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枕の下に 希望の上に(4)

欲しかった銀色の魚

いつかの埃は

積もりながら雨に打たれ

固まり

元が埃である事すら

わからぬ程

硬く

変質している




金槌で打ちつけて

ヒビを入れながら取り外し

全く無関係な物にまで

ヒビを入れている

丹念に丹念に

それを取り外せば

まるでまるで

全てが良くなるような

微かな希望は

微かな希望でしかない




上に煙

立ち上る微細粉塵

密閉された空間に

漂う黄昏と白いマスク

欲しかった銀色の魚

いつの間にか

荒れ果てた海




未来の埃は

積もる前に掃わき出し

捨てる

必要な物かもしれないが

わからぬから

嫌な物は

消していく




塵取りで掬い

潔癖症を拗らせた生物

全く無関係な物に

因縁をつける

丹念に丹念に

自分から外せば

まるでまるで

全てが良くなるような

微かな希望は

微かな希望でしかない




上に芥

誰かは天の川と呼ぶ

夜になればやってくる

小綺麗な塵と面倒な連絡

欲しかった銀色の魚

いつの間にか

途切れた川




前に進む事しか出来ない

そんな人間など居ない

人間は

元々前に進んでいない

同じ場所を

グルグルと回っている

人間は

時間を送り出す装置なだけだ

まるで

自分だけの時間が

有るかのように

勘違いしながら生きているだけだ

文明という名の玩具を

作り出してしまった時から




欲しかった銀色の魚

暗い海を飛ぶ

スピード感は無いのに

どの生物よりも速い

欲しかった銀色の魚

暗い空を泳ぐ

右に左に上に下に

どの生物よりも舞う

欲しかった銀色の魚

今はもういないんだよ

欲しかった銀色の魚

時間が出来たから

プツンと消えた


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