えっ? これがナース服?!
大学のオープンキャンパスが週末に開かれました。1年~3年の2班づつがお手伝い学生として選出されました。
3年生代表は、佐久間班と紺野班。
医療系学科ブースに集まりました。
看護学科・理学療法学科・作業療法学科・生命医科学科の4学科。教授が「各学科男女各一名ずつここに来て下さい」との言葉に、周りを見ると「じゃんけん」を始めました。学年別やら全員纏めて一斉じゃんけんなど、それぞれの学科で代表を決めています。
看護学科も「じゃんけん」かな?と思っていたら何を言い出すのか、佐久間班の班長の佐久間奈緒さんが
『私達、紺野班に一任するので、指示に従います』
と言う。それを聞いた下級生の班の子達も何やら話して、班長が
『私達の班も、紺野先輩達の指示に従います』
とそれぞれが言い出し、紺野班に委ねられた。ここで張り切り出す美羽ちゃん
『もう、ウチらでじゃんけんで良いじゃん。負けた人ね』
と言ったと同時にじゃんけん開始。よつ葉、一発で負けたんですけど!! なんか企んでる? 美羽ちゃんが
『看護学科女子は、よつ葉ね』
と大声で言われ、盛大な拍手と笑顔で包まれた看護学科。次に男子。じゃんけん開始、何でこんなに決まらない?女子なんて一回で決まったのに・・・。
接戦?! の結果、紺野君が負けました。ふたりで教授に報告すると「看護学科・女」「看護学科・男」と書かれた中身の見えない紙袋を手渡されて着替えてくるように言い渡された。
作業療法学科・理学療法学科・生命医科学科の女子とそれぞれの紙袋を持って更衣室へ向かった。
途中で、中身の話になる。
『こんなにテープで貼りつけなくて良くない?』
『看護学科、信頼あるね。指示に従います。なんてなかなか言えないよ』
『そこでさぁ、じゃあ貴女しなさい。って言わないところも凄いね』
褒めてくれて嬉しいけど、じゃんけん一発負けが府に落ちていないんですけど!!
せめて負けて良かった。と思える事が起きますように。と祈るだけ。
更衣室に着いて、紙袋の中身を確認する4人。
『コスプレ?』
『理学と作業は色違い?』
『そうかも。なにこのフリフリ付いてるの邪魔で仕方ない』
『これ着て、外に出られない』
『看護の衣装、ヤバイ』
『ピンクのミニスカナース服なんてエ○チな映像の衣装みたい』
・・・生命医科学科の野田さん、そんなにはっきり言わないで! これを着る私の身にもなって下さい。嫌だよぉ。既に、じゃんけんで負けた後悔。
取り敢えず4人で着替え始める。このナースキャップ・・・絶対にコスプレ!
理学療法学科の中野さんが
『ねぇ、ウチら女子が、こんな衣装なら男子は、どんなの着させられてるのか気になるよね』
と言った。 うん、確かに紺野君も紙袋を手渡された。あの中身・・・。
そんなとき、私の携帯に連絡が入る。紺野君からだ!
『よつ葉、着替えた? よつ葉の衣装もコスプレ?』
よつ葉も・・・ってことは紺野君も?
『うん、ピンクのミニスカートのナース服とピンクのミニナースキャップ』
『やっぱり。俺も上下ピンクのナース服』
看護学科がピンクでお揃いと言うことは、きっと他学科も。更衣室の外で待ち合わせして全員揃ってみると学科で揃えられていたカラー。
看護学科…ピンク、理学療法学科…黄色、作業療法学科…オレンジ、生命医科学科…黄緑
取り敢えず、8人揃って記念撮影(楽しんでる? いやいや、記念です)
8人で仕方なく医療系学科のブースに戻ると、拍手と大笑いで迎えられた。
もう帰りたい。
『じゃんけん負けなくて良かった!』
ゆみちゃん、しみじみ言わないで。
『よつ葉、似合ってるよ』
美佳ちゃん、嬉しくない。
『うわっ、エロッ』
小野君、声が大きいよ。みんなクスクス笑ってるじゃん!
それに加え教授が、何やら追加の代物を持ってきた。たすきで「ミス・看護学科」「ミスター・看護学科」と書かれている。
いやぁ~~~~~~
これって、新種のいじめ? 美羽ちゃんが「よつ葉、写真撮ろ」とスマホを取り出す。
『嫌だよぉ。撮らない』
一応反抗してみる。有無を言わさず次々に写真を撮られた。
コスプレ衣装8人は、それぞれのブースで受付嬢。それ以外の学生は、講義室で質疑応答などに答える学生。
私達が歩くと必ず、二度見される。そりゃ、このコスプレ衣装だもんね。仕方ないけど、この視線が痛い。
高校生に「可愛い」と絶賛され握手に応じ笑顔で、看護学部棟の説明をする。
インターンシップより疲れた1日です。
紺野君のピンクのナース服も、なかなかのコスプレ衣装。
男子用のコスプレ衣装なんて、誰が見て喜ぶんだ?
ヒソヒソ何か言われてましたけど、気にしない紺野君を見習いたい。
梅田教授に大笑いされ、立派なカメラで看護学科のブースにいる私達をカメラに収めて喜んでいた梅田教授から黒いオーラが見えた気がした。黒いオーラを振り撒きながら
『仕上がったらふたりにも写真あげるからね。期待してて』
と、言って看護学部棟に軽やかな足取りで向かっていく梅田教授でした。




