委ねられた触診
紺野班のメンバー前原君に声をかけられる。
『よつ葉、ちょっと頼みがあるんだけど…』
と、こっそり言われる。 ん? 私?
『うん良いよ。なあに?』
『工学部の俺のツレがさぁ「看護学部の子の知り合い居ない?って姉貴に聞かれたんだけど」って相談されてさぁ』
と、言う前原君。
『ん? 前原君、自分が看護学部じゃん』
と言うと前原君が
『俺じゃ、ダメなんだよ。今日、講義後に時間ある? ツレから詳しいこと聞いて欲しいんだけど』
とお願いされる。
『うん。良いよ』
と言う私に、前原君が
『ありがとう』
お礼を言われる。全ての講義が終わり前原君が
『よつ葉、芝内が学食の奥のテラス席で待ってるらしいから今から良い?』
と言われた。
『もちろん良いよ。よつ葉で良いの?』
確認してみる。
『よつ葉だから頼んでる』
そこまで言われたら、頼まれてあげようと思う。前原君とふたりで学食へ向かった。テラス席の奥の方に学生さんがひとり。私達に気付き前原君へ向かって片手をあげて挨拶? 前原君も片手をあげて挨拶? なんか男の子同士のやり取りを微笑ましく思っていたよつ葉。
『急に来てもらってごめんね。工学部3年の芝内遥斗です』
丁寧な自己紹介をしてくれたので…
『前原君と同じ看護学部3年の菜須よつ葉です』
と挨拶をする。芝内君が私に説明をしてくれる
『俺の姉貴が少し前に「遥斗の友達に看護学部の友達いない?」って聞かれて前原のこと言ったら「できれば男子じゃなくて女の子が良いから前原君の彼女か友達が看護学部にいない?」って言われて前原に相談したんだ。そしたら菜須さんを紹介してくれてここに来てもらったんだ』
と説明を受けた。
『私で良ければ大丈夫』
と伝えると芝内君が
『菜須さんが、今日大丈夫なら姉貴に連絡しても良い?』
と聞かれたから、さすがに一人じゃ不安だったから
『前原君も大丈夫?』
と前原君に聞いてみる、よつ葉。
『俺? あぁ良いよ』
とのことだったので「うん」と頷くとお姉さんに連絡をいれる芝内君
暫くして芝内君が「姉貴が家に来てもらって」と言っていたらしくお姉さんが仕事から帰る時間まで待ってお姉さんの住むマンションに三人で向かった。
長いお話になってしまうので、2ページに分けます。引き続き次ページへ進んで下さい。