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ランドマイン  作者: 淡月 涙
25/50

『最後の手段』

ちょっと短いです。


その歌に、神流は素早く反応した。初めて聴いたあの歌だった。優しい歌声。嫌な事も忘れさせてくれる。

「痛っ・・・!?」

久住が頭を抱えながら膝をついた。激しい痛みが彼を襲う。神流は咄嗟に彼を支えた。

「久住・・・?」

「っ・・・あの歌・・・やめさせろ・・・」

「えっ・・・」

「頭が・・・」

リンちゃんの歌が、久住を苦しめてる。彼に死なれてはならない。

「やめて・・・」

神流は銃に手を伸ばした――。

「無駄だ」

背後から腕を掴まれ、神流は身動き出来なくなった。歌は続く。久住の悲鳴が徐々に掠れていく。

「離して・・・」

神流は腕を掴むアスカに言った。

「歌を止める訳にはいかない。悪いけど、彼奴には苦しんで貰う」

「・・・久住・・・」

苦しみに耐える久住を他所に麗夢は冷たい眼で、彼の前に立っていた。

「お前もこれで終わりだな」

「・・・っ!」

「今まで散々好き勝手してきた罰だよ」

麗夢は右手に電撃を帯びた。

「やめて、麗夢!久住を殺さないで!」

「何言ってんだ?神流。彩弓と戒はこいつに殺されたんだぜ。今更、自分は死にたくないとか、そんなもん通じねぇんだよ」

「麗夢・・・」

「最期に言い残す事はないか?」

「・・・フッ」

久住は意味深な笑みを見せた。

「何笑って・・・」




カチッ――




その瞬間、全ての地雷が一気に爆発した。

辺りは淡い光に包まれ、地響きと爆風が彼らを捲き込んだ――。

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