カナリア&セバスチャン
カナリア(古瀬美玖)
本編主人公。三月生まれの十五歳、高校一年。
リアルでは耳が隠れるくらいの黒髪と黒縁眼鏡。そして常にうつむく自己評価があまりにも低い少女。
VRMMORPG「TabTapS!」では、外見はそのまま、髪を腰くらいまで長くし、赤いゴムで無造作に後ろで結んでいる。身長などは低いものの、男物の黒スーツに黒いコートを初期装備で選ぶ。
親に内緒で祖母の勧めたVRMMORPG「TabTapS!」をプレイする。ゲーム自体も入れ込んでするのは、これが初めて。
他者と違い全くゲーム的発想が出来ないことが利点でもあり、弱点でもある。
ゲームを始めてすぐに躓いたところを有名プレイヤー「ジャッジ」に助けられ、そこから共に行動することになる。
魔法全般を使えるようになることと、現実ではあまり出来ないアクセサリー作りをゲーム内でやることを目標に当初は頑張っていた。それが実り、アクセサリー職人として有名になる。
ジャッジ知人には可愛がられ、数多の装備を格安もしくは無料で貰い受ける。それが掲示板内でも話題となり、「癒しのウサミミ嬢」という称号をもらう(本人は知らない)。
後に分かることだが、両親からはネグレクトや言葉による虐待を幼少時より受けていた。父の実家でも同様の扱いを受ける。
理解者は祖母と既に他界した祖父。
その後、両親による事件(世間ではVR事件と呼ばれる)により、一時意識不明になるものの、ジャッジたちの協力により意識を取り戻す。
現在は親元を離れ、「おばばさん」と一緒に暮らす。
リアルでもアクセサリーを作る傍ら、おばばさんに着物の仕立て方などを教わりながらリハビリに励む。
セバスチャン(AI)
VRMMORPG「TabTapS!」内において数少ないプレイヤーが主の「自立思考型AI」。
茶色い髪に青い瞳に燕尾服姿。料理もそつなくこなし、戦闘では補助に回ることが多い。
カナリアを「ご主人様」と呼ぶ紳士だが、カナリアに対してはかなり辛らつな言葉をかけることが多い。プレイヤーにはほとんど「様」付けで呼び、他のAIには「嬢」や「殿」、もしくは「様」をつける。
ただし、カナリアやカナリアを傷つける者は容赦せず潰すという性格。
カナリアが意識不明でゲームにつなげなかった時期はGMとギルドの仲介に立つなど、縁の下の力持ち。