表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ことだまカンパニー  作者: 今神栗八
第六章 ワーズ(一)
89/368

第六章 ワーズ(一)(3)


 さすがの【be子】も我に返り、おほんと言って、ETたちに着席を指示した。彼らが着席している間に彼女は教壇に上がり、教卓の縁に両手を掛けてETたちに言った。


「あたしの名前を知らない人、この中にいる? いたら手を上げなさい」


 六人の誰一人として、手を上げなかった。


「もちろん、そうよね。あたしを知らないETなんて、もぐりだわ」


 当然という表情で目を閉じた彼女は、突然くわっと目を見開き、凄みを効かせて早口言葉のように、一気にまくしたてた。


「そう! あたしが、『あるいるクラブ』会長、『ですますクラブ』会長、『進行形制作委員会』委員長、『受身形制作委員会』委員長、株式会社ことだまカンパニー・ジャパン英語事業部傘下ワーズ営業部所属、第一文型課課長兼第二文型課課長、原付免許取得済みの……」


 そこまで一気に言うと、彼女は首を一ひねりして長い黒髪をわさっとなびかせた。つややかな髪は、シャンプーのコマーシャルで見るように彼女の頭の周りをしなやかに一回転して、健康的に弾む。ダイナミックでエレガントなキメのポーズを、彼女は自分の名前で締めくくった。


「西園寺【be子】よ」


 ポーズに少し余韻を持たせておいて、【be子】は付帯情報を小さく早口で言った。

「講演の依頼やファンレターはプライベートオフィスを通してね。『なさい県、文頭郡、助動詞ノ後町、頻度副詞前一の一 Amisare和津羽アミザーレわづわ一〇四号室』よ」


 万三郎たち「みどり組」の三人は、【be子】の前置きのような話さえも、さらさらとノートに書き取っていく。


【be 動詞】

・「ある」「いる」を言うときに使う動詞。

・「です」「ます」を言うときに使う動詞。

・「進行形」を作る形の一部に使う。

・「受け身形」を作る形の一部に使う。

・第一文型と第二文型で使う。

・文頭に置くことで、「でいなさい」という命令文になる。

・助動詞の後に置く。

・頻度を表す副詞の前に置く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ