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ことだまカンパニー  作者: 今神栗八
第五章 仲間
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第五章 仲間(14)

十四


 さっき万三郎の顔めがけて祖父谷が放った水が溜まっていた床に、踏ん張った方の足を取られて、万三郎は前につんのめった。勢いで前に倒れる時、夢中で両手でつかんだのは、京子のスカートだ。スカートは無残にも引き下げられ、投げの姿勢に入っていた京子は、ずり下がってきたスカートに膝の自由を奪われて、勢い余ってこれも前につんのめった。


 京子が前に倒れる勢いで、グラスの中の水は天井に向かって放たれる。京子はそのまま床にうつ伏せに倒れ込んだ。


 スカートをつかんだまま、こちらもうつ伏せに倒れ込んだ万三郎の顔は、京子の下着の尻にすっぽり収まるはめに。


 一方、倒れるさ中も京子がしっかりつかんで離さなかったグラスが、ユキに向かって再び歩き始めようとしていた祖父谷の後ろ脚の膝の裏を直撃した。


 祖父谷は「膝カックン」をされた格好になって、天を仰ぐように後ろ向きに倒れ込んだ。


 結果、祖父谷の股間から京子が頭を出す形になった。


 京子は、床に口づけをした状態で祖父谷に馬乗りに乗られ「ふんぎゃあ」と言った瞬間に、自ら放った水が後頭部を直撃して、見るも無残な姿をさらした。


 祖父谷の方も、おもらしをしたようにズボンの股間を濡らし、仰向けに倒れた勢いで、自分の後頭部を万三郎の後頭部にしたたかにぶつけるはめになった。


 金槌で打たれた釘のように、万三郎の顔は京子の尻にさらに埋まった。


「ファンフェ、フォッファイ、フォーリー、マッファラル」


 ユキと隣の杏児は、ただただ目を見張って言葉を失っている。惨憺たる光景を前にして、奈留美がナプキンで口を拭いながら言った。


「庶民のなさることは、よく分かりませんわ」


 マスターは杏児に耳打ちした。


「確かに三人来た。だけど、良い客だとは、とても……」

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