表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/15

4

俺は今猫を飼っている。いや、実際は猫になった女の子を飼っている。はじめは嫌々だった。責任を取ってもとに戻すまではと家に置いておいた。猫の正体があのモナって女なら、たいして害にはならないだろう。そう思った。

実際側に置いてみるとなかなか面白い。初めは毛を逆立てこちらを警戒していたが、空腹には負けるのか食事の時間になり食べ物を用意するとじわりじわりとよってきた。涎をたらしながらじっと耐えていたが、5分もたたないうちに夢中でがっついていた。一度猫缶を用意したら、怒って俺の料理を食べられた。人間の料理は猫にとって塩分が高すぎると思うのだが・・・しょうがないので猫用に塩分控えめで作り、自分のはソースや塩コショウで味をととのえている。美味しそうに食べる彼女を見ているといつもと変わらないはずの料理がうまく感じるから不思議だ。


玩具をちらつかせると、関心がないようなポーズをとるが、どうしても気になるのか目だけをきょろきょろ動かしていた。しまいには体が猫の性質に引っ張られるのか全力で遊んでいる。実に興味深い。


はじめは怒っていたポケットの中も意外と居心地がいいのか自ら入るようになった。居間で寛いでいると、撫でろと言わんばかりに膝の上で丸くなる。はじめは一緒に生活するのが面倒でたまらなかったが、案外いいものだと思い始めている自分に苦笑する。



一応仕事の片手間に魔法をとく方法を探している。猫になったからか、元々の性質かすぐに眠ってしまう彼女は気付いてないが何度か人間に戻ったことがある。しかし、まだ何か足りないのかすぐに戻ってしまう。最初の実験の時は服を着ておらず、少々焦ったが、まぁ気づいてないからいいだろう。




………………………………………………




最近、エミリオ様がよく笑うようになったのよね。バカにされてる気がしてムッとするときもあるけど、たまにとっても優しい顔で笑うから心臓がドキドキするっ!!!顔が整っている人の笑顔は誰でもドキドキするよね!!あれは卑怯よね・・・でもまぁ、少しは心をひらいてくれたのかなぁ~なんてちょっぴり嬉しい自分がいるの~!


今日は仕事帰りに商店街でお買い物♪♪


「にゃー、にゃにゃにゃにゃにゃーにゃにゃ、にゃにゃにゃー!(ねぇ、魚もいいけどお肉が食べたいなぁー!)」


「猫なのに肉をたべていいのか?」


「にゃっにゃにゃにゃー?(ちょっとくらいいいんじゃなーぃ?)」


「しょうがない、少しだからな。」


「にゃぁぁぁぁあ(やったぁぁぁぁあ)!!」






その時、たまたま通りかかった少女は思った。


あの人、猫と会話してる・・・残念なイケメンってはじめて見た。



モナとであってキャラ崩壊の一途を辿るエミリオだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ