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「エミリオ様っ!!!」


「エリー、大きな声を出してはしたないよ。焦らなくてもエミリオは逃げないから」


女神様かと見間違うほど美しい女の人が突進してきた。王子様同様、スカイブルーの瞳に蜂蜜色をした豊かな髪の毛はゆるく編まれアップに纏められている。年のころは私と変わらないように思えるが、私と違って色気と気品が溢れている。


「もぅっ!だって全然いらしてくださらないのだもの。エミリオ様がいらっしゃるのを楽しみにしておりましたのにっ!!」


そう言ってその美女はエミリオ様の腕にしなだれかかり潤んだ瞳で見上げている。


「約束の時間に遅れて申し訳ない。」


「私、美味しいお茶を用意して待ってたのよ。今日はエミリオ様がいらしてくれるからって侍女たちも張り切って準備してくれたわ!さぁ、はやくまいりましょう」


そういって豊かな山をエミリオ様の左腕にギュッと押し付け、睫毛をバサバサ瞬きながら上目遣いで見上げる美女・・・・・・完敗・・・・・・


いやいやいや、完敗って勝負しようなんて最初っから思ってなかったし!ちょっぴり胸が痛いのは、そうそう、あれよ!飼い主をとられたペットの気分!!っっって違う!!ペットじゃないもん(;O;)なんかわかんないけど、ずっと側にいたからいなくなるのが淋しくなるだけだから・・・


魔法がとけたら離ればなれになるのかなぁ。孤児院では大勢の中の一人で、可愛がられてなかったなんて思ってないけど、年齢があがるにつれお世話される方からする方へかわっていった。だから初めてだったんだ。あんなに遊んでもらって、抱きしめられて、いつのまにか誰かの温もりが当たり前になってしまってたんだなぁ。ちゃんと飼い主離れしなくっちゃ・・・・・・



「おい、ネコ!帰るぞ。待たせたな。」


「もうっ!ネコじゃなくってモナ!!ちゃんと名前があるのっ!!」


「ネコはネコだろ。」


美女はルーファス様の妹君で、エリー様。なんと王女様だったの。エリー様がひらいたアフターヌーンパーティにはきらびやかなお嬢様方が集っていらっしゃったのだけど、エミリオ様の姿はそこに馴染んでいて本来ならば立場の違う遠い人なんだなぁって改めて確認しちゃった。いつかそう遠くない未来、彼の隣にこの中の誰かがいる。そう思うとやっぱり淋しぃ。


「今日の夕食は屋台でいいか?」


「テールスープが食べたい!!」


「お前今ネコだから猫舌だろ。」


「あぁぁぁ!!大好きなのにっ!!何で今私はネコなんだろ(;_q)」


「しょうがないな・・・おい、おやじスープ一つ頼む。後、別に器を一つもらえるか?」


「あいよ!綺麗な兄ちゃん!」


屋台のおじさんから器とスープを貰うと噴水の縁に腰掛け、少量を器に移し冷やしてくれた。


「他にも買ってきてやるからちょっとそこで待っておけ」


そう言って屋台を物色しに言った。


・・・・もう少しだけ・・・もう少しだけ側にいたいな・・・・・・

テールスープ・・・(笑)屋台にあるんです!!

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