怖い連絡網
看護学生を甘く見たらいけません。怖い連絡網です。
朝から、風邪なのか鼻水が止まらないよつ葉。
講義室で、提出レポートの誤字脱字の最終チェックをしていたとき
『よつ葉? どうした。何があった?』
と紺野君の突然の質問。 ん? 何もないけど…
『えっ? 何もないよ』
『よつ葉、泣いてるから』
えー、泣いてない! 朝から鼻水がね、止まらないだけで泣いてないです。
あぁ、タオルハンカチを鼻に当ててたから間違えちゃったのかも…
『違うよ、朝からさぁ…鼻水が止まらないの。泣いてないよ、心配かけてごめんね』
と伝えると
『それはそれでダメじゃない? 熱は? 薬は? ご飯食べたの? 水分摂ってるの?』
怒涛の質問攻撃
『・・・・・』
紺野班の他のメンバーが、私の周りに集まりだし
『早く言いなさいよ』
『医務室いく?』
『ここが実習棟だったら体温計くらいあるのに…』
と口々に言葉をくれる。紺野君の姿が見えない。
暫くすると、次の講義の始まる時間。あっ、紺野君が講義室に戻ってきた。
なんか今、ニヤッって笑わなかった?
なんか、嫌な予感。あの微笑みは何かを企んでるよ、ヤバイなぁ…。
「成人急性期看護」の講義が終わり、ファイルを鞄に入れていると携帯が目の端に入り、何げに開いてみると
何?、このすごい数のメールや着信の数!
花陽先輩に、槙野医師、近藤先輩、山内医師…
何?、病院関係者ばかり…
『よつ葉、熱は? 講義無理して受けないで体調第一に考えてよ』
花陽先輩? いきなりのこのメール。
『よつ葉ちゃん、診察してあげるよ』
いやいや、槙野医師は泌尿器科医ですから遠慮しておきます。
『よつ葉ちゃん、帰りに受診しにおいでよ。大学終わったらメール入れて。待ってるからね、逃げたらわかってる?』
山内せんせぃ…
『よつ葉ちゃん、鼻水垂らしてるんだって? 熱は? 紺野が受診した方が良いのか市販薬で良いのか俺に確認来たからみんなに知らせておいたぞ』
近藤先輩…大袈裟ですよ。しかも喋りすぎです。・・・でも、心配して下さって嬉しいです。
※近藤先輩とは
私のお世話係だったのが花陽先輩だったように紺野君のお世話係だったのが「近藤先輩」です。
怖い連絡網です。
気づかなかった事にしよう。次の講義後、携帯を確認するとさっきの倍以上のメールに着信。
一人ずつ、お返事を入れさせていただいたよつ葉でした。
はじめの連絡を見なかった事にしたおかげで、後からお小言を頂く事になったのは言うまでもない。