断できなければ即座に眼中から外す。そもそも、トリスタンに用が無いし、佳宏は彼の事など目に入った瞬間に忘れている。
佳宏はニムバから北に30分ほど進み、茂みの中で黑翼からルカを取り出した。
再び2人旅になった彼らが渓谷に差し掛かった頃、巨大な猛禽類が3体襲来してきた。
頭と首には羽毛が生えておらず、コンドルに似ている。
佳大とさして変わらない体格を持ち、鉤爪はナイフのよう。運悪く、2人は谷間に渡された吊り橋の半ばに立っていた。
「おい、ヨシヒロ!」
「逃げる!」
佳宏はルカを捕まえると巻き起こした風に乗り、滑空。橋の北側の森に逃げ込む。まもなく羽音は遠ざかっていった。
「諦めた…?」
「らしいね。いやー、焦った」
2人に気取られないよう距離を置いていたトリスタンは、置き去りにされた形となった。
だが、気落ちする事無くローズ城目指して駆けていく。報告に値する情報は手に入ったからだ。
ドラゴニュートと行動している異邦人。先程の飛翔を見るに、30数名と同じように加護を得ているらしい。どう考えてもトリスタン1人の手に余る相手だ。
ありがとうございました。




