看護学生は身内?
今朝は、何だか体調不良。
熱は無いから勉強会をお休みしない。
実は日曜日、個人的に問題が生じました。1日で解決ができず保留状態に、何だか落ち着かず不安が押し寄せていました。
夜も一人でどうしようもないのに、あれこれと思い悩む。眠れなくてなろうをひらく。お気に入り様の活動報告にこっそりとお邪魔をする。ブクマしてある小説にお邪魔をしてみる。でも頭に入らず断念して後日に読もうとホーム画面に戻る。
どんなに辛くても不安に包まれていても、明けない夜はない。気づいたら少し眠れていた。
身体が怠いなぁ。でも、熱はない。
月曜日の勉強会は午後から。それまではゆっくり過ごそう。
午後、大学の図書館でそれぞれの勉強に取り組む。今日の参加メンバーは、紺野君、前原君、よつ葉。おーい、他のメンバーは何してるの?
過去問をしたり、先輩方の老年看護の実習記録を見せていただきどんな実習になるのか話し合ってみる。天野教授に呼ばれて、みんなで教授室へ移動する。
朝から体調不良だったのを隠していたのが悪かったのか怠さが増したような気がする。
立ち上がったときにちょーっとふらついた。
「よつ葉?」
前原君が支えてくれた。
「ありがとう」
「どうした?」
「ふらついただけだよ」
「行ける?」
「うん」
図書館から看護学部棟に移動する。ってか、遠いなぁ……。ふらつく怠い身体に気合いをいれて頑張るよつ葉。
教授室で就活の事を聞かれ、色々お話をしていただいた。人間、限界というものがあるらしい。後ろの棚からファイルを持ってこようと席を立った時に、ふらついてしゃがみこんでしまった。紺野君が支えてくれたおかげで倒れずに済みました。
天野教授に色々聞かれ、病院に連れていかれた。前原君と紺野君まで着いてきた。あのぉ、そんなに着いてこなくても……。
天野教授の融通が利くらしい病院に連れてこられた。救急外来の受付で天野教授が親しそうに一人の看護師さんと話している。
そしてすぐに診察室に呼ばれて天野教授に付き添われて診察室へ行く。そこでも看護師さんと天野教授は親しそうに話をしていた。
「あまっちの受け持ち?」
あまっち? おのっちと大差なくない?
「そうなの。期待の星だから宜しくね」
あのぉ、誉めてくれるなら元気な時がいいです。
医師が来るまで看護師さんと天野教授の会話に花が咲く。
担当の医師が来て診察が始まり、看護師さんの見事なフォロー。
診察の結果は、軽い脱水症状と睡眠不足だそうです。脱水症状と言うことで点滴を受けてからの帰宅となりました。
処置室での危ない会話に思わず拒否反応。
「ゆっこ、注射演習ギリギリ単位だったよね?」
「そうそう、相手役の男子の腕、内出血して紫になってたね」
「泣かせたよね相手役」
「・・・・・・」
大笑いが聞こえて入ってきたのが担当して下さった医師。
「○○さん、単位ギリギリだったんですね。将来の身内の子、腕隠してますよ」
ん? 将来の身内ってよつ葉?
「あらやだ、昔の事よ」
「大昔の間違いでしょ?」
「あまっち、あんたのこともバラすわよ」
あぁ、それは聞きたいかも。
「よつ葉さん、私が久しぶりに点滴してあげようか?」
天野教授が冗談とも本気とも取れる恐ろしい提案をしてきた。
「なんなら俺がしようか?」
救急外来での医師か、看護師(昔男子の腕を内出血させた経験者)か、現場を離れて何十年の天野教授の三人。選択肢を与えられたよつ葉。
どれを選べば正解なの?
普通に考えたら看護師さん。きっともう慣れたはず!!
医師か看護師さんで悩むよつ葉。
正解はどっち!!!!!!
「この先生、注射上手いわよ」
よつ葉の心が決まりました!
「先生でお願いします」
うわぁ、よつ葉って単純(笑)
腕を出すと消毒され点滴用の針を刺される。
「いたっ」
痛いよぉ。そりゃ、針刺すんだもんね。痛くないわけがないよね。
「ごめんごめん。痛かった?」
ついつい声に出てしまっただけです。
「いえ、大丈夫です」
痛い人はもっと痛い。この医師の注射手技はきっと得意なんだろうとおもう。見習いたいと思う手技でした。弟子になります!いや、そうしたら救急外来ナースになってしまう。そこは無理!!
と脱水症状でも周りを見てしまう悲しい性。
点滴処置を施され看護師さんが、
「廊下のイケメン呼んできてあげるわね。ところでどっか彼氏?」
天野教授までもが
「気になるわよね? よつ葉さん、どうなの?」
女子だなぁ。と思わされる。
「どちらも班のメンバーです」
そんな答えじゃ納得しないこのふたり。
「じゃあ、どっちがタイプ?」
看護師さん、他の患者様は良いのですか?
「あの髪がサラッとなびく背の高い方の彼がイケメンよね!」
看護師さんは前原君がタイプなんですね。了解しました。前原君がこの病院に就職したら可愛がってあげてくださいね。
何だかんだと話をして紺野君と前原君が処置室に来てくれた。
「大丈夫か?」
「気づいてやれなくてごめんな」
「心配かけてごめんなさい」
「大丈夫?」
「うん」
「よつ葉の大丈夫はあてにならないからな」
いやいや、紺野君。本当に大丈夫なんだって。大丈夫って言いながら大丈夫じゃなかったの前にもあったもんね。
「よつ葉には前科あるよな? 倒れたの言わなかったこと!」
「そだねぇ」
「ふざけるな」
「ごめんなさい」
「紺野、一応病人」
前原君! 一応じゃないけど(笑) 何とかしてください。
「よつ葉、次はないからな。今度言わなかったら小野みたいに鬼メールだからな」
ひぇーーーー……。申し訳ありませんでした!
鬼メールは、遠慮したいです。ごめんなさい。
「・・・・・・」
「よつ葉、返事」
紺野君、怖いから。
「はい」
素直にお返事しておかないと、小野君のような扱いになってしまう。それだけは回避したい。
「よつ葉、わかってるから。大丈夫。泣くな」
前原君、泣いてないもん。
「わぁ、あまっちの学生さんたち青春だわ!」
看護師さんが様子を見に来てくれた。点滴まだ半分も減ってませんよ。
看護師さんが紺野君と前原君を気に入り盛り上がっている。
「あなたたちが配属されたら独身看護師に可愛がられそうね。仕事より看護師に苦労しそうね」
うわぁ、マジかぁ!
ふたりとも頑張れ~♪♪
よつ葉の心の声が漏れていたのだろうか?
「よつ葉、何か言いたそうだね?」
紺野君、滅相もありません。
「いいえ」
「大人しく点滴受けとけ」
あのぉ、よつ葉なにも言ってないよね?
静かに点滴受けてたよね?
「紺野、よつ葉も反省してるから許してやれ」
前原君! もっと言って。
よつ葉、大人しくしてたもん!
「まぁ、癒されるわ。ふたりの男子がひとりの、か弱い女の子をめぐって熱いバトル」
看護師さん、ドラマの観すぎだと思います。
「あまっち、毎日見てんの? 良いわねぇ」
「こういう楽な学生ばかりじゃ無いんだからね」
天野教授、それって小○君?
まだまだいそうですけどね。
何だかんだと言いつつ点滴が終わる。そこでもまた巻き起こる恐怖の時間。
「そろそろ終わりね。誰に抜針してもらう?」
えっ? 今、なんて仰いました?
「えっ?」
「学生君、してみる?」
「はい!」
ちょっと、そこで返事しないでよ。前原君。
「以前、実習中に怪我をしたとき、よつ葉に看護助手をしてもらったお礼をここで返したいと思います」
えぇーーーー、恩返し要らないから!
ひぇーーーー、素人だよ。無免許だよね!
というわけで、前原君に抜針されたよつ葉でした。以前の恩返しありがとう。
起き上がるとき、さすが看護を学んでいる私達看護学生、さっとフォローが入る。
「ありがとう」
「大丈夫か?」
「あまっち、見た見た? 若いわよね」
「いつも見てるわ」
「良いなぁ。たまには交代してみない?」
「無理無理、現場離れて何年だと思ってるの?」
「何十年の間違いでしょ!」
こんなやり取りのあと、お礼を伝えて会計を済ませて天野教授に送ってもらって帰りました。
仲間の思いやりと、教授の普段とは違う一面を見ることができました。




