表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/97

闘技場に行こう

追放されるのがトレンドと聞いて。読む前に、以下の注意に目を通してください。


【注意事項】


・ハーレムは展開次第。


・デスゲームなし。


・俺tueee、チート能力。


・中二主人公。


・読みづらい。


・残酷な描写や暴力表現あり。


・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。


「戦場に出る契約は無いのか?」

「おっ、豪気だな。それならエレミア地方、タッカー地方、フロストマーチ地方に出る契約があるぞ」


 エレミア地方は解放軍が活発に動き回っている土地。

解放軍側、帝国側、両方が兵士を求めている。帝国兵は魔性の装備を扱い、単独でも精強なので、傭兵は恐らく最前線に送られるだろうと店主は予測する。

報酬は後払いが常識なので、適当に戦死してもらった方が報酬を払わずに済んで楽なのだ。


 フロストマーチ地方のダヌー伯は、大陸の領主の中では特に戦力補充に力を入れている。

彼は解放軍に呼応し、帝国の支配とクリフ教の在り方に異を唱えたのだ。

国をあげて信仰するクリフ神殿に寄付したものは、神殿の巫女と自由に交合する事が出来る。

年に一度の集会では香や酒によって多幸感や浮遊感に包まれた男女が、夜通し嬌声を響かせる。

神殿は季節が変わるごとに年若い少年少女を神像の前で焼き、護国と豊穣を祈った。皇帝直属の神殿長は予知や透視などの神通力を身につけ、領内の貴族以上の力を持つ。


「帝国の軍団は精強だからな。それでも家臣から犠牲を出せば反感は出る…だから募集してるんだろうな」

「傭兵はどっちの勢力についてもいいのか?」

「勿論。ただし、交渉で揉めても相談には乗らないから覚えて置け」


 佳宏は酒場で食事も済ませ、街の広場で人通りを眺める。

エリンディアに来て早2週間、自分でも意外なほどまったりしている。

時間の流れが遅い。進路やしがらみだけで1日が過ぎていく日本での日々に比べれば、毎日ゆったりできている。

娯楽が少ないのが難点だが、衣食住さえ確保できていれば、1年くらい滞在してもいい。


 狼に食い殺された時は流石に諦観したものだが、常人離れした力を得て図らずも復活した。

望みは捨てなくてもいい。日本には親兄弟が待っているくらいだし、クラスメイト達と一緒に転移したのだから、向こうで他の保護者達と協力しているだろう。

そこまで追い詰められはいまい。焦って帰らなくてもいいはずだ、佳宏は広場の花壇に腰を下ろして考える。


(警察や遺族に質問攻めにされるのは避けたい……一人二人連れて帰らないとな)


 佳宏はマクリル市内にある円形の建物に足を運ぶ。

闘技場らしい。興行師に話を聞くと、選手に金を賭ける事が出来るそうだ。1時間ほど後に試合が始まると聞かされ、2ナイア金貨を賭ける事にした。倍率は1.2倍。

一方、相手選手は1.7倍。


「利用するのは初めてなんだが、俺でも試合に出られたりするのか?」

「いやいや、流石に責任負いきれないから無理だよ。試合に出るのは奴隷や犯罪者、戦争捕虜ばかりさ。血に飢えた野郎が進んで試合に出たがるが、必ず訓練を受けてもらう」


 闘技場選手になる場合、養成所で指導を受けなければならない。

そこで訓練士から会場に入る際の行進の仕方、急所のつき方、体術などを学ぶことになる。

試合はどちらかが死ぬまで行われる場合もあるが、武器を捨てて両手をあげれば降伏扱いとなり、助命される。

ただし、最終決定は観客に委ねられるので、よほど見苦しい負け方をした選手は処刑されてしまう。


「それで、アンタも闘技場選手になるのか?」

「いや、聞いてみただけだ。仕事の邪魔して悪かったな」

「気にするな。勝てるといいな」


 佳宏は興味を惹かれたが、辞退した。

訓練は受けてみたいが、見世物になる気はないし、観客に生死を握られるなど我慢ならない。

佳宏は階段状になった円形の観客席に入り、空いている椅子に腰を下ろすと試合の開始を待った。

やがて試合開始の合図の笛が鳴らされ、観客席下の入口から選手が入場する。


 今回の試合は槍を装備した騎兵と、剣を装備した歩兵。

剣闘士、と呼ばれないのは理由はこれだ。武器の選択肢が広く、馬への騎乗すら許可されている。

もっとも、逃亡の恐れがあるので竜騎士の選手は存在しない。埋まっている席は2/3ほど、客の入りが良いのか悪いのか、佳宏には判断がつかない。

佳宏が座っているのは上段、遠い代わりにフィールド全体が見渡せる。


 観客の中に、目を引く一団がいた。

爬虫類と人間を混ぜたようなものが一角を陣取っており、長い首を伸ばして闘技に見入っている。


 騎兵はリーチに物を言わせ、長剣を持った戦士を牽制。

彼は馬を巧みに操り、剣歩兵の突進をすり抜ける。丸太のような衝撃に何度も打たれつつ奮戦する剣士だったが、左肩への刺突が決定打となった。

剣士は得物を放り出し、両手をあげる。降参のポーズだ。


「殺せ!殺せ!」

「殺せ!!」


 佳宏は白けた顔で場内を眺めている。

高所から殺し合いを眺めていると、こんな風に死刑宣告を出したくなるのか。

佳宏は儲けと掛け金を合わせた2ナイア40デクスを手に、闘技場を後にした。


(宿泊費と食費はケチってもいいし…もう少しいてもいいかな)


 翌日、荷役の仕事で金を作ると釣竿とショートブレッド、マスの燻製を購入。

他の荷物はドーター市で奪い取ったものがあるので必要ない。1ナイアで牛肉が塊で購入できる。

そのまま宿に泊まることなく、佳宏はマクリル市を旅立った。


ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ