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2人組の正体を探れ

追放されるのがトレンドと聞いて。読む前に、以下の注意に目を通してください。


【注意事項】


・ハーレムは展開次第。


・デスゲームなし。


・俺tueee、チート能力。


・中二主人公。


・読みづらい。


・残酷な描写や暴力表現あり。


・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。


 夕刻に入った頃、解放軍は出発の準備を整えた。

交代で見張りに立ち、朝まで過ごす。緊急の報せでも入らない限り、夜間行軍はしない。

資本力で劣る以上、兵に疲労を強いることはできないと解放軍リーダーのユリス皇子は考えている。

翌朝未明にはニムバを出ていく。解放せねばならぬ街はまだたくさんあるし、拠点にするなら東に2日ほど進んだ先にあるローズ城の方が良い。


 馴染みの女子生徒達と雑談していた七帆は、脇を通る西条香織さいじょうかおりを見咎める。

ぎっしりと中の詰まった袋を持って通り過ぎる彼女に声を掛けた。


「西条さん、その手に持っている物は?」

「あ、これ、街で買ったお菓子」

「食べ過ぎじゃないww」

「あはは…じゃ、急ぐから」


 香織はそそくさと七帆達の近くから去っていった。

袋の中身は不明だが、言ったとおりの代物だとすると、一人で食べるにして多い気がする。

釈然としないものを感じながら、七帆は友人との会話に戻った。


 オレンジの空の端に夜が染み出した頃、ディムナは神殿を出て行く。

丘を降ろうとした時、誰何の声を投げられた。振り返ると、声の主はユリス。

つぶらな青い瞳は水晶のようで、顔が小さく、肌は透き通るように白い。肩まで伸ばした白金色の髪を一つ結びにしており、ぱっと見女性のようだ。


「何をしているんだ?ディムナ。一人でなんて、町に用事か?」

「ユリス皇子……昼間の一件については、もう聞きましたか?」

「ああ。参加を臨む2人組が招かれたそうだね。破談になった所を、トミーが腕試しを仕掛けたと聞いている」


 ディムナは己の感じた不安を打ち明けた。

高額の報酬を要求してきた時はカチンときたが、その時は足元を見られているのだろう、からかわれているだけだろうと解釈した。

疑念を抱いたのは、トミーとの立ち合いが始まってから――観察されている気がする。

決定打となったのは、トミーの右手首だ。魔法による治癒は済んだが、感覚が戻らないらしい。僧侶シンシア曰く、身体奥深くの損傷は魔法でもすぐには癒せないそうだ。

得体の知れない、気味の悪い男。それがアーヴァインに対するディムナの総評だ。


「あの男は帝国の間謀なのではないかと――確証はありません。すべて印象です」

「オーシンには相談したの?」

「いえ、自分でも問題にするべきか決めかねていましたので、今まで……」

「なら呼んで来よう。街に向かうのは少し待ってくれ」


 ユリスに呼ばれたオーシンがやってくる。内々の話と告げ、3人は前庭の隅に移る。


「僕は直接会っていないから判断できないが、オーシンはどう思った?」

「そうですね……ディムナが彼らを帰すよう勧めた時は、安堵しているように見受けられました。解放軍に参加する意思は無かったと思います」


 顔を寄せる2人の少年指揮官の様子に、ディムナは恐縮してしまった。

この懸念は無限に広げられる憶測でしかない、ただ煩悶を抱えたまま次の戦場に向かう前に片付けておこうと腹を決めたに過ぎない。


「それは理解した。けど、僕は日頃の人となりや考え方は、話しぶりから透けて見えるものと思っている。狂人や天才いかさま師でない限りはね。2人から見て、アーヴァイン氏はどう映った?」


 ディムナとオーシンは問いに否定で答えた。

口を閉じていたデニスについては不明だが、アーヴァインについては評価が一致している。

表面的な態度は別として、彼はオーシン達を見下していた。


「その所見が真実とすると、間謀とは僕には思えないな…振る舞いが粗忽すぎる。現にこうして怪しまれているしね」


 この時にはユリスにも、アーヴァインの不安が伝染していた。

トミーの棍棒を手で受け、手首を握り潰すほどの身体能力の持ち主。それほどの力があれば、傭兵としてすぐに名をあげる事が出来るだろう。

一体どこに隠れていたのか、どのような意図をもってケイタに近づいたのか。


「最悪の場合、件の彼は全く未知の敵かも知れない」

「!――すぐに街に向かいます!」

「いや、君があちこちで聞きこんでいたら怪しまれそうだ。もっと町に溶け込める人物の方がいいだろう」


 まもなく、オーシンが1人の青年を連れてきた。

オールバック風に髪を流した男はトリスタン。理由あって解放軍に参加した盗賊である。


「お待たせしました。オーシン様が随分深刻な様子で迎えに来たんで、何事かと思いましたが」

「え、そんな顔してたかな…?」

「愉快でないことは確かだ。昼間にやってきたアーヴァイン氏について知ってるかな?」


 トリスタンは頷く。


「えぇ、知ってます。素手の相手にトミーがあれだけやられるとは驚きました。話がまとまらなかったのは残念でしたね」

「彼について調べてきて欲しい」

「…!えぇ、いいですよ。それならしばらく張り付く事になるんじゃないですかね?」

「そう、なるかな。長くて3日だ、それ以上かかりそうなら切り上げてローズ城に来てくれ」


 トリスタンは頷き、街に降りていった。

ニムバに宿屋は2軒しかない、パン焼き場と厩舎を備えた「麦薫る夕暮れ亭」と、食事を提供しない代わりに値段の安い「怠け者の小屋」だ。

最近街に来たばかりの旅人なら、印象に残っているのではないか?日が沈むまであまり時間がない。

ありがとうございました。

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