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ことだまカンパニー  作者: 今神栗八
第六章 ワーズ(一)
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第六章 ワーズ(一)(5)


 京子はうっかり要らぬことを言ったと後悔しつつ目を伏せる。


「いえ……何でもありません」


 数秒の間、【be子】は京子を睨んでいたが、やがて気を取り直して続きを話し始めた。

「六姉妹、仲好しだと思う? 意外に思うかもしれないけど、あたしたちが一緒に仕事することは、まずないわ。それぞれ単独のお仕事ね」


 【be子】は教卓で腕を組む。


「それに、あの子たち、恋人関係をすぐ職場に持ち込むの。よく手を取り合ってカートから降りて来て、いちゃつきながらプラットホームをのんびり歩いて来るんだから、うらや……いやらしいわよね」


 腕を組んだ【be子】が教卓から見下ろすと、万三郎をはじめとして、前列の三人がペンを片手に、爛々とこちらを見上げていた。


――この子たちは、待ってる。


 【be子】は自尊心が満たされる喜びを再び感じる。


「万ちゃん、あなた、もっと聞きたいの?」


 万三郎は力強く頷く。


「はいっ」


「そう。じゃあ、今日は取っておきの特ダネ、教えてあげる。西園寺家ドロドロの人間関係よ」


 【be子】は組んだ腕をほどいて、人差し指を立て、ひとつひとつ確認するように指を揺らしながら話し始めた。


「【am子】の彼氏は【I介(あいすけ)】くん。あの子は誠実。ずっと【I介】くん一筋ね。


 【are子】は、一見(いっけん)【you太】(ゆうた)くん一筋のように見えるけど、実は【they吾】(ぜいご)とも付き合ってるわ。いわゆる二股ってやつね。自分ではバレてないと思ってるみたいだけど、バレバレよね。


 【is子】は、あたしの妹ながら悪い女よ。誰とでも二人で出かけるわ。節操がないのよね。でも、さすがに【am子】や【are子】の彼は奪わないわ。


 人としてどうかと思うのは、【was子】。あの子、【is子】の遊び相手全員と昔、遊んでた。それだけじゃなくて、【am子】の大事な彼、【I介】の元カノでもあるの。黙ってるけどね。ひどいわよね。


 そして、妹の中でも最低最悪なのは、【were子】。同時に複数の男たちと付き合ってたの。【are子】の遊び相手は全員、昔【were子】と遊んでた。【they吾】ですら、昔は【were子】の男だったの。


 「みどり組」の三人は熱心にノートを取っていく。


・am / is / areは現在、was / wereは過去

・I am / I was

・You are / You were

・is は、I , you 以外すべての単数につく(一人または一つ)

・was は、you以外のすべての単数につく(一人または一つ)

・They are / They were

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